太陽を見つけたピエロ① ~僕はね・・・~
この物語を、今を走っている君に捧げます。
ある日、私は小さなピエロに会った。
ピエロは、サーカス会場の外の片隅で座っていた。
私は気になって、
「どうしたの?サーカスはもう、始まっているよ。」
と声をかけてみた。
「・・・・・・。」
ピエロは黙ったままだ。
「何か辛いことでもあったのかい?」
「なんでもないよ。あっちに言ってくれよ。」
私は立ち去ろうとしたが、気になってしょうがない。私はもう一回ピエロの近くに行って話しかけた。
「ねぇ、ねぇ、本当は誰かと話したいんじゃないの?どうしてこんな所にいるの?」
すると、ピエロは、
「んー、僕は本物のピエロじゃないの。だから、ここにいるの。」
しつこく聞きすぎたのか、少し起こっているような言い方になっている。それでも私は聞いた。
「本物のピエロじゃないなら、何でピエロの格好なんかしているの?」
「・・・・。」
また、ピエロは黙った。
そして、ピエロはすぐさま泣き出した。
続く。
(これは、私の中にずっといるピエロの物語。私が10年ほど前に勝手に書いた物語です。読み返して、当時の私の中のピエロから、今の私の中にいるピエロを通して修正した物語を綴ります。くだらないかもしれませんが、見てくださる方に少しでも響いてくれるものがあったら、嬉しいです。)