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#130 取り急ぎ悪魔の洗礼を受けよ─『Examtaker』の話

 この頃『Helltaker』の記事がやや浮上してるな? とダッシュボードを眺めてハタと思い出す。
 そうだ、アップデートがあるとかっていうニュース見たな!

 可愛らしい悪魔っ娘と『倉庫番』ライクなパズルゲーム、そして最終ステージの鬼畜避けゲー化で色々と話題を集めた『Helltaker』も、早いものでリリースから1年。そして今月上旬に、1周年を記念して新規(Ex)チャプター『Examtaker』の追加アップデートが行われたのである。ExtraじゃなくてExamなのね、成程。

 どうやら話としては『Helltaker』、そして公式Twitterで掲載されている短編漫画の後日談のようである。短編漫画はHelltakerの日本語訳パッチを制作した陽炎01型氏によって翻訳されているので、英語わっかんないよー! という方も安心して下のリンクから読んでいただきたい。
 ただし、読む前に『Helltaker』を全クリ(隠し要素含めて)することを推奨する。

https://twitter.com/i/events/1263783533274755072


 さて、簡単な前置きはこのぐらいにして、少しばかり『Examtaker』の感想をば書き留めておこう。

 追加ステージだが、今回操作するキャラクターは「悪魔っ娘ハーレムを作ってイチャつきたいが為に地獄に堕ちた(上で帰還した)」ヘルテイカーではない。

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 この3枚のスクショは立て続けに撮ったものである。余りにも簡潔な出だしから、いきなり始まる1面。Enterキーを連打して見逃したかと思うぐらい、導入があっさりすぎる。まあとにかくプレイヤーは「被験体67号」として、この試練(Exam)を突破しなくてはならないわけだ。

 基本ルールは『Helltaker』(前作)と同じだが、趣は異なる。前作が道を「切り拓く」ために壁を動かし、スケルトンや針山に対処するのだとしたら、本作は道を「確保する」ために壁を動かすことになる。スケルトンや針山の類は一切出現しないが、それ抜きでも十分に難しいのだ。

 上のスクショで、なにやらビームのようなものが3行放射されているわけだが、触れると即死する。しかし動かせる壁には貫通しないため、壁を蹴って動線を作る。これが『Examtaker』の戦略だ。

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 こんな風にね。
 しかし、手数制限は本作にも存在する。どうにか動線を確保しようとも、0になる前に(上にある)黄色い装置を蹴って破壊しないことには、試練を乗り越えたことにならない。そのため可能な限り無駄のない動きをすることが、やはり本作でも求められる。
 どの壁を、どの方向に蹴るか。個人差はあるだろうが、追加チャプターということもあって、パズルを解くのに意外と時間がかかってしまった。前作が1時間ぐらいでクリアできたとしたら、本作は最終ステージ(後述)に到達した時点で1時間超え。最適化するのが中々に難しいのよな。
 スクリーンショットを撮って、どのマスが通れるようになればいいか、レーザーをどの位置で止めればよいか、マルか何か印をつけて考えると、もしかしたら答えが見えてくるかもしれない。パズルパートの最難関ステージであるPHASE5では、この攻略方法に助けられたからおススメですよ。

 それでも、どうしても解法が見つからない! だとか、うっせぇ俺はストーリーが見られればそれでええんじゃいという方のために、『Examtaker』でもスキップ機能が実装されている。しかもびっくり、前作ではアクションゲーパートの最終ステージだけスキップできなかったのに、本作は全面スキップ可能になってる!

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 と思ったら、いつの間にか『Helltaker』の方でも「ゴッドモード」なるものが追加されていた。早い話が無敵化である(ただし上下の即死トラップに触れるとご丁寧に裁きの雷が下る)。これで詰んでたプレイヤーも一先ずのエンディングを迎えられるね。本当によかったね。

 『Helltaker』にて、賛否両論あったように思えるアクションパート。『Examtaker』では開き直ったのか、なんとアクション要素をモリモリにしてきたのであった。完全にプレイヤーを殺しにかかってる。

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 ビーム放射のタイミングを把握しながら、焼き殺されないように進んでいく。歩数制限はないため、どうしてもムリだ! と思ったら引き返すこともできるが、予兆が見えてから精々3マス程度しか動けないので、一度進んだら最後まで突き進むか、途中で死ぬかの2択になる。
 相変わらずパターン化されているから、何度も死んで覚えればいつかはきっと辿り着くことができるだろうし、パズルよりもアクションの方が得意なプレイヤーにとっては、寧ろこちらの方が素早くゴールに辿り着けるかもしれない。尤もビーム避けパートはこのPHASE2だけではないし、進むにつれてどんどん苛烈になっていくのだけれど。

 スキップという救済措置はあれど、せっかくだから最初の1回ぐらいは何も見ずに全面クリアしたい。ということで意地でもポーズメニューは開かずに最後までやりきったのだけれど、いや、まぁ、うん。
 最終ステージがね。やっぱりアクションパートなんですが、『Helltaker』の比じゃないぐらい覚えゲーで…。情報をワッと浴びせて太刀打ちできないまま死に、やっとこ一針山越したと思ったら意図しない所からブッ刺してきたりと、えらく鬼畜だった(これもパターンなので覚えればそのうちクリアできるよ、そのうち)。このっ、鬼! 悪魔! 堕天使!
 …といったすったもんだがありつつも、なんとかエンディングを迎えたのであった。ありがとう、次からは大人しくスキップを使わせてもらうね


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 ストーリーの方も少し触れると、本作では新キャラ「ロアマスター」が登場する。しかしながらこのマッドサイエンティスト、前どっかで見たことあるんだよな~…。

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 みんな大好き地獄CEOのルシファーが、何故か今回は「メイド悪魔」の肩書きで登場。何故こんな扱いなのだろうか。これについては、ストーリーを追うとともに、先述の短編漫画を読むことで理解できるだろう。まぁ相変わらずのヘッポコ具合なのでなんとなーく察しが付くかも、だが…。

 前作の主人公、ヘルテイカーはいずこへ? そうした疑問も、エンディングまで観れば何となく予想が付くだろう。なんだったら作者Vanripper氏がヘルテイカーのその後について、既に(『Examtaker』リリース以前に)言及している。つまりはそういうことである。
 実は私はExamtakerをクリアした後に短編漫画を読んだ人であるが、公式が提示した"正史ルート"について、その存在含め色々思うところはあるのだ。嬉しいような、寂しいような…これ以上は言うまい、続きは君の目で確かみてくれ。


 という感じで、『Examtaker』の簡単な紹介は終わり。いやぁ難しかった。だけどその分『Helltaker』以上にやり応えがあった。何度も死にまくって、ちょっとしたヒラメキやパターンの把握からクリアに辿り着いた時の達成感(と疲労感)を、是非とも『Helltaker』既プレイの方もそうでない方にも味わってほしい。
 本当に無理そうだったら、スキップすることだってできるし。それを封じても1日足らずでクリアできる…と思うので、本作も引き続きちょっとした空き時間にでも楽しんでみれば良いのではないだろうか。

 そうそう、最後になるが本作でも特典アートブックが用意されている。もちろん本作に登場するお菓子のレシピも。分かってはいたが、ウチのところの作り方とは全然違う。ふむ…なるほど。もし作るとしたら秋以降になるのかなぁ。多分だけど。