Review-#028-B 『ペルソナ5スクランブル ザ・ファントムストライカーズ』Part 2
引き続き、『P5S』こと『ペルソナ5スクランブル(後略)』の雑談レビュー。本項では日常パートをご紹介、いつもとは違った雰囲気の中で怪盗団が事件解決のために奔走します。
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目次
・Part 1 (作品情報, ストーリー)
・Part 2 (日常パートとか) ← いまここ
・Part 3 (戦闘パートとか)
・Part 4 (総括とあとがき)
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日常パート
東京を飛び出して世直しの旅へ
『ペルソナ5』には「カレンダーシステムを廃止し、世界を廻る」という没構想が存在したそうで、『P5S』はそれを部分的に拾い上げたようなシステムを採用している。
先に世界から見ていこう。「改心事件」が東京だけでなく日本各地で起きていると善吉から聞かされた怪盗団は、自分たちの濡れ衣を晴らすため王のいる場所に向かうことになる。北は北海道、南は沖縄。ホントに日本をぐるっと回るだなんて、なかなか出来ることじゃないぞ。基本キャンピングカーを使って旅することになるのだが、いやはや新島真(にいじま まこと)は凄い。私なんか2,3時間車を運転しているだけでもお尻が痛くなってくるというのに。
ざっくりとしているが、東京とはまた違った各地の街並みが再現されている。異世界に潜り込む前に、まずは王について聞き込み調査を行うことになる。街中には何やら様子のおかしい人も存在し、確かに王の影響が及んでいるようだ。後は観光スポットを調べたり、お店を物色したり、怪盗団のメンバーと話をしてアイテムを貰ったり。まぁ、大体そんな感じ。
☝ 東京の次は仙台。ロケーション的にも(ストーリー的にも)
牛たんたたんたんたたんたーんがイチ押しの街。
ある程度済ませたら、怪盗団のアジトたるキャンピングカーにて準備を整える。『P5S』の特徴として、ここでは「料理」と「通販」を利用することができる。
料理は、簡単に言えばアイテムの生成である。主人公のスキルを活かして各地で入手できる食材を使った料理を作り、HPやSPの回復アイテムとして異世界に持ち込むことができるのだ。
作れるのははじめはコーヒーとカレーだけだが、レシピを入手することでレパートリーが増えていく。『ペルソナ5』の作業台みたいに作れる個数に限りがあるわけではないので、食材があるならばガンガンご当地グルメを作っていこう。
☝ おすすめはカレー系の料理。
後述するが、SPを回復できるアイテムは沢山作って損は無いよ。
通販ではアイテムを売買できる。武器やら薬やら、よくもまあソフィアはそんなものを迅速にやりとりできる売買ルートを見つけたなと感心するばかりであるが、各地の店と共にこの通販を使って必要なものを買い揃えていくことになる。
また、本作のシステム上一度発った場所には戻ることができないのだが、通販では各地限定のアイテムも(一部を除いて)購入することができる。とはいえ明らかに現地で買うよりも高くなっているので、その場所にいるうちに集めておくか、BANDスキル(後述)の「タイムセール」が発生しているタイミングで買うことをおすすめしたい。
☝ 攻略に必要なものの大半はここで揃う。コープキャラに会えないのは
寂しいけど、その分集約されてラクになったと言える?
本作では一応カレンダーが残ってはいるものの、物語の進行を示す程度の役割に収まっている。天候の概念などは存在しないので、シリーズファンにはお馴染みのあの強敵が風邪を引いて弱くなる、とかそういうこともない。
後々説明するダンジョンパートは本作でも固定化されており、一つ一つが長めに作られているので、そのうちHPやSPが段々と消耗して立て直しを図りたくなる。ただ『ペルソナ5』では一度異世界から抜け出すと時間経過が生じ、他の日に貴重な行動回数を余分に割くことになってしまうため、やりこもうとするならば1回の侵入で可能な限り最奥までダンジョンを攻略するのがセオリーとなっていた。
『P5S』ではダンジョンに設置されている「チェックポイント」から一旦現実の世界に戻ることができるが、時間の経過はない。「のんびりやっていたら時間切れでゲームオーバーになっちゃった」なんて心配はしなくて良いのである。
その一方でお店や通販で取り扱われている商品は、一定のプレイ時間(おそらく)で再び仕入れが行われる。ダンジョンで頑張ったら仕切り直しがてら、アイテム調達しに帰るのもOK。
『P5S』の日常パートは全体的にシンプルな作りになっている。分かりやすいところで言うと、『ペルソナ3』から存在するコミュ(コープ)が存在しないことがその一つ。ストーリーの都合上組み込むのが難しいシステムだったのだろうか、寂しい仕様だと感じる。数は多くなくとも、せめて新キャラの分だけでも用意してくれたって良かったのよ? 無いおかげで所持ペルソナを気にする必要もない面はあるけれど…。
☝ 一応、誰かを誘って観光する…というイベントはある。
ちなみに修羅場っぽいイベント(バレンタイン程じゃないけど)もあるよ。
その代わり、コープに比べると簡易的ではあるが本作ではBANDシステムが存在する。ストーリーが進行するか、戦闘に勝利するか、各地で発生する「リクエスト」を達成するかして得られる経験値が一定値貯まると、BANDポイントが手に入る。このBANDポイントを使って、ステータスの底上げや能力強化など、戦闘を有利にするスキルを解放することができるのだ。
☝ BANDスキルは全て解放するには途方もない経験値が必要なので、
どれから優先的に取っていくかが大事。
まずは獲得できるBAND経験値が増える「さらなる絆」から解放するのが
良いだろう。ステータスアップ系は後回しでいい。
多分ここをコンプリートするのがトロコン最大の壁。
「リクエスト」は強いて例えるなら『ペルソナ5』のメメントス的な存在。ストーリーが進行するか、あるいは特定の条件で会話イベントを見ることで発生する。依頼の内容はダンジョンに潜って特定の敵を倒したり、特定の場所に向かったりするものから、現実の世界で必要なアイテムを揃えるものまで様々。依頼を達成するとお役立ちアイテムを入手できたり、BANDスキルを解禁することができる。
☝ 何度でも受注できるリクエストもあるので、
経験値やお金を稼ぐならば依頼をこなしつつダンジョンを攻略しよう。
あくまでも事件解決が目的の旅ではあるけれど、怪盗団はキッチリと青春を謳歌している。お祭りに海にバーベキューに…くそぅ、目が眩しい。それでもこのメンバーが楽しんでいるところを見ると、まぁいいやという気分になる。あんだけ辛酸を嘗めていたしさ、たまには皆ではしゃいだっていいじゃんかよって。
それだけに、もうちょっと日常パートを作り込んで欲しかったかな。ストーリーの展開に引っ張られて、後半はあんまり観光できないどころかイベントだけで殆ど巡っていない場所もあったし。
そうでなくても滞在中はほぼアイテムを買うためのお店に立ち寄るだけ、というのも味気ない。ダンジョンの攻略を自分のペースで進めやすくなったのはゲーム下手な私にとってはありがたいけれど…難しいところではあるよね、なんせ1ヶ月間というカツカツのスケジュールだから。
あと、流石に47都道府県全部を廻るのは無理だとしても、ネタにできそうなスポットを大分飛ばしたよね。中国・四国地方はスルーだし、東京、大阪があるなら名古屋もあるかなー…と思ったら無かった。これからのイニシアチブなのに! うん、贅沢な要求であるとは思うけど。
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そして…どこに入れるか迷ったのでここで書くことにするが、不満なのがグラフィック面。大体他の人と所感は同じ。
スクリーンショットを見ると分かりやすいのだが、結構シャギってる。『ペルソナ5』と比べて明るい色調ということもあって、粗さが目立ってしまっているのだ。何が原因なんだろうねぇ。文字も滲んでるみたいでちょっと視辛くなってるし…。
オプションでFPS重視の「フレームレートモード」と、画質重視の「グラフィックモード」に切り替えできるのだが、グラフィックモードに設定してもコレである。というかグラフィックモードにしても別にフレームレートに不満を感じたことはないので、グラフィックモードにしない理由がない。
☝ 縮小表示しているから普通に見えるけど、原寸サイズにして分かる
この…なんかボヤ~ンってなってる感じ。どうにかできなかったんかね。
もう一つ、UI。動きを入れたくなる気持ちはすごくわかるけれど、『ペルソナ5』で何が評価されていたかというと、アニメーションを付けていながらも操作の妨げになっていないという点ではないかと思う。でも、本作はそうなってないの。
メニューから各項目に移動するたびに動きが入る、というのは最初見た時に「ほほぅ面白いな」と思えても、だんだん「もういいからさっさと変更させろ」と苛立る要素になり得る。毎回毎回そのために1テンポズレるからねぇ…頻繁に使うわけじゃないが、コンフィグに移動するときに一番待たされるのよ。双葉は可愛いくても、ウェイトの長さは擁護できん。
ここはコーエーが技術を向上させても模倣しきれなかったというべきか、それともペルソナチームが優秀過ぎて追い付けなかったというべきか。それっぽく見せようとしたのは伝わるけどね。
☝ 『ペルソナ5』と比較するとポップなデザインに。3Dキャラも使用されており、項目選択のたびにちょいちょい動き回るのである。
怪盗団がこうやって全国を飛び回れるのも、もともと東京という実在する場所を舞台にしているからなのかもねぇ。日常パートでちょっとした観光を楽しんだら、いよいよ異世界に殴り込み。Part 3で紹介していきますよー。
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目次
・Part 1 (作品情報, ストーリー)
・Part 2 (日常パートとか) ← いまここ
・Part 3 (戦闘パートとか)
・Part 4 (総括とあとがき)
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