eighterじゃないけれどマシーン日記を観てきたので感想とか考察とかを書く(ネタバレあり)
関ジャニ∞の横山裕が主演で、音楽はとあるバンド(の、ボーカル以外)が担当している舞台だ。
関ジャニとそのバンドというと、「crystal」がドラマで公開された時に「とあるバンドみたい」と話題になったことがある。
そのとき、ボーカルはTwitterで否定していたが、あれから2年経ってボーカル以外のメンバーと関ジャニが邂逅を果たした。
私はeighterではないが、ジャニオタになる前はとあるバンドのファンだったし、というか今でもファンだし、しげやこじけんの先輩がコラボするなら観ようと思った。
ぶっちゃけ、最後まで話はよくわからなかった
ざっくりとしたストーリーぐらいならわかるけれど、詳細は不明。
というか、1幕はあらすじにあるところ以降は途中途中に他の登場人物による暴露が挟まれながら、同じ場所(物語の)でグダグダするのが1幕全体の3分の2ぐらいをしめる。そのあとは、サチコがミチオに工場からの脱出を提案して終わる。
2幕は途中から殺し合いが始まるが、これがメインだ。なお結末は、、、後で紹介しよう。
1幕と2幕の間がいまいち繋がっていない(時系列的には後であることはわかるけれど)し、起承転結もハッキリしていない。おまけに、登場人物全員気が狂っているし、放送禁止用語ばかりだし、そっちに気が持っていかれやすい。
少なくとも、起承転結がハッキリしている物語が好きな人はあまり好きではないと思う。
"東京"の話だとは思えないほど閉塞感がある
劇中に出てくる日記の音読から、この劇の舞台は"東京"だとわかるが、それにしてはずいぶんと閉塞感がある。
私は21年間東京23区内に住んでいるけれど、強姦されそうになったら走って逃げて警察呼ぶし、その人の元からは離れる。人間関係が悪かったら、全く違う地域の学校に行くか、受験する。というか高校以降も同じ地域ってあまりない。
近所の人が持ってきた壊れた機械を直すのがミチオの仕事らしいけれど、私の仕事の取引先の中で昔からの由縁の割合は1割にも満たない。
それに、出演者の楽しみがどうもエッチとテレビを観ることとラジオを聴くことぐらいしかない。
でも、私の知っている東京だと、ざっと思い浮かぶだけでも観劇、美味しいレストランに行く、スポーツ観戦、ウィンドウショッピング、ジム…と多種多様だ。
田舎の傾向として、娯楽の種類が少ないことが挙げられるが、この特徴に当てはまるのではと思った。
ついでに言うと、田舎でも現実世界だとコンビニやイオンのショッピングモールはあるし、もはやこの物語における閉塞感というのは、監獄に近いのではと思う。
ひぐらしのなく頃にを思い出す結末
この劇は、ケイコが町中を燃やして終わりを迎える。
この終わり方ははなんだかひぐらしのなく頃にを思い出す。もっと言うと、ひぐらしのなく頃に には、エンディングルートがいくつかあるが、その中でも最悪のパターンである「雛見沢大災害」が発生したパターンを思い出す。
この雛見沢大災害では、主人公たちが住んでいる田舎の外(というか都会)からやってきた人が、村人を皆殺しにする。
まず、舞台が田舎な点は完全に一致しているし、外からやってきた人に皆殺しにされる点も一致している。
あと、雛見沢大災害は雛見沢症候群という、かかると発狂状態になる病気を消すために行われるが、マシーン日記では少なくともミチオが「〇〇病(精神病)ではないけれど、近いかもな」と言っているし、残りの出演者も全員狂っている。雛見沢症候群ではないものの、これに似たような行動を取る人を全滅し、世間から消すという視点では、似通っている。
ひぐらしのなく頃にはディストピアコンテンツの代表格みたいなものだが、マシーン日記の世界観もディストピアなのかもしれない。
時代設定はいつなのか?
マシーン日記は今までにいくつものバージョンが舞台やテレビで公開されてきたが、今回のバージョンは時代設定が不明瞭であった。
有線でマイケルの曲が流れる→80-90年代
ガラケー以前のあの形の携帯→90年代
オズの魔法使いの舞台→いつでも
日記中の東京の気温が連日30度超え→90年代後半以降
Uber、TikTok、鬼滅→2019年以降
登場人物(参考はサチコ)の服装→60年代?70年代?
ジェンダーの価値観→戦後~2010年代(つまり古い)
FANZA→2006年代
東京工学院→70年代~
東京モード学園の新宿のあの建物→08年完成
つまり、考察しようにもバラバラなのだ。時代設定は通常揃えるものであることを考えると、わざとやってある可能性が高い。そして、その理由には"あくまでもフィクションだから"があるとなんとなく考える。あと、中には出演者のアドリブで出てきたものもあるだろう。
役者の熱量が伝わった舞台だった
コロナならしょっちゅうライブに行っていたし、今もライブに行く予定があるが、舞台には行かない。それに、ライブでも会場はキャパ1500以上のところにしか行ったことがないし、前の方を取るタイプでもない。
シアターコクーンはキャパ700程度で2Fでも出演者の顔が肉眼ではっきり見える。あと、この舞台では出演者が熱量を全面に出していたので、そういったこともあって役者の熱量が伝わってきたと考えられる。
今まで、あまり観劇にハマる人の心理がわからなかったものの、これでちょっとはわかったかも。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?