ペルソナ3RELOADで青春も再装填されたというはなし

ひと月ちょっと前にペルソナ3というゲームのリメイクが発売されました。
現在暗黒企業に身を置いているので時間が取れませんが、ゆっくりと進めています。もうね…こいつはもうね…いいリメイクですよ。

unrealengine5での開発ということでもろもろのクオリティが上がっているというのはもちろんなんですが、追加された仲間との小さなシナリオが何とも最高です。大きな追加は必要ないのです。なぜならペルソナ3は元から最高だから。神は細部に宿るので、今回の精緻なシナリオ追加は作品をより高みへと導くものでした。
一言でいうと生への執着をより掻き立てるバフが入ってる。


実はペルソナに入ったのは遅くって、全然リアタイでやってたわけではないんですが、高校生の頃に狂ったようにやってて、人生べストに入ってるかもしれない。多感な高校生の頃、自由な生活にワクワクし、重い内容に「嘘だろ」と言いながらプレイしていました。推しは風花ちゃんです。
昔から細かいことをネチネチ考えてはぐるぐると同じことを考えて沈んだりしていたので、ペルソナ3のテーマは深く刺さっていました。
問いのない答えについて納得いくまで考えたい欲みたいなのはこの作品で培われましたし、人間の自由意志の尊さみたいなのものに異様なまでの執着を持ち始めたのもこのころかもしれません。
つまり最高だったっていうこと。戦闘なんていくらでもできるほどおしゃれだし、日常生活で関わるキャラクターも魅力的で、アルカナのキャラたちみんな大好きでしたね…

その、青春が、リロードされちまったって ワケ…

特によかったのが菜園や読書を通じて仲間と紡がれる些細な会話です。
このシステムはキャラクターの必殺技にあたるものの強化につながるのですが、ひたすら仲間と話したくて誘いまくっていました。
コロマル(犬)の散歩もそうです。
オリジナル版では描かれていなかった主人公と仲間との日常があるのです。
ペルソナというゲームはこの日常があってこそなのです。
何故ならペルソナという作品は元が女神転生のスピンオフということもあり、影や闇を描いている話だから。

光があるから闇があるとかというわけではないです。そういう陳腐な話ではなくてですね。恐ろしいことが起こっているのに、確実に光が存在している日常があるのが大事なのです。高校生の主人公たちが重すぎる世界に圧倒され、それでもなお日常の充実と重すぎる決断を迫られる生命の輝き。そこ。

闇がなければ光だとも認識できないちっぽけな日常を守る。
作品を通して描かれる人との交流を通して募るちっぽけな明かりを守る。
そのエゴこそに人間の本質があるのです。

だから何よりも些細な会話が必要なんです。
主人公やあらゆる登場人物に些細な日常と交流があるというリアルが必要なんです。これがあればもっと苦しくなれるんです。
本来闇じゃないものすら闇に見えるんです。


オリジナル版では仲間との日常があまり描かれていなかった。
他のコミュニティの人とは色々勿論あるけどね。肝心な仲間が薄い。
4や5よりも生活圏がずっと近いのに、仲間との話がないのよ。
ここが大事。ここが大事なのよ。いや完璧にないわけじゃないよ?勿論。
けどペルソナ3って4や5と比べたらギスギスしてるのよ。
言うなればより人間らしいさが強調されてるのよ。全員が絶望を抱えてるのよ。正直感情に波があって厄介な奴すらいるのよ。そこがいいのよ…

確かに立ち向かうための人格みたいなペルソナっていう形が美しいのは4だったり、システムとしての完成を見たのは5だったりするんだけど、一番コンセプトとして芯が強いのが3。
折れない。だってテーマがどうやったって逃れられないものだから。
さっき全員が絶望抱えてるって言ったけど、個々の絶望は特殊ケースも多いから共感できねぇよって言うのも多いと思う。そういう意味で共感しやすいのは4だったり5。それはそう。けどさ、やっぱさ、生きているうえで人間に降り掛かる「終わり」っていう絶望があるわけじゃん?
いるよ勿論死を肯定的に受け止める人って。けどそれってさ、逆説的に死は受け止める必要のあるものっていうことの証左なわけよ。
3はこれを扱ってるのが良い。
抗うことが正論に見える中、圧倒的無意味を突き付ける終局というテーマ。

人間に生きる意味とかは別にないんですが、それは選択や意志に意味がないことにはならないわけですよ。
絶望はしたうえで、そこにどう向き合うかっていう人間が直面しがちな問題に、向き合わせてくれる。仲間が大好きになるからどんどん苦しい。
ぬるま湯のような安寧に浸かっていたいという生への執着にバフが入ってるわけです。リメイク前のをやってる人なら分かると思いますが、仲間への情が沸いたペルソナ3は強い。強すぎる。

もう高校生みたいな若造じゃないし、人生観も大きく変わってしまったけど、自分の青春時代に感じた思いを思い出すようなところもあって、リメイク版の変化どころか、自分の変化までたたきつけられている。

真田先輩もタルンダしなくなった。美鶴先輩もコンテンタラフーしなくなった。それどころかリメイクで新しい力を手に入れている。
それと同じように自分も変わっている。
思い出補正が強すぎるのもあると思うけど、ゲームってそういう楽しみ方出来る媒体だから!全然よいの。ひいき目は言ってるかもだけど全然いいの。

どこに向かってるんだこの文章は。

何も考えずに書き始めたから文章の空気感も詠み人知らずなの。
お手上げ侍なの。

お手上げ侍ってなに?

リメイクから入る人も楽しめます。
星五つです!みんな買え。またクリアしたら書こうと思います。




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