【中世欧州料理試作】(12)フランスのイチジク
このコラムでは、過去試作してご紹介した中世ヨーロッパのアレンジ料理についてちまちまご紹介します。
全部実試作つき&単純に自分の感想や所感なども書きなぐってます。基本的に全部美味しいんですけど、一部「?!!?(なんともいえない味)」ってものもありますので、そのあたりも正直に書いときます。
甘味料いらずの「いちじくのワイン煮」
…意味はそのまんまです(雑)。
いちじくを召し上がったことがある方は分かるかもですが、砂糖やハチミツといった甘味調味料を入れなくてもじゅーぶん甘い果物となります。中世ヨーロッパのアレンジ料理において、いちじくを加えた料理はほとんど砂糖を使ってなかった気がします(たぶん)。
いちじくは大変古長い歴史をもつ果物のひとつで、聖書にもいちじくに関する一節がちらほらございます。また「聖書の地の七産物(※)」のひとつに挙げられており、昔からとても重要な果物であったことがわかります。
中世ヨーロッパのアレンジ料理でもよぉーく使ういちじくですが、現在でもドライタイプについては比較的簡単に手に入ります。スーパーでも乾物/ドライフルーツコーナーに置いてあることが多いので、身近といっちゃ身近な食材です。特に調理しなくても直接食べられますし、特にワインのお供には最高です(個人的好み)。
「フランスのいちじく」はそのセミドライタイプのいちじくをワインでひたすら煮込むというどシンプルな一品です。「フランス」とついているんですが、フランス発祥とかではなく、現在のスペイン北部にある「カタロニア地方(現カタルーニャ地方)」の料理といわれています。なんでやねん?って感じなんですが、隣国がフランスなのでそのあたりが絡んでいるのかな?と思います。他にもいろいろ要因はあるんですが、今回は割愛で。
試食モニターアンケートでトップ3の人気な一品
こちらは2023年に刊行した同人誌「食レシピ総集編」でご協力頂いた試食モニターの方へ試食分としてお送りしたんですが、レポート結果を集計したところトップ3で「美味しかった!」というご感想を頂きました。
…ワインで煮込んだだけなのに(真顔)
個人的な味の感想としては、ワインの風味がついた甘いいちじくだナーって感じだったんですが、予想以上の反響?に大変驚きました。
…ワインで煮込んだだけなのに(2回目)
シナモンを加えたので、それがちょっと苦手な方もおられましたが、素直に甘いのがよかったのか、果物の甘味がより引き出されたのか、味の好みはけっこうよかったみたいです。いやー、ホント意外な結果でした。改めてご協力に感謝です(平伏)。
コトコトじっくり煮込むがポイント
それでは当時の料理指南集ベースの材料をざっくり出してみます。分量は今回もカットします(もし昨年頒布した同人誌をお持ちの方はそちらを参照くださいませ)。
作り方としては、
といった流れです。あらま簡単。
いわゆるコンポート(果物の甘煮)のような感じと想像して頂ければいいんじゃないかと思います。
こちらの一品、時期限定で見かける生のいちじくでもできるかしら?という疑問ですが、たぶんできると思います。ただ、ドライいちじくより相当柔らかいので、同じような調理工程でやると焦げちゃったりするかもしれないので、そのあたりを少し気を付けて頂ければなと思います。
この記事を書いている時点で、生いちじくがまだ入手できないので断定はできないですが、今度ゲットした時にはちょっとやってみますね。覚えていたですが(忘れっぽい)
「いちじくは中世ヨーロッパ料理でもよく使っていた」と先に書きましたが、糖分がずば抜けて高いので砂糖やハチミツを別に加えてなくても十分甘味がある逸品になります。当時は高価だったり、自然環境の変化で入手しづらい時期もあったと思うので、いろんな意味で貴重な甘味植物であることは間違いないかなと思います。乾燥させておけはある程度保存もできますし、当時の料理人はそのあたりもいろいろ考えて考案したのかもしれないですね。
最後までご一読頂き、有難うございました(^-^)。
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