【中世欧州料理試作】(16)かぶのスープ
このコラムでは、過去試作してご紹介した中世ヨーロッパのアレンジ料理についてちまちまご紹介します。
全部実試作つき&単純に自分の感想や所感なども書きなぐってます。基本的に全部美味しいんですけど、一部「?!!?(なんともいえない味)」ってものもありますので、そのあたりも正直に書いときます。
■あっさりとした塩味ベースのほっこりスープ
野菜のかぶ is 美味(唐突)。
春かぶと秋かぶ、旬は年2回ほどやってきます。どっちが好みなのかは人それぞれでしょうが、個人的には秋かぶが好きです。甘いしでかいし(ソコ?)
かぶというと「和食によく登場する食材」というイメージが一般的ですが、ヨーロッパでもかぶは昔から使っていました。
中世ヨーロッパでも一応用いられていたんですが、どちらかというと「庶民向けのモノ」という印象が強かったみたいで、いわゆる宮廷料理系にはあまり(というかほとんど)登場しません。根菜って宗教上、なんか下に見られがちだったというのもあるっぽいですが(美味しいのに)。
今回取り上げたかぶのスープは14世紀末のイングランドの料理指南書で辛うじて見つけたものなんですが、なかば療養食として記録されていたのかもしれませんし、時の主が単純に好きなものだったのかは定かではないです。脂ごっそりテイストな肉料理に比べるとまー、ほとんど口にしないですよネ的なコレ(美味しいのに2回目)。
■ざっくり材料&ざっくり作り方
では、毎度恒例の食材+作り方ざっくり紹介を抜粋します。分量とかの仔細は同人誌「中世ヨ料理アレンジおまとめ集」をご参照下さいませ。
ご覧の通り、基本的にシンプルな作り方となっています。
初めて中世ヨ料理にチャレンジされたい場合はスープ系の試作をお勧めしているんですが、比較的失敗が少ない種類が多いもんでして、そこからハマればずぶずぶとお行きになられて頂きたい次第で(語彙力)。
宮廷料理のレシピなのでけっこうガッツリ香辛料を加えていますが、庶民向けに仕上げたい場合は塩のみで味を調える感じにして頂ければいいかと思います。
材料に登場する「野菜スープストック(野菜出汁)」は、水とてきとーに余った野菜適量を鍋に入れてひたすら煮込み、野菜の甘味を出汁として使います。使用野菜はいろいろありますが、個人的なおススメ野菜はセロリや玉ねぎ、人参あたりがいいかと思います。このあたりは現代とほぼ変わらない感じですねん。
■「かぶ」はできれば硬い方がよき。
日本のかぶは春ものも秋ものも美味しいし甘いので柔らかめの品種がめっちゃ多いんですが、もし主食のかぶをチョイスする時は「できるだけ硬めのもの」をお勧めします。なかなか見つけるのが大変かと思いますので、無理して探す必要はないです。いくつかゲットしてみて「こ、これは!たぶんちょっと硬め?」っていう程度のノリでいいです(雑)。
キャベツとかもそうなんですが、日本産とヨーロッパ産では同じ野菜の名称でも硬さや味が全然違うものってけっこう多いので、食材探しは簡単なようで多少難儀なこともございます。でもその食材探しもある意味楽しいんですけどネ。
あと「かぶの葉や茎」なんですが、本来は使わないので当時は家畜のごはんなどとして使っていたと思われます(勿体ないし)。ただ葉や茎もじゅーぶん栄養価が高い部位になるので、スープに一緒に入れて軽く煮込んで頂くのもいいかと思います。ちょっとばかし緑映えしますので、見た目もなんとなくスープっぽい感じになるかなと。
長い猛暑もやっと過ぎ、これから一気に冷え込む季節となります。中世ヨーロッパでも大変重宝された温かなスープは現代でもひけをとらないぐらいの料理だと思っています。比較的作りやすいので、ご興味があればぜひ試してみてくださいませ。シンプルさがほんと美味っすよ(^-^)。
最後までご一読頂き、有難うございました(^-^)。
■中世ヨーロッパなお料理や民俗文化ネタつぶやきについて
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