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ぽぽら春日部モヤモヤカフェ(2021年6月)

6月26日(土)に、春日部市市民活動センター(ぽぽら春日部)でモヤモヤカフェを開催しました!

 毎回思いがけない出会いやつながりが生まれるモヤモヤカフェ。一見関係のなさそうな他人の活動が、心のずっと深いところにある「思い」は一緒だったなんて経験はありませんか?自分らしくいられる場所、何でも相談できる場所、心の思いを話せる場所、実は地域にはそんな場所がたくさんあるのかもしれません。モヤモヤしたときにはそんな場に参加してみるのもいいかもしれませんね。今回も三者三様の活動ストーリーをお楽しみください。

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『人とつながり、健やかな自分を取り戻すヨガスタジオ』

1.心と体の癒し方モヤモヤ
  【モヤとも】Hitomiさん(癒し専門ヨガスタジオimacoco)

駒崎さん1

 私は北春日部に小さなヨガスタジオを構えています。そこは心身の疲れやストレスを癒すための場所であって、癒し専門ヨガの講師として活動しています。
 高校卒業後すぐに社会人となり、5〜6年前まで会社勤めをしていました。仕事にやりがいがありすぎて早朝から深夜まで働き詰めになり、ある日倒れてしまいました。自分が倒れたことに驚きながら、引きこもって外に出られなかったり、電車にもバスにも乗れなかったり、ずっと鬱々とした日々を過ごしていました。たぶんそれは人に気を使ったり、我慢したり、空気を読んだり、他人を優先し続けた結果そういう風になってしまったんです。
 私たちの「心」はつかみどころがなくて、コントロールもできず、乱れたり揺らいだりしながら暮らしています。「心」が感じるストレスというものは、心や体を緊張させた過去の経験とつながっています。もし人前でしゃべることができない人がいたとしたら、その人は幼少期に「人前でしゃべってみたら失敗して笑われた」というようなストレスが潜在(意識)にあって、今それを思い出しているわけではないのに、それに心や体が反応して「私は人前でしゃべることができない」となってしまいます。小さい時の自分ではなく、もう成長している大人の自分なのにそれに囚われてしまっているのはもったいない生活だったりします。
 体が緊張していれば体は硬くなってしまうし、体が硬くなってしまうと、呼吸もしづらくなってしまいます。呼吸がしづらくなると酸素が全身に行き渡らなくなり、体の不調はもちろん、呼吸もできなくなってきて、だんだん悪化していくというメカニズムが(私には)ありました。そんな私でしたが、ヨガに出会えてメチャクチャ変わりました。「今自分に必要なこと」や「今私が自分にやるべきこと」、「私が幸せのために考えること」や「私のために行動すること」を考えられるようになりました。これまでは「誰かのため」、「誰かに嫌われないため」にしていたことが、自分自身のために行動できるようになりました。
 ヨガの英知を知って実践していくうちにいつの間にか病(自律神経失調症)を克服して自分のやりたいことを見つけることができました。そのような経験からこれから私と関わる皆さんには健やかな本来の自分に気づいてほしい、自分自身を取り戻してほしいという願いが芽生えたわけです。
 私のヨガとかセラピーに来られた方に必ずお伝えしている事があります。それは「絶対に我慢はしないでほしい」ということです。「我慢しないで」というのは当たり前に聞こえるかもしれませんが、「我慢しない」ということはなかなか難しい。例えば、今私が目を合わせて話せば、皆さんうなずいてくれます。うなずきたくなければうなずかなくてもいいですよ(笑)。でも、「話を聞いています!」とリアクションをしてくれます。私は皆さんがうなずかなくても勝手に話しますが(笑)、私が話していてもトイレに行きたくなったら行かれていいですし、ヨガのレッスン中に気持ち良くなり眠たくなったら寝てもいいし、暴力的なこと以外ならなんでもしていい。我慢したり空気を読んだりすることは相手のためにしていることが多いですし、私は皆さんがした行動によって傷つかない自信があるので「何でもしてくれ」といつも言います。「ラベル」に関係なく、誰にも気を使うことなく、本当の自分に出会える心地の良い空間にしたいという思いがそこにあります。「ラベル」というのは、例えば「ママ」、「パパ」、「課長」、「リーダー」等、「自分」はどこにいっても絶対「ラベル」に囚われるわけです。でも、私の場所はそんなラベル関係ないと思っています。ラベルに支配されて、そのラベル通りに生きるということではなく、幼少期のように実際の「自分」になってほしいという想いで立ち上げています。
 ヨガというと普通体を動かして「○○のポーズ!」をやることだと思われがちですが、そうではなく、ヨガという大きなくくりの中に、動くヨガや呼吸法、瞑想、音のヨガ、食べるヨガ、学ぶヨガ、動かずに体をお休みするヨガ等、たくさんのメソッド(方法)があります。その色々なメソッドを使って、体を変えて、心も変えて、脳の考え方も変えて、生き方を変えるというルーティンであって、私のスタジオにはそのルーティン(繰り返し)で変化してくれた方が沢山います。体が硬いからヨガをしに来た方が、悩みを吐き出したり、素直に泣けたり、心から笑えたりしてスッキリする。サイクルが変わって(来られた方の)心身のバランスが整えばいいなと思いながら活動しています。
 私は「人がつながると可能性は無限大」と考えていて、それを一番大切にしています。一人ではできないことも同じ方向を向く仲間がいれば、常に挑戦し続けることができると思っています。私はヨガをやっていますが、異業種の方とコラボをし、色々なワークショップやクラスを展開することを常に続けています。これまでも美容室やお寺で(ヨガを)やってみたり、インド人のクラスを日本語でサポートしたり、アロマの方、コーヒー屋さんとか幅広く一緒に活動をしています。異業種であればあるほどお互いに学びがあります。自分の職のさらに一歩踏み込んだ可能性に巡り合えます。そして、とてもとても有益なことが起こってきます。どんどんいろんな人とつながって色々なことをやってみたいという思いがあり、皆のやりたいことを体現できるように毎日楽しいことを考えています。
 ロコモティブシンドローム(ロコモ)という言葉をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、運動機能が故障したり障害が起こった時に移動能力が不足したり衰えてしまった状態のことを言います。「立つ」「歩く」「(何か)作業する」といった身体的能力が低下した時に訪れるのが、要支援や要介護の原因になる骨折、転倒による負傷で、介護につながってしまうということがあります。今は便利だから階段も登らなくてもいいし、車があるので歩かなくてもいいからロコモになっていても気づかないことが多い。私は密かにスタジオの裏テーマで「勝手にみんなの健康寿命を長くする」というものを掲げています(笑)。みんな「私は大丈夫」とあまり真剣に取り組んでくれないので、(勝手に)ヨガの中で骨とか筋肉とか関節に意識を向けてもらい、勝手にみんなの寿命を長くすることに取り組んでいます。そんなヨガを皆さんにも体験してもらいたいと思っています。

駒崎さん3

駒崎さん2


『高齢者と有機野菜を見守る市民後見人』

2.有機野菜栽培と成年後見人モヤモヤ
  【モヤとも】井上謹郎さん(NPO法人市民後見センターさいたま 春日部支部 支部長)

井上さん1

 70歳を過ぎてこのような機会をもらい、お話しできるのはとても幸せなことです。若い年代の方とは最近ほとんど会いません。ここ5年間は成年後見人の活動をしていますが、昨年はコロナの影響もあり特に多忙な一年でした。
 私は学校に勤めていましたので最初は元気な生徒を相手にしていましたが、その後先生を相手にするようになりました。そして、定年後は、家庭裁判所で難しい夫婦関係をもった人たちを相手にするようになりました。最後の方は成年後見人の面接や監督をしていました。
 もう一方で、豊春地域で市民後見人の活動をしており、ちょうど今年で5年が終わるところです。最初は一人で始めたのですが、地域の包括支援センターのケアマネージャーの皆さんの支えもあって、だんだんとメンバーも増え、現在は6名で活動をしています。
 「市民後見人」という言葉は初めて聞くと思います。2000年に成年後見制度ができ、国の方で「誰を後見人にするか」となった時に、当然親族と専門家が後見人になりました。さらに、家族以外の第三者が後見人になった方が上手くいくというイギリスやドイツの事例に習い、市民後見人という制度を日本は取り入れました。(成年後見制度が作られたことは)日本社会が高齢化するなかで避けられなかったのだと思います。
 高齢者は私の経験上「元気に戻る」ということはありません。70代、80代でまだ元気な人は良いですが、いちばん大変なのは認知症になってしまうことです。認知症の人は多いですし、進行が早い。施設に入るとまた進行が早くなります。(市民後見センターさいたまの)春日部支部では高齢者の支援活動をやっています。成年後見人以外の活動にも、私たちは地域のケアマネージャーと一緒に会議に参加したり、オレンジカフェという認知症の人たちが集まる場所で交流したり、認知症家族会に参加したりしています。平成2年からは「一人暮らしの高齢者の人たちを支援していこう」、そして、成年後見人だけの活動ではなく「もっと身近な相談活動をやろう」ということで「豊春朝カフェ」を始めました。順調にスタートしたのですが、コロナ禍でやむなく今中断しています。コロナが収まったらまた再開したいと思います。
 成年後見人の活動を私も最初からこうしてできるとは思っていませんでした。一人でどれくらいできるのか心配でしたが、幸いなことに豊春公民館で講演会をやったり、ふれあい大学でお話しをするとメンバーが増えました。こうした活動に集まってくる人達は、基本的にボランティア精神にあふれている人たちです。そういった人達が市民後見人になっているのかなと思います。もちろん私たちの活動もお金が必要ですから、裁判所から支払われる報酬を活動資金として本部にプールし、私たちが活動するときに日当(1回千五百円くらい)を交通費と一緒に出しています。あとはボランティアでやっています。そういう活動が私にとっての1つのテーマになっています。
 そして、私にはもう一つテーマがあって、有機農法にとても関心があります。定年前から鴻巣のガバレ農場というところから有機野菜を取り寄せています。そのガバレ農場が開催する「鴨鍋の会」に参加し、親しくなった人に「有機農法はそんなに難しいことではないですよ」と言われたので「いつかはやろう」と思い、定年を機会に始めました。
 近所の人に相談をしたら空いている畑があるといわれて始めたのですが、苦労の連続でした。そこは元々田んぼだった(稲を作っていた)のを畑に変えたので、土が大変でした。内牧の公園にあった落ち葉を定期的に持ってきて土と落ち葉を混ぜるという作業を3年間やりました。そのうち近所の農家の方がもみ殻をもってきてくれて、そのもみ殻を入れたら畑が急によくなってきました。同時に近くで畑をやっていた人達から要らなくなった耕運機をもらいました。今、150平米くらいの畑を、耕運機を使って耕し、無農薬野菜を育てています。科学肥料を使わず、粉糠(こぬか)と魚粉と石灰をいれて春まで半年間家で寝かせ、自分で肥料を作ります。そうするとお酒のような良いにおいが家の中にふわーっと広がり、いよいよ春だなと感じます。
 農薬も使いません。いま一番困っているのは「べと病」で、雨季で太陽が出ないときに野菜がカビでやられてしまいます。抗菌剤を使わないで、有機溶剤というものを昨年使ってみましたが、あまり効果がありませんでした。来週から始まる雨でようやく大きくなってきた胡瓜がまた枯れるんじゃないかと思い、今年も恐れています。
 そしてもう一つ悩んでいるのがカラスです。カラスに去年作ったトウモロコシを全部食べられてしまいました。今年は食べられないようにトウモロコシ畑にネットでカバーをしていたら、カラスが2匹電線に止まって見ている。。。(苦笑)カラスは全然食べさせないと他の野菜にいたずらをします。イチゴを作って上手くいったとき、カラスが食べないようにネットをかぶせたら、違う野菜をほじくり返されました。だから今年は少しトマトをカラスに食べさせようと思っています(笑)。
 夫婦二人で畑をやっていると、色々な方が畑を通り話しかけてきます。立って話しているのも気の毒と思い、畑でできたものを差し上げたりすると色々な広がりがあります。後見人をやっていますので、高齢者の方や春日部支部の方、認知症家族の会の方等、色々なところと交流しながら野菜を作っています。成年後見人以外にも地域の人と出会う機会があるので、高齢者を支援する仕事をこれからもやっていきたいと思っています。

井上さん2


『細く、長く、そばに寄り添う蕎麦の会』

3.パートナーシップと家族モヤモヤ
  【モヤとも】Kana(かな)さん(魂の声を聞く鑑定士、深イイ話をする蕎麦の会)

佐久間さん1

 私は東京の出身で、つい先日春日部市に引っ越してきました。子どもが二人います。7年前に離婚をしまして、娘たちは東京にいる父親と生活をしています。今は春日部にある私立の高校で国語と家庭科の教師をしています。平日は高校で教えていますけど、離婚した当初は個人事業主として身を立てていきたいと思い、カウンセリングを仕事にしていました。今は高校の教師(の仕事)をメインにして、終わった時間にカウンセリングをお受けしています。また、月に1回、交流会を開催していて、それが「深イイ話をする蕎麦(そば)の会」といいます。毎月蕎麦を食べながら、深い話をする会です。コロナで自粛という動きがありましたけれど、コロナ禍でも毎月やっています。
 最初に今日のテーマでお話しをする前に皆さんに質問させてください。3つありますので、メモをとるか、頭の片隅に置いてもらえると嬉しいです。

1、皆さんは自分の家族が好きですか?(配偶者、お子さん、兄弟、誰でもいいです。皆さんが身近に接している家族が好きでしょうか?)

2、その人といつまでも一緒にいたいですか?死ぬまで一緒に居たいですか?

3、その人が幸せであってほしいですか?

 家族が好きで、いつまでもその人と一緒にいたくて、その人に幸せになってほしい。全部当てはまる人はそのまま仲良くしてください。二つくらい当てはまる人は、もしかしたら今日の話が自分に正直に生きるということのヒントになるかもしれません。
 私は7年前に離婚したことを今でも人から「何で別れたんですか?」と言われたりします。前の夫とは好きで結婚したし、いつまでも一緒にいたかったし、子供を二人授けてもらってすごく感謝しています。でも、私が個人事業主として、自分の人生を生きたいと思ったときに歩幅が合わなくなりました。自分で仕事をしたいと思い、それを子育てと両立できると思っていたのですが、なかなか簡単ではなくて、思うように家事や子育てができない時期が何年間か続きました。私は夫と何とかうまくやっていきたかったので、色んなセラピーを受けたのですが、根本的な解決にはならなくて、結局は私が生きていきたい人生と夫が生きていきたい人生は同じではない、ということに気がつきました。そして夫に離婚を切り出しました。しかも、私は親権を放棄し、最終的には協議離婚という形でお別れをしました。
 そうやって一人になってすぐさま上手くいったかというと、そうではありません。それまで夫に頼っていた経済を自分で成り立たせていくこと、それも自分が好きな事でそれをやっていくということは簡単ではありませんでした。結果借金をして親の世話になりました。元々母との間には小さい時からわだかまりみたいなものがあり、なかなか拭えない確執があったのですが、今は仲良くなり、この離婚と借金をきっかけにして昨日も引っ越しの手伝いをしてくれました。
 そんな私がやっている交流会が「深イイ話をする蕎麦の会」です。蕎麦を食べながら普段言えないような話をする。私自身が人と話すのが苦手で、コミュニケーションが上手くなかったから夫婦関係や親子関係を難しくしてしまいました。そういう人でも誰でも「心の悩みを素直に打ち明けられる場所にしよう」と決めて(蕎麦の会を)やっています。
 始まりは2017年で、今日で41回目を迎えます。最初は私の両親が東京で賃貸経営をしていた建物の一階にお蕎麦屋さんがあり、頑張っているけどなかなか客が入らないお店だったので、そのお店を応援したいと思い始めました。蕎麦を食べることを通じて、いろいろな人が集まる場所をつくっていく。蕎麦のように「細く、長く」を目指しています。大体6〜8人ぐらいで、そんなに大勢は来ません。この会では周りにいる人の話をただ聞いています。実際にはこのお店の蕎麦は美味しいので、蕎麦の会を開いているうちに(私が人を呼んだからではなく)だんだんと流行っていき、今では予約でいっぱいのお店になっています。
 「誰もが心に思っていることを話せる場をつくる」というのが私の志です。全ての人が心のままに生きられる世の中をつくりたいです。でも今の世の中はご存知の通り、本音を言える場所なんてそんなにありません。それでも、人種、性別、立場に関係なくあらゆる人が「蕎麦を食べながら集まることができる」そんな場をつくっています。
 ちなみに私の子どもたちは元気かといえば、元気です。こういう話をすると、「あなたはそれでいいかもしれないけれどお子さんたちはそれで大丈夫なの?」と言う方がいらっしゃるので(苦笑)。離婚する前に比べれば娘たちと会える時間は減りましたけれど、明るく元気に学校に行っています。
 一人ひとりが「自分が幸せだと思う人生を歩む」ということがパートナーシップと家族をより豊かなものにしていくと思っています。今もまだそれが完成形ではないのですが、日々探求しながら学校で教えたり、カウンセリングしたりしています。

佐久間さん2


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モヤモヤカフェは、暮らしのなかで感じるちょっとした疑問や悩み、ワクワクするアイデアを、コーヒーなどの飲み物を片手におしゃべりをする場所です。これからも春日部で活動する個人個人の思いを紡いでいきたいと思います。

 次回2021年最初のモヤモヤカフェは7月24日(土)を予定しています。次回もモヤ友の皆さんからお友達を紹介してもらう予定です。次回のゲストは後日ご案内しますので、ぜひ楽しみにしていてください。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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