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幸せな誕生日

19歳の誕生日。私は彼氏にフラれた。
もちろんプレゼントが用意されているはずもなく電話をしても呼び出し音だけがむなしく聞こえていた人生最悪の思い出。

誕生日になるたびにそのことを思い出すはめになるのは辛かった。

月日は過ぎ去り今や2児の母。

友達がいないので誕生日を祝ってくれるのは家族だけ。


朝、目覚めに「かーちゃん」と呼ぶ娘が「おたんじょうび、おめでとう!!」とかわいく満面の笑みで祝ってくれ、ハッピーバースデーの歌を歌ってくれた。

それで目を覚ました長女も一緒になって歌い、隣の部屋にいた夫も続いて歌ってくれた。


こんなにも自分が生まれた日を喜んでもらえる日がくるなんて、胸が熱くなった。


夫は仕事から、次女は幼稚園から帰ったら「部屋を飾りつけしたい」という。

だいたいいつも片づけるのは自分だからめんどうだなと思い断ったが、娘はやる気満々だ。


起きると同時にたどたどしい6歳が描いた部屋の間取り図を渡され、「宝物があるよ、探してね」というのであっさり見つけた宝物はイラスト付きのお手紙だった。

手紙好きの私にはたまらない。


日ごろ、サバを読みまくって18歳だったり24歳だったりする私だが手紙には 
”かあちゃん おたんじょうび おめでとう 42さいすごいね
かあちゃん だいすきだよ♡”
と書かれていた。


42歳はすごいのか。

斬新なお祝いのお手紙をもらって幸せな気持ちでいっぱいになった朝だった。


近々夫と誕生日デートも計画していて、平日だから遠くには行けないけどたまたま見つけたおいしそうなお店でランチして紅葉を見に近所の公園まで散歩の予定。

まったく派手さもなければ高級なわけでもないけど、今年の誕生日はいつも以上に家族みんなから祝われているのを感じられた。


夕飯のとんかつ作り、がんばろう。


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