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なんで泣けるんだろう
スラムダンクのアニメがリニューアルするらしい。
スラムダンクというのは1990年から週刊ジャンプで掲載されていた井上雄彦さんのバスケット漫画だ。
まさにその世代のど真ん中。
流川(寡黙でバスケット馬鹿な天才高校生プレーヤー)に恋する中学生だった私にとって、流川を演じる緑川光さんの声はまるで耳からダイレクトに送り込まれるフェロモンそのものだった。
スラムダンクの登場人物の魅力は声といっても過言ではないほど、当時の声優陣が豪華だったのを覚えている。
そんな中、スラムダンクリニューアルにあたり声優陣が交代するニュースを知ったのはこの記事を読んだから。
『スラムダンク』キャスト変更が議論に 大塚明夫の一言に「説得力がすごい」「涙が出た」
私は大塚さんを知らないのになぜか涙が出た。
そのわけを考えてみるにこの記事の中で紹介されていた『次元を引き継いだ大塚さんがいうと、説得力がすごい。重みが違いすぎる…。』というコメントの引用がどうも私の琴線に触れたようだった。
記事の中では明言されていないものの、ネット社会になった今、大塚さんが2代目キャストとして適任された後、慣れ親しんだ声との違和感を不満に感じた一部の人からの心ないバッシングを目にしてきただろうことは容易に想像がつく。
もちろん個人的にどう思ってもいい。
でもその気持ちがネガティブなもので相手を傷つけかねないような言葉なら心にしまっておくのが大人のたしなみ。
それを『匿名性』を盾にしてわざわざ本人にいうのはいただけない。
そんなことを想像しつつ、初期の声優陣ではなくなる悲しみを攻撃に変えてしまう人たちを、責めるのではなく、彼らがそう言いたくなる気持ちを受け止めた器の大きさに、かえってその悲しみを浮かび上がらせるようで涙が出た。
きっと涙が出たのは大塚さんの語られていない悲しみを感じ取ったかのように感じたからだ。
大塚さんが直接悲しみを訴えたわけではないので、もちろんこれはあくまでも自分の経験と重ねた想像が生み出した涙だ。