大好きなアニメ『TIGER&BUNNY』の続編が最高だった話
私は学生時代から色々なアニメに触れてきましたが、人生で一番ハマったアニメは『TIGER&BUNNY』です。今ここに高らかに宣言します。
で、今回は11年ぶりに『TIGER&BUNNY2』として続編が製作され、13話まで一気にネットフリックス独占配信されました。
このタイバニ2があまりにも私を楽しませてくれたので「楽しかったぞ~!」という感情をここに書き殴ります。ハッキリ言ってタイバニ知らない人にはなんのこっちゃな記事になってしまいますがお許しください。あふれ出る感情を胸に留めておけなかったんです。
※核心には触れませんが、1期&2期のネタバレを含みますのでタイバニ未見の方はご注意ください!
タイバニとの出会いは11年前
TIGER&BUNNY、通称「タイバニ」は2011年に製作されたオリジナルアニメ(原作となる漫画や小説はない)です。
主人公は真ん中の男性二人。左側がタイガーで、右側がバニー(本名はバーナビー)、二人合わせてタイガー&バニーです。なんか漫才みたいな紹介になってしまいましたが、このビジュアルに映っているのは全員「ヒーロー」です。
NEXT能力という超能力を手にした数名の人間が街を守るヒーローとなり、街で起こる事故や事件に立ち向かっていくアニメなのですが、斬新なのが「職業:ヒーロー」という設定と、ヒーロー全員が実在するスポンサーロゴをヒーロースーツに掲げている点です。
敵と戦いつつも企業(スポンサー)のアピールもせねばならず、戦いの途中で建設物や車などを破壊すると賠償金が発生してしまったり、事件や戦いがなくても企業PRのためにテレビに出たり、サラリーマンと同じで事務的な仕事をこなさなければならなかったりと大忙しです。
そんなアニメに私が出会ったのは本当に偶然でした。アニメ系の小冊子で放送前からタイバニの存在はチラッと読んでいましたが、その時は「ああ、またロボットアニメか」という大幅に間違った印象を受けただけでした。主人公のワイルドタイガーのビジュアルだけを見て、ロボットものだと勘違いしていたのです。
で、ロボットアニメと勘違いしていたタイバニの印象は、第1話を見て劇的に変わりました。まず1話の作り方がすごく上手い。TV中継される中、ヒーローたちがそれぞれの能力を生かして逃走する強盗犯を追っていきます。その描写でこのアニメの世界観がバッチリ理解できました。
世界観は理解できたのですが、『TIGER&BUNNY』というタイトルの意味が分かったのは2話でした。要は、ベテランヒーローであるワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹と、新人ヒーローのバーナビー・ブルックス・Jrがコンビを組む(会社によって無理やり組まされる)という話なのです。そして小生意気な新人のバーナビーにタイガーが嫌味も含めて「バニーちゃん」と彼を呼ぶのです。なるほど、これでめでたくタイガー&バニー結成というわけか、と。
そしてこの2話では、大きな石像を操って暴走する少年をタイガーとバーナビーが追うのですが、暴走する少年と、かつてヒーローを目指そうと思ったタイガーの幼少期がリンクするストーリーとなっており、この構成がむちゃくちゃ上手くできていて30分食い入るようにテレビ画面を見ていました。ものすごく面白かった。
この2話を見たあと、「このアニメは必ず最後まで見届けよう」と心に誓ったのでした。ブルーローズの台詞を拝借すれば、この瞬間タイバニによって「私の心は完全ホールド」されたのでした。
2クールのテレビ放送の後、劇場版が2作品制作され、サンシャイン展望台やナンジャタウンでのコラボイベント、キャラクロという名のコラボカフェも催され、タイバニワールドは盛り上がり続けました。とにかくタイバニのイベントがある=行くという生活でした。
8~10年前のガラケー撮影のため写真が見辛いですが、当時の楽しかった思い出です。
テレビシリーズから劇場版の間に私は高校生から大学生になりましたが、変わらずなけなしのお金をタイバニに注ぎ込み、劇場版からの2期を待ち焦がれながら過ごしていました。
なかなか来ない2期
タイバニ1期は、色々と紆余曲折を経た(本当に色々ぶつかり合って大変だった)タイガー&バーナビーが心を通い合わせた「相棒」となるところで終わり、大団円を迎える…かと思われたのですが、真の敵(ウロボロスという名前の組織)は倒せておらず、謎を残したまま終わりました。それはまさしく「続きがあるだろう」と私たちファンには嬉しい余韻を残して幕を閉じたわけです。
しかし、タイバニのテレビシリーズの続編の話は時折ネットの噂で流れることはあるものの、2011年のテレビ1期から約11年、2014年の劇場版2作品目『The Rising』からも気が付けば8年近くが経っていました。ちなみに劇場版では1期の謎にはほとんど触れない内容だったため、謎は残されたまま。
学生時代には毎日のようにタイバニを検索し、常に最新情報のアンテナを貼っていた私も、社会人になって忙しくなったことと、タイバニの情報がほとんど聞かれなくなったこともあり、「大好きなアニメ」であることは揺るがないものの、「もう新作はないのかもしれない」と諦め半分な気持ちも出てきてしまい、情報を追うこともほとんどなくなりました。
ところが、2022年3月初め。学生時代の友達とカフェで思い出話をしていた時に、タイバニ新作の情報を知ったわけです。
友人「タイバニ高校の時めっちゃハマってたよね~。2期の話どうなったんだろ?」
私「おととしくらいから2期制作決定なんて話はあったけどね…調べてみよっか」
そして調べてみると…
『TIGER&BUNNY2』 2022年4月8日、ネットフリックス独占配信決定!
!?
4月…来月じゃん!予告映像公開されてるし!!あーっ主題歌ユニゾン※だーー!!!(※UNISON SQUARE GARDEN タイバニ1期、劇場版の主題歌アーティスト)
数年間アンテナが停止していたツケのように怒涛の勢いでどっどーんとなだれ込む新情報。しかも3月13日(カフェで友人と話していた一週間後)に幕張メッセでイベントもあるじゃないか!幕張は厳しいか…いや、ライブビューイングあるやん!!
新作情報によって一気にタイバニ熱が覚醒した私は、友人とのカフェの帰り道でコンビニにより、ローチケでイベントのチケットを確保。我ながら、好きなことになると異様に行動が早い。
こうして翌週にはライブビューイングで久々のタイバニイベントを堪能しました。イベントにて解禁される新ヒーロー、新キャスト、スポンサー発表。ユニゾンさんの新主題歌。そして極めつけは2期の新予告映像。新規のビジュアルで喋るキャラクターたちと、新しいヒーロースーツで縦横無尽に動き回るタイガー&バーナビーに興奮を隠せません。マスクの下で「あぁっ!うぅっ!」と歓喜の声を抑えるのに必死でした。
帰宅後はパンフレットを読んでニヤニヤしながらタイバニ2期の配信開始を心待ちにしていました。イベントの余韻に浸りながらパンフを堪能する時間、最高ですよね。
痒い所に手が届く2期
こうして4月8日16時。待望の、待望のタイバニ2の前半13話(おそらく全25話)が一挙に配信される形となったわけですが、私は初日からの3日間でこの13話を一気に2週しました。いやこれがマジでガチでめちゃくちゃ面白かったんですよ!
(『V-STORAGE+plus2022』より)
バディヒーローの原点に立ち返った、本気のタイバニの続編だったんです。いや冗談でふざけて作るなんて思ってなかったですが、2期に対してかなり不安もあったのが正直なところでした。
タイバニが大好きなのは揺るぎない事実ですが、1期のアニメに関しては思う所もありました。特に感じたのが、バディ人気を狙ったタイガーとバーナビーの距離感。タイバニ人気に火をつけたのがお節介なおじさんヒーローのタイガーと、ツンデレ生意気なバーナビーとの凸凹バディだったことは間違いないのですが、どうも1期の、特に後半2クール目は二人の距離感の書き方に違和感を感じていました。
おじさんから虎徹さん呼びになるのはいいものの、な~んかデレデレしてるくらい距離の近いバーナビー(ファンからはよく「デレバ二」と呼ばれています)。虎徹とバーナビーの距離感が、デレデレしてるか、冗談では済まないくらいの大ゲンカをしてるかという両極端な状態になっており、1期前半で見せてくれた、ケンカしながらもなんやかんやで少しずつ信頼関係を構築していったタイガー&バーナビーの気持ちのいい会話のやり取りが、1期後半以降はどうも感じられなくなっていたのです。
グッズやコラボ商品のイラストも、女性人気を狙っているような(虎徹とバーナビーの距離感が近い)ものが多くなり、本来前面に出るべきであったはずの「ヒーローとして、志を同じくする者同士の信頼感」がかなり薄くなっていたように感じていました。
もちろん、当時pixivなどの二次創作でそういった人気が爆発していたのは間違いなく、現に自分もそういった創作の絵や小説を見て読んで楽しんでいました。何なら今では時々タイバニの二次創作SS(短編小説)を書いています。妄想、カップリング、パロディ…そういった二次創作の楽しさを教えてくれたのもタイバニでした。
ただし、公式の内容や公式のグッズがそういった方向に傾いていくことには疑問を感じており、そこが続編でも引きずられてしまうと嫌だなという不安が私にはありました。
先ほど触れたイベントのパンフレットで、バーナビー役の森田成一さんも話していました。
「タイバニ」はありがたいことに1期のときから人気が出たわけですが、そうすると見えなくなったり過剰になったりしたものもありました。
見えなくなったり過剰になったり…思わぬファンの反応や展開に対して、やはりキャストの方も感じていたところはあったのではないでしょうか。
しかし、森田さんはそのあとのインタビューでこう続けていました。
『2』では「タイバニ」で本来描きたかった理想形を追求していると思います。(中略)ひとつ言えるのは、『TIGER&BUNNY2』は、間違いなく面白いです。みなさんの期待を裏切らず、きっとご満足いただけると確信しています。僕自身、全然心配していません!
私の不安を長々と書いてしまいましたが、結果として待ちに待ったタイバニ2期は森田さんの仰っていた通り、大満足でした。期待も不安も混じった私のハードルを楽々と飛び越えて、シュテルンビルトの星空を鮮やかに突き抜けていきました。
一番の不安だったバディ感。なんと2期では全ヒーローがバディを組み行動するというストーリーが展開します。1期から劇場版を経て信頼関係を構築したタイガー&バーナビーと、コンビを組んだことのないヒーロー達。この対比が1話からまあ素晴らしかった!
虎徹とバーナビーはタイバニ2でも1話から些細なことでケンカしてしまうのですが、いざ戦いの場面になったときには阿吽の呼吸で鮮やかに犯人を確保するという、お互いを信頼し合っているからこそできる連係プレーを見せてくれます。まさにデレデレしすぎず、しかし心の中では確実にお互いを信じているつうかあの仲!そう、これだよ!!これが私の見たかったタイガー&バーナビーなんだよ!!!
押さえるとツボはきっりり押さえつつ、さらに1期でもう少し掘り下げてほしかった、ここが欲しかった!という私の願望を見事に叶えてくれたのです。
まさに、「痒い所に手が届く」2期となっていました。
1話ではその他サプライズも隠されており、いい意味で驚かされました。そうして感動しながら、流れるように2話へ。2話以降も、それぞれのコンビの関係性と、一人ひとりのキャラクターが本当に魅力的に描かれており、本当にタイバニを愛するスタッフとキャストが、細部までこだわって作ってくれたことが毎回伝わってきて、日常シーンの一コマでさえ泣けてしまうくらいに私の情緒はあっちこっちしていました。
これまで待った歳月を噛みしめるように一話一話をじっくり堪能しましたが、毎回素晴らしすぎてあっという間に13話を見終え、翌日には2週目に突入しました。2週目は少しは情緒を落ち着かせた状態で見れていた…と思います。もちろん2週目も変わらず楽しかったです。この文章を書き終えたら3週目に突入します。
『タイバニ2』ありがとう、そしてありがとう!!
配信された前半13話、本当に本気で全ての回が面白いです。そしてタイバニ2を見ている時の私は、自分で言うのもおかしいですが、すごく生き生きとしています。「あっ、今の私、すごく元気だな。調子がいい!」と確信できるのです。こんな風に思わせてくれる感覚は…11年ぶりでした。そう、偶然テレビでタイバニを見て、私の心を掴まれたあの時の感覚。
でも、もしかしたら2期はそれ以上にエネルギーをもらっているかもしれません。タイバニを好きになって11年、仕事もプライベートも色々ありました。現に今も暗いトンネルを彷徨っている状態なのですが、タイバニ2のおかげでだいぶ救われました。
失敗したりカッコ悪い時もあるけど、何度でも立ち上がって、目の前の敵に立ち向かっていく。そして自分だけじゃなくて、周りにいる家族や友人、様々な場面で出会った人たちと支え合っていく。それをヒーローたちが再び教えてくれました。
実は今回、登場人物の言葉で一番グッと来たのが西海岸の猛牛戦車・ロックバイソンことアントニオ。1期ではレギュラーキャラで唯一メイン回がなく不遇と言われていた彼ですが、2期ではしっかり掘り下げてもらえて、メイン回もバッチリ用意されています。1期から経験と歳月を経た、まっすぐで渋カッコ良い先輩になっていました。
「逃げることはダメなことじゃない。大事なのは、逃げた後の最初の一歩だ」(『TIGER&BUNNY2』第11話より)
ヒーローなのに逃げるなんてできないと抗議する後輩ヒーローに対して、諭すように言ったアントニオのこの台詞は、今の自分にすごく沁みました。まさかアントニオに泣かされる日が来るなんてな…。うっし、私も頑張らねば!
というわけで長々とタイバニ2の歓喜の想いを書かせていただきました。「ココデオワルハズガナイノニ」を信じ続けて11年、「かくして、またストーリは始まる」でタイバニの祝祭の幕が上がりました。きっとタイバニファンの方はこの2期を心待ちにしていたと思います。ネットフリックス独占配信ですが、タイバニが好きな人にはもれなく全員に見て頂きたい続編となっています。
ひとまず月額980円を捻出して頂くか、地上波放送(してくれると確信している)を待つか、とにかくどうにかしてファンの皆さんとこの2期の面白さを共有したい!カフェでタイバニ熱を思い出させてくれた友人にも全力でプッシュするつもりです。
本当にタイバニ2を作ってくれて、私たちに届けてくれて、キャスト・スタッフの皆さん、そしてシュテルンビルトのヒーロー達にありがとう、そしてありがとう!今年はタイバニ2パワーで私も頑張ります!
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