2015年7月4日公開 『"記憶"と生きる』
7月4日公開の土井敏邦氏が監督をつとめたドキュメンタリー映画。元「慰安婦」たちが肩を寄せあって暮らす韓国の「ナヌム(分かち合い)の家」。
元「慰安婦」ということ以外、共通点のないハルモニ(おかあさん)たち。彼女たちは支えあい、時には激しくぶつかりあいながら生活していた。そんな生活の中で、彼女たちは消せない過去の記憶と抑えきれない感情を日本人の記録者に向けて、吐露する。
この映画のタイトルは『”記憶”と生きる』。記録から20年以上経った今、この映画に出てくるハルモニ(おかあさん)たちはもうこの世にはいない。慰安婦として長年悩み、苦しんできた想いを直接聞くことはできないのだ。
土井監督の映画をとおして、ハルモニたちの記憶を私たちの記憶に刻み、生きていくしかないのだ。二度と同じことを繰り返さないために。
第一部:分かち合いの家【124 minutes】
(C)安世鴻
「ナヌムの家」で暮らすハルモニたち。過去を忘れるための酒が手放せず荒む女性、息子に過去を知られ悩み苦しんだ女性、戦後、結婚もできず孤独に生きてきた女性…。彼女たちの日常生活とともに、「慰安婦」の記憶や戦後の波乱の半生を語る5人の声を丹念に記録。
第二部:姜徳景(カン・ドクキョン)
(C)安世鴻
ナヌムの家の住人で最年少の姜徳景は、「女子挺身隊」として日本に渡るが、脱走したことで「慰安婦」にされる。望まない子を宿し、戦後帰国した彼女の波乱の半生。その体験と心情を姜徳景は絵で表現した。やがて肺がん末期と宣告される。彼女が死を迎えるまでの2年間を収録。
この映画を「重いなあ」なんていう一言で敬遠しないでほしいです。私たちも知っておかなくてはいけない「慰安婦問題」。「もう過去のことじゃないの」とか「でっちあげただけ」なんて憶測で片付けないでほしい。
同じことを繰り返さないためにも、彼女たちの記憶にわたしたちも寄り添う必要があると思います。
『"記憶"と生きる』:7月4日(土)、渋谷アップリンクにて公開。
7/4〜7/10 10:25/12:50 公開初日は土井監督の舞台挨拶が各回ついてきます。
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