今こそみるべしパンク映画【夜のハイウェイ】
本作はパンク映画ではないが、THE MODS(ザ・モッズ)初にして唯一の主演映画となっているために、特筆に値する。
「夜のハイウェイ」は主題歌となっているが、この曲は映画「狂い咲きサンダーロード」のサントラにも使用されている博多時代に生まれた名曲。映画としては、「狂い咲きサンダーロード」の方がはるかにパンクだが。
本作は、THE MODS自身がバンドとして登場し、上京してきた3人の少年との交流などを描いた青春映画。アルバム「BLUE 〜Midnight Highway」とカップリングさせてプロデュースしたプロモーション的な作品。
監督は本作がデビュー作となる渡辺寿。出演は、デビュー作となる木村一八、若かりし頃の永瀬正敏は次作でジム・ジャームッシュの「ミステリー・トレイン」に羽ばたく出世作、共演は西川弘志、高樹沙耶 、アン・ルイス 、戸川純、ジョニー大倉他。
1970年代から80年代の日本のパンクシーンを牽引した存在であるTHE MODS。同時期に日本のリバプールと呼ばれた福岡で生まれた、めんたいロックの中心的存在としてインディーズで活動していた。
1971年に前身THE MOZZを結成した、ヴォーカル・ギターの森山達也率いるバンド。不動のメンバーであるベース・ピアノの北里晃一の他、メンバーチェンジを経て活動。
バンド名が語るように、1960年代のブリティッシュビートをベースに、パンク要素も加えた、圧倒的な人気を誇ったボーカルと疾走感のあるドライブのバンドサウンドは、今聞いても色褪せないカッコよさが魅力。
1979年、映画「狂い咲きサンダーロード」のサウンドトラックの制作の話が舞い込んだことでメジャー・デビューする契機となった。
サントラは、「気絶しそうだ」、「小便」、「う・る・さ・い」、「B#のウソ」、「サンセット・ストリップ」、「ゆうわく」、「熱いのを一発」、「記憶喪失」の8曲が使用されている。
1981年、衝撃の1stアルバム「FIGHT OR FLIGHT」をリリース。代表曲「WATCH YOUR STEP」「崩れ落ちる前に」「HEY!GIRL」「が・ま・ん・す・る・ん・だ」「TWO PUNKS」「TOMORROW NEVER COMES」他収録。
そのわずか4か月にリリースされた名作2ndアルバム「NEWS BEAT」。代表曲「ゴキゲンRADIO」「ご・め・ん・だ・ぜ」「記憶喪失」「夜が呼んでいる」「クレイジー・ビート」他収録。
1983年、4thアルバム「HANDS UP」ではバンドの最高セールスを記録。
4thシングルはCMソング「激しい雨が」、TBSドラマ「もう高校はいらない」のエンディングテーマ「バラッドをお前に」他収録。
1985年、5thアルバム「BLUE 〜Midnight Highway」をリリースし、映画「THE MODS 夜のハイウェイ」で同タイトルが主題歌となった。「COME ON DOWN」他収録。
1981年にTHE MODSとしてデビューしてから、今もバリバリの現役で活動している、多くのミュージシャンが敬愛するバンドだ。
noteではパンク映画を紹介。
千の映画を紹介するブログ「ナルコスの登場人物とゆかいな仲間たち」ではゴッドファーザー、ヴィム・ヴェンダース、ジャン=ピエール・メルヴィル、ロベール・ブレッソン、ピエロ・パオロ・パゾリーニ の他、幅広い年代のジャンル映画や各種ランキングを扱っている。
ナルコスの登場人物とゆかいな仲間たち
新情報はFilmarks(フィルマークス)で更新中
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?