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"映画の父"グリフィスって誰!? 活弁映画大特集vol.1
こんにちは!映画チア部(てつ)です!
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今年も、はや残り2か月……。
映画好きな方は、大作映画や好きな監督の最新作が軒並み公開延期になるなど、歯がゆい気持ちを抱えた方も多かったのではないでしょうか。
しかし、その一方で、いつもは観なかった作品に出会った人も多いはず!
TVで久しぶりに放送された往年の名作や、見る機会を伺っていた旧作などなど、今だからこそ、観ることの出来た作品も多いのではないでしょうか?
そんな今年の締めくくりに、ぜひ、古典映画の魅力を再確認してほしい!!
というわけで、今回は、その魅力をお伝えした前回の記事から、より掘り下げて、偉大な映画作家・D・W・グリフィスさんをご紹介!
彼の貴重な短編映画『迷惑帽子』は、11月14日に元町映画館で開催されるイベント「ジャムの月世界活弁旅行」でも上映されますので、興味を持った方は、ぜひ、こちらのイベントにもご参加ください!!
D・W・グリフィスさんとは?
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/D%E3%83%BBW%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9
D・W・グリフィスさんとは、1895年から始まる映画史の中でも最初期に活躍した映画作家。様々な映画技術や映画人を輩出したことで「映画の父」とも呼ばれている人物です。
1908年のデビュー作『ドリーの冒険』を皮切りに、短編・長編合わせて、30本以上の作品を生み出し、1915年には、アメリカ初の長編映画『國民の創生』を公開。後の映画作品の基礎となる様々な技術が高く評価されました。他の代表作には『イントレランス』、『散り行く花』などがあり、これらの作品は現在でも愛され続けています。
それでは、彼の代表作とはどのような作品だったのでしょうか。
今回は、前述した『國民の創生』、『イントレランス』、『散り行く花』の3作品について、それぞれ紹介していきます。
歴史に残る問題作『國民の創生』
出典:https://www.amazon.co.jp/國民の創生-D・W・グリフィス-Blu-ray-リリアン・ギッシュ/dp/B07GW4FCXC
上映時間:165分
あらすじ:南北戦争前後、激動の時代に生きる人間たちの恋や陰謀、戦いを描いた壮大な歴史ドラマ。奴隷解放やリンカーン暗殺、KKK(クー・クラックス・クラン:白人至上主義団体)の誕生などを白人視点で描きつつ、人類における普遍的なテーマを伝えようとした作品。
解説:アメリカ初の長編映画として高く評価されながら、人種差別的な内容ゆえに、当時、上映禁止運動まで起きたといういわくつきの作品。本作公開によって、KKKが再興したとも言われており、その内容は2018年製作のアメリカ映画『ブラック・クランズマン』でも触れられています。
感想:批判的な意見が多いのも納得できるほど、現代の価値観から観ると、嫌悪感を覚える描写もありますが、それでも、映画としての魅力にあふれているのがすごいところ。複数の登場人物とテンポの良いストーリーが相まって、長尺が気にならないほど惹きつけられてしまう一作です。
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4本の映画が1本に!?『イントレランス』
出典:https://www.amazon.co.jp/イントレランス-D・W・グリフィス-Blu-ray-リリアン・ギッシュ/dp……
上映時間:180分
あらすじ:アメリカ、ユダヤ、バビロン、フランス、4つの時代における人類の「不寛容さ」を並列して描いた、異色の一大スペクタクル巨編。不幸に見舞われる1910年代の母親のエピソードを中心に、それぞれの時代の物語が次第に激しく交錯して描かれる。
解説:一部から大バッシングを受けた『國民の創生』の反省からか、様々な時代を舞台にし、多種多様な人物を登場させた作品。前作以上に莫大な製作費が用いられたものの、時代背景や斬新な作風から興行的に失敗。しかし、完成度の高さは後に再評価され、現代では映画史を代表する一本として数えられています。
感想:4つのエピソードが同時に展開する構造には、現在でも少し疲れる部分はありますが、やはり、それらのエピソードが交錯して迎えるクライマックスは圧巻。古典映画とはいえ、キャラクターの個性が素晴らしく、エピソードの魅力もあるため、今観ても楽しめる傑作です。
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ヒロインの名演が光る『散り行く花』
出典:https://www.amazon.co.jp/散り行く花【淀川長治解説映像付き】《IVC-BEST-SELECTION》-DVD-リリアン・ギッシュ/dp
上映時間:90分
あらすじ:中国からやってきた男性と、親からの虐待を受けるか弱い少女。偶然の出会いから生まれた2人の、交流がもたらす切ない人間ドラマ。『國民の創生』や『イントレランス』にも出演したサイレント映画女優・リリアン・ギッシュさんの出世作とも言われている。
解説:彼の代表作の中でも、とりわけ上映時間が短く、観易い人間ドラマ。ストーリーそのものは全体的に悲しい印象が強いものの、主軸となる2人の美しい関係が胸を打つ作品。ヒロインが指で口角を挙げ、笑顔を作るシーンは、後の様々な作品に影響を与えたとか。
感想:短い尺ながら、観終わったあとには、かなり辛い感情が迫ってくる本作。しかし、ヒロインを演じたリリアン・ギッシュさんの名演といい、観ておいて損はない映画であることは間違いないです。クライマックスでは、『シャイニング』の名シーンを彷彿とさせるシーンもあり、ひょっとすると、あの名作も本作の影響を受けているのかもしれません。
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さて、いかがだったでしょうか。
今回は、"映画の父"グリフィスさんと、その代表作3作品をご紹介しました!
彼の貴重な短編『迷惑帽子』は、11月14日、元町映画館で開催されるイベント「ジャムの月世界活弁旅行」にて、活動弁士・大森くみこさんによる活弁付きで上映!
生だからこそ味わえる、この日しか聞けない活弁の魅力にも、ぜひ、触れてみてください!!
それでは、また、お会いしましょう。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました!
執筆:映画チア部 神戸本部 大矢 哲紀
参考
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