キムという女性
映画「闇はささやく」
この7月、楽しみに待っていることがあります。
7月11日から始まる「ベターコールソウル」残り6話の配信です。
「ベターコールソウル」最終シーズンの前半、ある人が殺される、めちゃくちゃ怖い場面で中断していて、ソウルとキムがどうなるのか気になってしょうがありません。まあ、どのみちソウルはその後を描いた「ブレイキングバッド」でチャラ弁護士をしているし、最終的にシナボンの店長になってるっぽいので生き延びるはずですが、焦点はキムがどうなるかです。
この待たされている間に、わたしは「ベターコールソウル」と「ブレイキングバッド」を最初から全話見直しました。「ブレイキングバッド」の中で、ソウルが「オレはいまの生活に満足している」というセリフがあり、それならキムも死んではいないだろうと安心したのですが、どうでしょうか。
ソウルはキムなしでは生活に満足どころか、生きていけないからです。
ソウルとキムは恋人どうし(というか結婚した)で親友どうし、同僚であり、弁護士としてライバルであり、まさにソウルメイト。ちなみに、ソウルはソウル・グッドマンと名乗っていますが、本名はジェームズ・マッギルで、キムからはジミーと呼ばれています。正直、ジミーはどうでもよくて(オデンカークさんごめんなさい)、わたしはキムだけが心配。
連続ドラマを見続けるには、お気に入りのキャラクターがいるかが鍵と言われますが、わたしの場合はキムがまさにそうです。
キムはエリート街道ではなく、働きながら州立のロースクールに通って、弁護士になった人。順調に弁護士業をこなしていたはずが降格させられ、事務員に戻されてしまっても、男性の同僚は帰るなか、深夜まで一人で淡々と残業してきっちり仕事をこなすキム。ううう、全然違うけど、「女を編集長に起用することはない」と上から言われながら、編集部に深夜一人残ってポジを切ってポジ袋に入れていた自分を思い出す……。
めちゃくちゃ頑張り屋で真面目なのに、ジミーといたずらしたりする二面性があるところもナイスキャラ。大手法律事務所のアソシエイトの椅子を自ら蹴って、プロボノの道へ進むところも、キムっぽくて、かっこいい。プロボノを選んだとき、ジミーが「生活はどうするの」と聞くけれど、キムは「なんとかなるわよ」と、超クール。やりたいほうを選ぶの、潔い。
とにかく、掃除機の注文だろうがどんなことしても、キムが無事であることを願います。
キム、キンバリー・ウェクスラーを演じたのはレア・シーホーンさん。なんと同世代(オデンさんと並ぶからか、もっと若く見えていました)。
このレアが出演している映画が「闇はささやく」です。
郊外の田舎町で美術大学の教授をする夫と絵描きの妻という主人公夫妻には、可愛い娘もいて、幸せそうに見えていても、家の中でいろいろ事件が起きる話。
レアの役は、夫にとっては美術大学の同僚で、妻にとってはよき話し相手になる人。事件の根本をいち早く見抜く、重要な役どころです。髪の色がかわっていたけれど、やはりクールで、ちょっとはすっぱな感じ。
作品自体はホラー要素のあるサイコパスものとでもいうのでしょうか、わたしは深夜に観たせいもあり、結構、怖かったです。美術大学の教授は「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」のジェームズ・ノートン、妻は「Mank」のアマンダ・サイフリッド。「ホームランド」のF・M・エイブラハムが大学学部長役で出ています。
見出し画像は、タカノフルーツパーラーの「桃のビネガーパフェ」。ビネガー漬けした桃がおいしかったです。くるくるカールに巻かれた桃が、キムのヘアスタイル風に見えました。