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ワインは祭日

映画「パーフェクトペアリング」

恋も仕事もがんばるアメリカのキャリアウーマンを描いた作品はたくさんあります。「パーフェクトペアリング」の主人公も、まさにその典型。ただし、恋に仕事にアメリカ人がパワフルにがんばる場所がアメリカではなく、オーストラリアというのが、この作品の見どころです。

主人公のローラはLAのワイン輸入会社で働くインポーター。出世を目指して、方々のクライアントへと飛び回り、有名シェフの信頼も得ています。でも、上司が嫌な奴で、耐えきれず会社を辞めて、いざ独立。どうしても契約を取りたいワイナリーがあるオーストラリアへ直談判に向かいますが、ライセンスを取得していないローラは相手にされません。そこで、実力と熱意を分かってもらおうと、ワイナリーのオーナーが営む牧場でジラルーをして働くことに。

自分からやると言った以上やれるだけやる

ジラルーとは、羊にえさをやったり、糞を攪拌したり、牧場にワイヤーを張ったりする、いわゆる肉体労働の雑用係。でも、ローラは、やったことない仕事でも、持ち前のガッツで体当たり、なんでもこなしてしまう。カンガルーを見ただけで大喜び、老羊に「バーブラ」(バーブラ・ストライサンドから命名)と名付けて可愛がり、新参者に課される共同トイレ掃除もこなし、夜は本業のインポーターとしてパソコン業務も欠かしません。
ローラの前に現れるのが、典型クロコダイル・ダンディーのマックス。帽子を持ってないローラに帽子をあげる、ブラウンスネイクからローラを守る、上半身裸で牧草を積み下ろしする。これぞ、オージーです。二人は出会って2週間で、泊りがけでワイナリーに出かけます。

念願のワインで乾杯

嫌な上司以外、登場人物は全員、ローラの味方。ローラの行くところに障害はなく、彼女のサクセスストーリーは進んでいきます。
ローラのセリフに「ワインは息抜きそのもの。祭日といってもいい」というのがあり、思いをうまく表していると思いました。ローラにとってのワインは、わたしにとっては映画です。映画は息抜きそのもの、祭日といっていいものです。
ローラまで完全ポジティブにはなれなくても、社会で生きるうえで見習える側面はたくさんある人です。考えるより、まず行動。経験のないことも、まずやってみる。誘われたら、とりあえず参加してみる。遊びかたを知っている。仲間を大事にする。借りた物は手入れして返す。これ、成功する人に共通する行動パターンではないかと。
ローラはアメリカ人。マックスはオーストラリア人。二人の遠距離恋愛はどうなるのでしょう。きっと、ポジティブ・ローラだから、うまく切り抜けるだろうし、もしも結婚に失敗したとしても、タダでは転ばず、次のステップに活かしそうです。
マックスを演じたアダム・デモスさんは、オーストラリアはニューサウスウェールズ州のお生まれ。ヘビの扱い方が堂に入っていました。「恋の予感?! ホテルリノベ奮闘記」というニュージーランドが舞台の映画にも出演しています。こちらもアメリカからやってきたパワフルウーマンの相手役です。