映画「追い風ヨーソロ!」上映終了→to be continued

映画「追い風ヨーソロ!」上映終了→to be continued

最近の記事

リニューアル&リバイバル公開、いったん中止

 約束を守る、ということは、社会人としてとてもたいせつなことです。でも、社会人としては意外と約束を守ることよりも軽視されたりするんですが、誰かを守る、ということも、とてもとてもたいせつなことだと思っています。誰かを助ける、ということは、命懸け。おおげさでもなんでもなくて。運命の神様は残酷で、誰かを助けようとすると、「かわりに貴様の命を差し出せ」と言ってきたりする。これは、真剣に誰かを助けようとしたことがある人なら、同じような経験をされている筈です。それでも、助けを必要としてい

    • 第8回ドラゴン映画祭

      我らが『追い風ヨーソロ!』、先日行われた「第8回ドラゴン映画祭2023」に参加してきました。 西成SPACE☆HOUSEにて開催されたイベント。週末に一気に気温は下がったものの、青空広がる映画日和。 招待作品の『竜二』(1983年・川島透監督)など22作品が2023年11月24日~26日の3日間に渡って上映されました(24日は前夜祭)。上映の後には監督や出演者による舞台挨拶もあり、映画好きにはたまらない濃密な時間と空間でありました。 『追い風ヨーソロ!』は25日の朝9時の

      • ドラゴン映画祭に参加します!

        インディーズ系を中心に映画を楽しみまくろうというドラゴン映画祭。2023年11月に第8回が行われます。 そして『追い風ヨーソロ!』、これに参加いたします。 11月24日(金)に前夜祭が、25(土)・26(日)に本祭となり『追い風ヨーソロ!』は25日の午前9時からの上映。ヨーソロが映画祭の口火を切ることになりました。 『追い風ヨーソロ!』は、もちろんその後の展開も考えないではありませんでしたが、基本的には高知で上映される前提で高知ロケを行った作品です。もっと言うと安田町の

        • 「映っちょった」パート2

           映画で「映っちょった」というと、たいていの場合は、真夏の夜に似合うアレですよね。映っていてはいけないアレ。人間の目には見えないアレ。もう、映っちょったことに気づいた時点で夏の夜の蒸し暑さなんて簡単に吹っ飛ぶ、アレです。ただ、今作には、ソレは映っちょりません(たぶん)。でも、いくつか妙に間延びしたように見えるカットがあるのですが、そこには何らかの安田町の息吹ともいえる何かは映っちょったりはします。その何かについては、次の機会に劇場で目を凝らしていただければと思います。  こ

          灯を消さなかったらこそのご縁がある

          『追い風ヨーソロ!』は2023年6月24日(土)~6月30日(金)の期間、高知県は安田町の映画館、大心劇場において上映されました。 6月23日、前祝で酒を飲み交わしていた時、館主であり出演者でもある豆電球こと小松秀吉さんが唐突に 「いやー、忘れちょった、忘れちょった」 と言うのです。   聞けば翌日、つまり上映初日は小松さんのお父さんの命日で、しかも23回忌なのだそう。前日にでも思い出せて良かったですね。   そして当日。昼の回に上映からの豆電球ライブでしっかり歌い、全てのお

          灯を消さなかったらこそのご縁がある

          『追い風ヨーソロ!』、しばしの凪

           高知県は安田町、海から安田川をさかのぼった山の中に佇む大心劇場で、2023年6月24日から30日まで公開された今作、『追い風ヨーソロ!』。あらためまして、ご来場くださった皆さま、物心の両面で応援してくださった皆々さま、公開が終ってから「いつまで(上映を)やっちゅうが?」と興味を持ってくださっていた方まで、ほんとうに、ほんっとうに、どうもありがとうございました。 今作もいったんのゴールを切り、安田町の各所に飾られていた、小松秀吉さんの筆による看板たちのほとんども、大心劇場に帰

          全上映、無事終了!

          2023年6月24日~30日、高知県安田町は大心劇場にて『追い風ヨーソロ!』の上映が行われ、全ての日程を恙無く終えることができました。 ご来場くださいました方、本当にありがとうございました! 2022年の夏に高知県安田町、高知市上町にて撮影をさせていただきました。 撮影期間は1週間。時間が無い中でのバタバタした撮影でした。 無いのは時間だけではありません。手弁当による自主制作映画です。お金も無い中でのカツカツした撮影でした。 無いのは時間とお金だけではありません。カメラマ

          1889年を生きた人々⑤ お遍路

          「主人公」はだぁれ? 『追い風ヨーソロ!』では、5人の役者が過去(1889年)と現在で2役を演じ分けています。そんな5人のうち、過去でも現在でも、お遍路をしている男を演じているのは、今作の監督も務めている大野仁志です。別の出演者が展開しているTwitterでの紹介が秀逸だったので、ここでも拝借。 「四国を旅する真面目なお遍路。名前は無い。ことはないとは思うが、ここでは、無い。お遍路。」 これが、過去シーンのほうの、この人物の設定です。 これでもう、この稿を締めくくってもい

          1889年を生きた人々④ なつ

          「架空の人物」とは、その実在を否定するものではない 髙松太郎、髙松習吉、坂本鶴井。この『追い風ヨーソロ!』で過去シーンに登場する彼らは、いずれも実在した人物です。少なくとも、資料には名前が残っている。 一方、太郎を父の仇として狙い、1889年の安田村(現在の安田町)へやってくる女性、なつ。劇中で名前が語られるシーンはありませんが、彼女の名は「なつ」といいます。過去シーンには、お遍路さんも登場しますが、彼と同じ顔をしているかどうかはともかく、お遍路で四国を巡礼している人物が

          1889年を生きた人々③ 坂本鶴井

          坂本鶴井の悲劇は、時を超えて「追い風」になる  どんな人生も、悲しい出来事と無縁ではいられません。ある人は悲しみを乗り越えて、またある人は胸の深く奥底にしまいこんで、その先の人生を歩み続けます。なんて、言葉にすれば一瞬ですが、その超克の時間の、なんと長いことか。 『追い風ヨーソロ!』は喜劇ですが、物語は坂本鶴井という女性の悲劇から始まります。もしかすると今作は、ひとつの深い悲劇を、時代を超えて乗り越えていく、喜劇に昇華させる物語なのかもしれません。  坂本鶴井は前回、紹介

          1889年を生きた人々② 髙松習吉

          老いた兄に面と向かって「老いぼれぜよ」と言っちゃう髙松習吉  真実は時として人を傷つけます。事実であっても、いくら正しくても、面と向かって言ってはいけないこと、この世の中には多いですよね。今風にいえば論破王とかになるんでしょうか。見てる分にはおもしろいけど、決して隣にはいてほしくない人。そんな逸話も残っているのが、この『追い風ヨーソロ!』に登場する高松習吉です。 作品の中にも、老いが見えてきた兄に対して、親しき仲には礼儀は不要とばかりに「兄者はもう老いぼれぜよ」とか言っちゃ

          1889年を生きた人々① 髙松太郎

          ”豆電球”小松秀吉さんに「太郎はいかん」と言われてしまった髙松太郎  坂本龍馬の甥ながら年齢が近く、兄弟のような間柄で、龍馬とともに亀山社中、海援隊で活躍した髙松太郎。安田町(当時は安田村)の出身で、いわゆる幕末の志士でもあります。 ですが、撮影の前だったか後だったか、豆電球こと小松秀吉さんと太郎の話をしていたら、「太郎は、いかん」と。 いや、確かに、同じく現在の安田町の出身で、海援隊でも活動した石田英吉は、時代が明治となってからは高知県知事になるなど出世した一方で、そんな

          『追い風ヨーソロ!』幕ひらく

          2023年6月24日、暑すぎることもなく心地よいお天気のなか『追い風ヨーソロ!』が上映日を迎えました。 上映に先立って高知新聞社と読売新聞高知支局が取材くださいました。ありがとうございます。 13時と19時の2回上映。地元安田町の方のみならず、県外から足をお運びくださった方もいてかなりの賑わいとなりました。 来てくださるだけでなく、多くの方にたいへん喜んでいただけたようです。こちらが申し上げるべき「ありがとう」を何度言われたことか。作品をお見せしてお客さまからお礼の言葉

          1889年

           1989年といえば、長い昭和が終わって平成となった年。その100年前が、1889年です。元号だと明治22年。大日本帝国憲法が発布された年として小学校の授業で習った人も、習ったことを忘れちゃった人も多いでしょう。今作に登場する髙松習吉(演=山川竜也)は、東京で弾圧を受け、その憲法発布の大赦で放免されて帰郷するのですが、これについては別の機会に詳しく。 『追い風ヨーソロ!』は、その明治22年の夏から幕が開きます。このとき、もう高知県は成立していましたが、安田町は、まだ安田村でし

          【速報】上映、迫る……!

          『追い風ヨーソロ!』は2023年6月24日(土)~6月30日(金)の期間、高知県は安田町の大心劇場にて上映されます。 そう、いよいよ今週なのであります。   安田町への先発隊から現地の写真が届きました。   過去の記事でも紹介している大心劇場館主の小松秀吉さんの手による看板がどとーんと出来上がっています。   字体といい「遂に公開成る」などのうたい文句といい、映画がもっとも元気であった頃を彷彿とさせる素敵な看板をこしらえていただきました。   一方こちらは大心劇場。勢いと

          【番外】高知県と映画

          『追い風ヨーソロ!』は全編にわたって高知県が舞台となる映画となります。縁あってこのような作品を製作するにあたり、高知が舞台となっている映画にはどのようなものがあるのか、簡単にではありますが調べてみました。 以下、文中において敬称は略させていただきました。 とても全ては挙げきれませんのでごく一部ですが 『パーマネント野ばら(2010年 監=吉田大八 出=菅野美穂)』 『県庁おもてなし課(2013年 監=三宅喜重 出=錦戸亮)』 『竜とそばかすの姫(2021年 監=細田守 出=