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2024年1月の読書日記

2024年1月

こんにちは、入江悠です。
2024年1月の読書日記とオススメ書籍です。

1、「反骨 鈴木東民の生涯」

(鎌田慧 著)

装丁も素晴らしい

超一級の伝記、ノンフィクションだと思った。
歴史の影へ埋もれつつある、鈴木東民という傑出した人物を掘る。
新聞記者であり、運動家であり、政治家であり、郷土を愛した人であり、そしてフューチャリストである鈴木東民。その生涯が徹底した「下からの目線」で描かれていく。絶版なのがもったいない圧巻。


2、「終わりと始まり」

(ヴィスワヴァ・シンボルスカ 著/ 沼野充義 訳)

ノーベル文学書受賞記念講演のことばも美しい

難解な言葉が一切使われておらず、スッと心に染み入ってくる。
詩の主題としては、喪失感や別れ、破壊からの再生への模索など。
シンボルスカさんはポーランドの方なので、たぶんナチスやソ連時代のことが背景にあるはず。
喪失感から立ち直っていくとき、この詩集が地球上にあるということはひとつの支えになる気がする。


3、「文学が裁く戦争 ーー東京裁判から現代へ」

(金ヨンロン 著)

知らなかった文学も多い。一冊ずつ読んでいこう

日本の戦争犯罪と極東軍事裁判を、その後の文学者たちがどのように描き、どのような視点から問題提起したか、著者はひとつずつ検証していく。
有名な作家のものでも知らなかった小説や戯曲が多く、この本をもとに読んでいくきっかけになる。
著者がこのテーマをさらに深掘りした本も読んでみたい。


4、「海からの世界史」

(宮崎正勝 著)

意外と知らない運河や船のこと

今まで知らなかった海、船舶、運河の歴史がわかってめっぽう面白い。
冒険モノが好きな人にも、コロンブスやマゼランや海賊たちを知りたい人にも推薦できる。
わたしは『プロジェクトA』や『キャプテン・フィリップス』などの映画を思い出しながら読みました。


5、「アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図」

(高橋和夫 著)

知らなかった、ですまされない

パレスチナとイスラエル。今なお踏みにじられるガザ地区の市民。
中東の地域にどんな歴史が横たわっているのか、知りたくて読んだ。
少し古い本だけど版を重ねているだけあり、とてもわかりやすい。
入門編として確実にオススメできる。


6、「I [アイ]」

(いがらしみきお)

驚異の漫画全三巻

この漫画は凄かった。今まで読んでいなかったのを激しく悔いた。
わたしはなぜ生まれてきたのか。死ぬとどうなるのか。
子どもの頃に持っていた原初的な疑問に、また立ち戻らせてもらえる。
全3巻。たぶん今後死ぬまでずっと読み返していくだろう。

もうすぐ2月ですね。そろそろ小説も読みたくなってきました。
最後に2つ告知です。

京都ヒストリカ国際映画祭にて

告知1: 新所沢レッツシネパークにて


わたしが大学時代よく映画を観に行っていた新所沢の映画館がもうすぐ閉館とのこと。
日芸の1、2年生の校舎がかつてあったのが埼玉県の所沢でした。
もっとも近かったのが新所沢のレッツシネパークさん。
この度、残念ながら閉館とのことですが、「さよなら興行」で『SRサイタマノラッパー』を上映していただけることになりました。
2月23日(金)にはわたしも登壇してトークする予定です。
20数年前の学生気分に戻って所沢で呑みたいものです。

告知2: 熊谷駅前短編映画祭


もうひとつは、わたしの高校時代の地元、埼玉県熊谷市の映画館。
シネティアラ21という映画館で「熊谷駅前短編映画際」が2月3日と4日に開催されます。
わたしも参加させてもらうのですが、「お前の映画も1本上映してやる、何が良い」ということで、拙作『ビジランテ』を上映してもらうことになりました。
『ビジランテ』の最後のパーティーシーンは熊谷のホテルで撮らせてもらったので、地元繋がり。
他の俳優さんのカットの撮影中、じっと立って待っていた篠田麻里子さんの姿が思い出されます。
なかなかスクリーンでは観ることができない作品なので、よろしかったらこの機会にぜひ。


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