◯おうちで映画 『ストリート・オブ・クロコダイル』
原題:『Street of Crocodiles』
監督:スティーヴン・クエイ、ティモシー・クエイ / 1986年 / アメリカ
・本篇(2021年1月29日(金) 23:59まで期間限定配信)
「この都会こそ地球人の頭脳そのもの。汚濁と混乱。秩序は常に後から追いかけるものに過ぎない。結局のところ地球人は自分たちが何を作っているのかさえ、分からないのです」
↑↑↑『メカゴジラの逆襲』(本多猪四郎 / 1975年)で、ブラックホール第三惑星人の男が東京を見回しながら言うセリフを、この奇妙な短編アニメを見ながら連想しておりました。
この作品の意味を理解しようとした途端、誰もが堂々巡りに陥ることでしょう。なぜなら、ここで描かれているのは「無意味であること」なのですから。
「無」はどんな天才でも観測できない。
「ない」「ゼロ」ということは極めて不自然であり、証明できないですものね。
意味がない、ということは、不条理である、と言い換えることもできると思いますが、そこでちょっと考えてみてください。
この人形たちの狭い世界と、我々の世界と、はて、どちらが不条理なのか。
コロナウイルスは、地球に巣食う人類という名の病原体を殺すための抗体である、なんてスピリチュアルな言説をどこかで見聞きしましたが、ウイルスが存在する意味を考えたところで、理由も帰結もないですよね。
ただただ目の前で人々がウイルスに殺されていくという事実が突きつけられるだけです。
ここまで書いてふとテレビに目を向けると、コロナ治療の現場で働く女性の看護師さんが映っていました。
職場から帰宅してまず向かうのはお風呂場だそうです。
幼い息子に、家族にうつさないために。
夫も看護師とのこと。周囲から「汚い」「菌が来た」という酷い扱いを受けたことがあるようです。
看護服は、絶対に外に干さないといいます。
看護師がいると分かれば、何を言われるか分からないから、と語っていました。
闘いましょう。この不条理な事実に、立ち向かいましょう。
我々の敵はウイルスであり、隣人ではないのですから。
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