読書レポート"リスキリング大全"

●書籍概要
タイトル:リスキリング大全
著者:清水久三子
出版社:東洋経済新報社

現IBMの企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーを経て独立した著者による、リスキリング指南書。

●気になった箇所
1章)
・プロジェクトに関わる利害関係者とのコミニュケーションについても、利害関係者管理というひとつのスキル(p32)
・自分のスキルは商品だから、磨き続けることで自分の市場価値が高まっていく(p49)
・必要×好奇心の掛け合わせで新しい仕事にチャレンジ(p52)

2章)
・仕事や職であげたい成果=ゴール。このゴール設定から逆引きしないとスキルを身につけたものの成果が出ない状態になる(p64)
・スピード感を持つための考え方として"新しい仕事に就いて3ヶ月で何らかの成果を出す"という目標設定をするのが一つのオススメ(p64)

3章)
・スキルセットの変革は以下の4つのステップで実現する。
└概念の理解:「知っている」
 スキル習得に必要な情報を知識として知っている状態
└具体の理解:「やったことがある」
 実務として実行した経験がある状態
└体系の理解:「できる」
 異なる状況でも再現できるスキルになっている状態
└本質の理解:「教えられる」
 これからリスキリングをする人に教えられる状態(p113)
・下記3つの要素を整理して、目標設定
└キャリア・ストーリー(半年〜1年後をイメージ)
└リスキリング目標(スキルセット・マインドセット)
└活用する資産(有形・無形)(p119)

4章)
・スキルを効率よく習得するために「何を」「どうやって」「いつまでに」学ぶのか、地図のように図示/可視化する(p126,130)
・ChatGPTでマインドマップを作成する方法(p142)
・いつまでに学ぶかを可視化した"リスキリングロードマップ"(p168)

5章)
・学びの取れ高を高くするための3つの観点(p181)
└到達レベルの設定
└抽象→具体
└具体→抽象
・具体と抽象の行き来で学びの取れ高を上げる(p183)
└得られた気づきを言語化して再現性を高める
└異なる状況でやってみて、共通点や違いを理解する(言語化)
└パターンを整理し体系化して、さらに再現性を高める(言語化)
・ビジネス関連の書籍を読む目的は読破することではない。どこを読むか、何がわかればよしとするかの目的を持って読む(p198)
・電子書籍をiPhoneの読み上げ機能で聴く方法(p204)
・研修やセミナー受講時は、受講後にどういう状態になっていたいかの明確化と、"このスキルはこう使おう"という紐付けを意識(p207)
・人から教わったこと、自分で実践してみて気がついたことを書き込んでいくことで、自分のスキルとして再現性が高まる(p232)
・ラーニングジャーナルの事例(p247)
・書評は自分の行動やアクションにつながる書き方にする(p251)
・研修やセミナー受講後に、受講してみて何が変わったのかを明記する(p252)
└p207とセットで振り返り
・人や実践からの学びからは、下記3点を明確にする(p253)
└"どんな状況で"
└"どんな行動を取ったら"
└"どんな結果になったのか"
・学んだことから(書籍・研修・実践全て)次のアクションを決めてまた検証する。この学びからの仮説・検証のサイクルを素早く繰り返す(p257,258)

6章)
・自分が体得したやり方を体系化して相手に分かるように示す必要がある
└"私は〇〇のスキルが強みで、それを活用して〇〇を実現することができます。こういうリスクがあることが想定されますが、その場合には〇〇することによって対応できます"
└目の前に提示された仕事を、自分が持っているスキルで"こうすればできる"と断言できるレベル=体系の理解
(p264,265)
・自分の知見や考えをフレームワークや勘所としてまとめておくと、それを人に伝えて、再現性の高いスキルを他の人にも移転することができる(p275)
・自分の中でフレームワークを多数ストックしておき、どんな状況が来てもいずれかにあてはめて、そこから解決の糸口を探る(p284)
・フレームワーク例(p291〜)
・本質の理解で求められるレベルは下記2点
└"つまり〇〇とは△△である"と一言で語れること
└Do's and Don'tsを語れること
(p299)
・本質を最も端的に表せるのは因数分解(p305)
・本質のセルフチェック3点(p310)
└記憶に残るか
└様々な事象を整理/分析、結論を導き出すことは出来るか
└新しいことや複雑なことを進める際の指針となるか
・Do's and Don'ts事例(p312,314)
・フレームワークと本質は発信によって磨かれる(p315)

●所感
・リスキリングの進め方全体像(p14)やスキルセット変革の進め方の図(p126)など、スキル取得のための方法がまとめられているフレームワークを見てその型を参考にするだけでも価値がある。
・学んだことをアクションにつなげることの大事さと、具体的にアクションする方法等を学べて、背中を押してもらえる一冊。
・単発かつ瞬間的なアクションではなく、目的からの逆算と振り返りもセットにしたinputとoutputを心掛けていきたい。

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