【水分調整】人間の体液調整は腎臓がやってます
Q.人間の体液の調整は、どこがやっているの?
A.腎臓です。
そして腎臓に命令を出しているのが脳の視床下部です
簡単に書くとこんな感じです。
①発汗などで体液が濃くなる
(浸透圧が上昇)
↓
②視床下部が情報をキャッチ
↓
③バソプレッシンというホルモンを使って
「体に水分を留めろ!」と伝達
↓
④腎臓が水の再吸収をUPさせる
↓
⑤浸透圧低下
(調整が取れたらバソプレッシンの分泌をゆるめる)
※バソプレッシンを使って、
浸透圧をシーソーのように調整している。
尿などの排出器官としての印象が強い腎臓ですが、
その機能の本質はむしろ、体液を調節することにあります。
体液の量、組成、pH、浸透圧、全てを一定に保つホメオスタシスこそ、
腎機能の本質なのです。
※ホメオスタシス:恒常性(こうじょうせい)
その内部環境を一定の状態に保とうとする事。
細胞を取り巻く環境は、細胞外液です。
腎臓はこの細胞外液の量と組成、とくに電解質を調節する大事な器官です。
細胞外液の量や電解質の濃度は、
体内に張り巡らされたさまざまなセンサーでモニタリング(監視)されています。
そしてセンサーからの情報をキャッチし、
指令を出すのが脳の視床下部(ししょうかぶ)です。
大量の汗をかいたにも関わらず、
長時間水分をとらなかったりすると、
細胞外液の電解質濃度は急上昇し、
血液の浸透圧も上がってしまいます。
脳の視床下部がそれをキャッチすると、
視床下部から下垂体後葉へ
抗利尿ホルモン(バソプレッシン:ADH)を分泌するよう、指令が出ます。
※抗利尿ホルモン:尿細管に働き、水の再吸収を増やすホルモン。
水分をなるべく体内に留め、尿を少なくする働きがあります。
浸透圧が過剰に低下した場合も流れは同じです。
脳の視床下部がそれをキャッチし、
今度は反対に、抗利尿ホルモンの分泌を抑えます。
腎臓の糸球体が1日に150L近くの血液をろ過しているにも関わらず、
そのほとんどを再吸収しているのです。
その理由は、この体液の調節機能と関係があります。
※お風呂を満杯ためると200L
そう考えるとかなりの量をろ過(こして)いる事が分かります。
ろ過した原尿をそのまま排出すれば、
確かに効率は良いのですが、調整の幅はぐっと狭くなります。
そのためいったん大雑把にザルでこしておいて、
後から必要なモノだけを取り出すほうが、
水や電解質の調節幅を大きくする事ができるのです。