「ヒトの本質」。比較動物学、進化生物学、人間発達学、運動学習、認知運動等の観点からエクササイズ、セラピーについて考えています。
身体の本質から考えるエクササイズ・マニュアルセラピー。進化生物学、比較解剖学、感覚統合、運動学習、認知運動、心理学。
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形には、意味がある。比較解剖学、進化生物学から知るヒトの構造と運動について。成り立ちを知れば、筋・骨の形の本質を理解する事ができます。
感覚・認知と姿勢/運動について動物行動学や人間発達学の観点から考え、ヒトのトレーニングやセラピーに応用する。
感覚・認知と姿勢・運動について そもそも感覚とは何なのか?運動とどう関連しているのか?進化の過程や比較解剖学から本質を考えます。
ピーキングのための負荷モニタリング 重要な試合が近づくと、「ピーキング」や「テーパリング」と⾔って、試合に備えるための負荷調整やトレーニング内容変更が⾏われる。 ハイレベルな競技になると、僅かなタイム差が決定的な競技結果の差となるので、「ピーキング」や「テーパリング」は⾮常に重要になる。例えば東京オリンピックの⽔泳男⼦50mの⾦メダル獲得選⼿のタイムは21.07秒、銀メダル獲得選⼿のタイムは21.55秒、銅メダル獲得選⼿のタイムは21.57秒だ。1位と3位のタイム差はたっ
負荷量が分かれば、単調さも分かる 先述したようにセッションRPEを負荷量として記録すると、週内や⽉内の負荷量の変動がどの程度であるか明確になる。例えばプログラムAでは⽕曜⽇のトレーニングによる負荷量が1,000、⽊曜⽇も1,000、⼟曜⽇も1,000だったとすると、負荷の変動はゼロ、週内の平均負荷は標準偏差なしの1,000だ。やる内容はともかくとして負荷としては⾮常に単調なものになる。
トレーニング指導者と負荷マネージャー 一般的にストレングスコーチは「パフォーマンスを向上させるためのトレーニング種目をたくさん知っている人」のように思われやすいが、1年間のほとんどをゲームシーズンとして過ごすようなプロチームでは、どちらかと言うと「いかにパフォーマンスを維持しつつ傷害発生可能性を低減させるか」が仕事の焦点になる。 一方で年間試合数が少ない大学などのカテゴリーでは傷害予防よりもパフォーマンス向上に割ける時間が多くなる。 筆者自身はバスケットボールの世界で
食性と顔の形 生物の歯の形状は、いくつかの要因によって決定される。最も大きく関連する因子には食性が挙げられる。 例えば地面や木に生えている草を食む動物では口が大きく前方に突出している方が有利だろう。実際に、ウマやウシといった草食動物は口が前方に突出している。口の尖端には草を切り取る門歯が存在し、退化した犬歯が申し訳程度に並び、草をすりつぶすための発達した臼歯が口の奥に並ぶ。 もしウマが手を使う事ができたらどうだったであろうか?恐らく霊長類のように口は短くなっただろう。
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脳内のマッピングを変える事に意味がある 身体運動の変容には「ボディイメージの適切化」が必須である事はご理解いただけただろう。 「運動変容」という現象の背景には単に習慣が変わるといった表面的な事ではなく、脳内のマップが変容する事こそがその本質であると言える。 例えば、第3指を切断後62日後に体性感覚野は変化する事が知られている。具体的には3指の領域は第2,4指の領域に侵食される。体表から消えた肢は、脳内でも縮小し他の領域に取り込まれる。
視覚と身体イメージ 視空間認知障害が発生すると、視力が障害されていないにもかかわらず、顔や物品の認識や物品を見つける能力の障害と簡単な道具の操作や着衣の能力の障害が見られるようになる。前者は視覚で受容される対象への認知機能の低下が関わるが、後者では空間における自己の姿勢や位置などへの認知障害が関係する。 空間の知覚では、まず一次視覚野にて運動方向や速度といった低次の、進化生物学的には原始的な動態的情報処理が行われ、次に後頭部と頭頂の境界に存在する内側頭皮質をはじめとした
言語の獲得と感覚 2歳になる頃には「語彙爆発」という現象が見られ、飛躍的に会話に使用される語彙が増える。語彙の増加は他者への働きかけをより豊富にさせ、「私」と他者という関係性をさらに鮮明化させる。 身体活動や言語発達などにより形成されていく「私」という認識は、それまで完全に親の保護の下にいた子供達が、自分は親とは独立した存在であると気付くきっかけとなる。今までは完全に親の庇護のもと受動的に生活していたものが、「私」という存在を認めてもうら事に対する欲求が強く現れるように
感覚は身体イメージを形成する 先述してきたように感覚が身体運動を決定する重要な因子である事は明らかであるが、これらは単に個別の感覚として処理されている訳ではなく、統合され自己の身体形態を認識する基盤として働き、その自己の身体形態の認識が適切な身体運動を形成する。 この「自己の身体形態の認識」をボディイメージと呼ぶ。この言葉自体は身体図式、身体表象、ボディシェーマ等様々な呼称で表される。本書では、HeadとHolmesが定義した「ボディイメージ=自分自身の身体について持つ表
筋を鍛えるのと同じように感覚を鍛える必要がある スポーツ動作の多くが、筋の緊張/弛緩のコントロールの上に成り立っている。にも関わらず、トレーニングのほとんど全てが「筋の緊張」を学習するものになっている。
意識されない感覚・姿勢 例えば机の上に置いてある本を手に取る時に、姿勢の調節や本を掴む手の形、肩の屈曲や外転、こうした運動のほとんどは自動的・無意識的に発生する。ウェイトトレーニングのように筋の収縮や弛緩を意図的に自覚する運動もあるが、それは負荷がかかっている個別筋に対する限定的なものである。 アームカールをする時に上腕二頭筋に意識を向ける事は容易だが、倒れないように身体を支えている脊柱起立筋群の働きが意識される事は無いだろう。 感覚には働きを自覚しやすい「五感」と、
感覚とはなんだろう? スポーツのあらゆるシーンで「感覚」と言う言葉が使われている。 「あの選手は感覚でプレーしている」とか、「感覚的に優れている」等はよく耳にする事があるし、「あの選手は勘が良い」や、「当て勘」等の言葉も実際は「勘」ではなく「感」という意味合いで使っているのではないかと思う。 トレーナーやストレングスコーチも、「感覚の部分は分からない」とか、「選手の感覚には踏み込めない」等の会話を交わす事がある。これだけ馴染み深い言葉であるにも関わらず、私達は実際に「
爬虫類は両生類と異なり長く頑丈な肋骨を腰椎部まで持つ。これは、水中での生活を捨て、重力に適応するための変化である。腰椎に存在する肋骨のため、体幹の回旋可動域はほとんど存在していない。 爬虫類の特徴は頚椎を有する事であるが、頚椎の発生のおかげで獲物を探索する範囲が拡大しより多くの獲物を捕食でき、摂取栄養量が増加したため、骨格の発達が促進されたのだろう。頚椎の発生に伴い頚椎部の肋骨は非常に短く痕跡的なものとなっている。 爬虫類は、より乾燥した住環境に適応したため、両生類と
1960年代では「丸型」と呼ばれる形状の女性が60%を占めていたが、現在では半数以下になり「細長型」と呼ばれる形状を有する女性が増えつつある。1960年代で「細長型」の女性は8%程度であったが、現在では47%に増加している。