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水道水とPFAS汚染②身近から知らないうちに広がる汚染🥺

先日NHKでPFAS汚染についての特集番組がありました。

NHKスペシャル調査報道新世紀 
File8 「追跡“PFAS汚染”」



岡山県吉備中央町では実は、2020年度800ナノグラム、21年度1200ナノグラム、22年度1400ナノグラム、23年度1100ナノグラムと国が定めた「暫定目標値」(1リットル当たり50ナノグラム)以上のPFASが水道水から検出されています。

けれども昨年10月までその事実を町民に知らせていませんでした。
水道水のPFASについては、検査も報告も法的に義務づけられていないというのがその理由でした。


汚染された水道水を利用してきたのは町民の1割約1000人にのぼります。
昨年11月不安に感じた町民有志27人が血液中のPFAS濃度の検査を行いました。
その結果、アメリカで出されている健康リスクが高まるという指針値20ng/mLを全員上回っていました。
中には100ng/mLを超える住民もいました。

アメリカではPFASの血中濃度が高い状態が続くと、脂質異常症、腎臓がん、乳児・胎児の発育の低下、抗体反応の減少など4つのリスクが高まるとされています。

23年11月に水源を切り替えて目標値を下回っていますが、町民はこれまで飲んできた水による健康への影響を心配しています。


PFASは、化学工場で製造、使用されるほか、空港や基地で使われる泡消火剤に含まれています。
これらのPFASが川や地下水に流れ出たあとも自然に分解されないので残り続け、浄水場で除去しきれなかったPFASが水道水で検出されていると考えられます。



国は汚染源の98%は不明だとしていますが、なぜ特定されないのでしょうか?

岐阜県各務原市では21年度、最大550ナノグラムのPFASが検出されています。
県、市の調査では、航空自衛隊岐阜基地の回りで高濃度のPFASが検出されています。
基地でPFAS汚染の原因となる泡消火剤が2010年まで使用、保管されていたことは認められていますが、防衛省は水道水の汚染との因果関係を認めていません。

各務原市では市民団体が独自の調査をしています。
このように住民が対策を求めて声を上げている地域は全国で17地域に広がっています。

大阪府摂津市のダイキン工業。
PFASの一種PFOAを1980年代から2012年まで製造していました。
近隣の井戸からは30000ng/LのPFOAが検出され土壌も作物も汚染されています。
工場の現役作業員の血中濃度は826ng/mLでした。いずれも高濃度の汚染です。

ダイキン工業は地下水が施設外に流出しないよう遮水壁の設置などを進めています。
しかし、住民からの土壌汚染改善の要求については国の基準値の設定がないとの理由から応じていません。



岡山県吉備中央町では水源のダム上流に使用済み活性炭が08年頃から置かれていました。
これが汚染源だと考えられています。
活性炭はPFASなどの有害物質を吸着して取り除く効果があり、工場や浄水施設などで使われています。
置かれていた活性炭の一部にPFASが含まれ雨とともに土壌にしみ出し、水源のダムを汚染したと考えられています。

この活性炭を専門家に分析してもらったところ1キログラムあたり45億ナノグラムという途方もない量のPFOAが含まれていました。
さらにくわしく調べてみると4種類の特殊なハイドロPFASが含まれていることがわかりました。
これと同じPFASが高濃度で検出された場所があります。
それは大阪府摂津市のダイキン工業の工場の近くの井戸水です。

これら4種類のPFASはダイキン工業が特許を持っています。
しかし、ダイキン工業はこれらの活性炭については関係性を否定していてPFAS入り活性炭がどのようにして吉備中央町に置かれるようになったのかは不明です。



国による明確な規制がないままPFASの汚染は知らない間に広がっているのです。🥺


執筆者、ゆこりん

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