日本=平和国家は終わり⁈①殺傷兵器も輸出する日本🥺
昨年12月、政府は、武器輸出を制限している防衛装備移転3原則と運用方針を改定し大幅に規制を緩和しました。
1976年、日本は武器輸出を原則禁止としました。
戦争放棄や戦力不保持を定めた憲法9条を具体化したものとされてきました。
しかし、安倍政権下の2014年の防衛装備移転3原則の策定で一定の条件下で解禁しました。
武器輸出目的を「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5類型に限定し、殺傷兵器の輸出は認めていませんでした。
今回の改定は3つの原則そのものは維持しつつ具体的なルールを定める運用指針を中心に見直しました。
運用指針改定のポイント
1,他国の企業の許可を得て日本国内で製造する「ライセンス生産品」は米国企業がライセンス元の武器の部品だけを輸出できましたが、今後は完成品を含めライセンス元の国ならばどこでも輸出できます。
2,従来の5類型について、「5類型の本来業務の実施」か「自己防護」に必要なら殺傷兵器も輸出できることになります。
3,「被侵略国」への非殺傷兵器提供は、これまではウクライナに限定していましたが、今後は「国際法違反の侵略」を受けている国全般に拡大されます。
日本の「ライセンス生産品」は79品目にのぼり、輸出対象国は米英仏独伊、ベルギー、スウェーデン、ノルウェーの8カ国に拡大します。ライセンス元の国が第三国へと輸出する場合は日本側の事前同意を条件とし、ウクライナやイスラエルを念頭に「現に戦闘が行われていると判断される国」を除外するという制限をつけました。
しかし、この「ライセンス生産品」のライセンス元国への輸出第一号は米国への地対空ミサイル「パトリオット」です。
米国から提供要請があったということです。
その理由は米国の武器不足です。
アメリカはウクライナやイスラエルに武器援助をしていますが、武器の製造が追いついていません。
アメリカはウクライナにパトリオットを提供する約束をしており、日本が今回輸出するのは自衛隊が現在保有するパトリオットです。
日本が米軍にパトリオットを提供することで米軍の武器不足を補い、アメリカは自軍のパトリオットをウクライナに提供することができます。
つまり玉突き効果で結果として日本がウクライナに武器支援することになるのです。
これでは紛争を助長することになってしまいます。
憲法9条の精神はどこへいってしまったのでしょうか?
「平和国家日本が作った武器で人が死ぬのは許さない。」というのが国民の意思だったのではないのでしょうか?
しかもこのような重大な改定が国会の審議を経ずにまったく「密室」で決められたのです。
主導したのは自民・公明両党12人からなる与党実務者です。
外務、防衛当局者らがオブザーバーとして参加しただけです。
冒頭以外は非公開で議事録も公開されていません。
(アメリカでは武器輸出管理法で武器輸出の際、議会への報告・承認が原則必要と定めています。)
日本の場合、国防という国民の生命財産に関わる重大な問題を決めるのに、あまりに秘密主義過ぎます。
国会の場で議論して、国民への説明責任・透明性を確保することが必要であると思います。
執筆者、ゆこりん、ハイサイ・オ・ジサン