日本は外国人に優しい国?NHKドラマ「やさしい猫」
改正入管法が6/10に施行されます。
つまり今日からです!
従来、難民申請をしている間は送還を一時停止する規定がありましたが、改正法は3回目以降の申請者が、難民と認定すべき「相当の理由」を示す資料を出した場合を除き、送還できるとしています。
日本は難民認定率が2022年で2.0%と極端に低く(英国68.6%、米国45.7%、ドイツ20.9%)ほとんど難民と認められません。
これに対して裁判が起こされ、昨年12月には東京高裁、今年1月には名古屋高裁、今年5月には名古屋地裁が、国の決定を覆し、それぞれウガンダ、ミャンマー、シリアの男性を難民と認める判決を出しました。
先日このような厳しい外国人労働者の立場を描いたドラマを見ました。
「やさしい猫」
そもそもこのドラマのクマラとみゆきが東京で再開したシーンが、クマラが理由のない事情聴取を警察から受けているときでした。
被災地では、明るく前向きでみゆきを笑わせていた彼が、警察から路上で疑われるなかでとても弱々しくみゆきを見るのです。
これがいわゆる外国人をターゲットに事情聴取をするレイシャルプロファイリングというやつで、日本でもよく警察はやっており、外国人の尊厳を踏み躙っています。
ドラマの中では入管制度の実態をかなりリアルに描いています。
一度オーバーステイで収容所に入れられるとなかなか出してもらえません。
日本人の妻がいても偽装結婚だと言われます。収容所の中で倒れて救急車を呼んでも病院に連れて行ってもらえません。
やっと仮放免が認められても仮放免中は働くことも医療保険に入ることもできず、そのため誰かの支援がないと生活ができません。
ドラマの中でみゆきの娘のマヤがクルド人の青年と知り合いますが、彼は日本生まれにもかかわらず親がオーバーステイなので在留資格がなく仮放免中で働くこともできません。
将来を奪われた生活をしており、日本で暮らす外国人労働者の不安定な身分がよくわかりました。
クマラも日本に留学して働きながら日本語を学び専門学校に行って自動車整備の技術を身につけまじめに働いていながら、会社が倒産しただけで日本での働く基盤を奪われ家族がいても強制送還されそうになるのです。
入管の対応には司法の監視もなく大幅な裁量が認められています。そのため収容所内の扱いも密室の中で非人道的に行われていて日本という国は外国人を人間扱いしていないと思われても仕方のない状態です。
入管施設職員の態度もまちまちで、外国人に対してめっちゃ横暴な職員もいます。
このドラマ、めちゃくちゃおすすめです!
今度の改正入管法では、ますます外国人にとっては厳しくなると言われております。
私たちは、日本政府をしっかり監視していかなくては思いました。
実は、日本の入管の問題ですが、国際社会からは人権侵害だとかねてより通告されていましたが、日本国内では長年人権問題としてはスルーされていました。
特に法律界隈からです。
おそらく、対象が外国人であり、かつ法に反している、という認識があるからだと思います。
私たちは、同じ日本人、えん罪であることに対しては理解しがちですが、外国人であったり、日本の法を守らなかったことのある方に対しては、寛容さが足りないと思います。
昨日も電車の駅の伝言掲示板で、絶対アカン!と流れてきて、何がや?って思ったら、
不法滞在、不法就労の通報にご協力をお願いします、でした……
駅のホームでわざわざそういうこと呼びかけるなんて、冷たいなあと思いました。
執筆者、ゆこりん、ハイサイ・オ・ジサン