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何度でも訴える!イスラエルは即時停戦を!ガザ地区封鎖を解除して人道支援の実施を!

ガザ地区では、戦闘による死者は3万人を超え、イスラエルの封鎖により食料などの生活物資が届けられず、多くの子どもたちが栄養失調で死亡しています。
もはやイスラエルの行為は「ジェノサイド」つまり民族の集団殺害としか思われません。


1月26日国際司法裁判所(ICJ)はパレスティナ自治区ガザ地区への攻撃を続けるイスラエルに対して、暫定措置としてジェノサイド(集団殺害)行為を防ぐ「全ての手段」を講じることなどを命じました。
命令に法的拘束力はありますが、ICJには強制的な執行手段はありません。
国際社会はこの決定を受けて実効性のある手段をとるべきです。

イスラエルの行為がジェノサイド条約上の義務に反するとして訴えたのはガザから遠く離れた南アフリカでした。
なぜ南アフリカがイスラエルを訴えたのでしょうか?


これは最近になって認められつつある概念で「エルガオムネス義務」と呼ばれる概念です。

簡単に説明すると、ジェノサイド条約のような条約では、直接被害を受けている国だけでなく、文字通り「すべての当事者」(=エルガオムネス、ラテン語)に対して条約の締約国は義務を負っているという考え方です。
そのため、南アフリカやその市民がイスラエルから直接の攻撃を受けていなくてもジェノサイドの疑い、あるいはそうした行為を見逃したということでイスラエルを訴えることができたのです。


ジェノサイド条約には欧米の国々も参加しています。
本来人権に敏感な欧米の国こそイスラエルの蛮行に対して司法裁判所に訴えるべきと思われますが(ロシアについては訴えています)なぜ南アフリカなのでしょうか?


南アフリカは1990年代まで人口の1割しかいない白人が8割の黒人を人種差別し支配し搾取してきました。
黒人は故郷を追われ狭い居住地に閉じ込められ移動の自由もありませんでした。
政治的な権利もなく、警察や軍隊の暴力を受け、満足な教育や医療なども受けられませんでした。
その歴史がガザの現在の状態と重なるので南アフリカはイスラエルを「アパルトヘイト国家」と非難してきました。


南アフリカの初代大統領マンデラ氏は一貫してパレスティナを支持してきました。
パレスティナも人種差別と植民地支配の犠牲者なのです。

南アフリカの問題提起により植民地だった過去を持つ多くの国々が南アに賛意を示しています。
日本はジェノサイド条約を批准していませんが、当然ジェノサイドを許さない立場ですから、イスラエルに対して国際司法裁判所の決定に従うよう促すべきです。


このパレスティナへの虐殺は南アのようにかつての帝国主義が引き継がれて起きているのです。宗教問題ではありません。
戦前の反省をいつになったら私たちは行えるのでしょうか。

帝国主義にはNOを!支配にはNOを!



執筆者、ゆこりん、ハイサイ・オ・ジサン


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