映画「ありふれた教室」学校で一体何が起こっている?教育現場のリアル
現在、全国で公開中のドイツ映画、「ありふれた教室」を観てきました。
学校内でおこるある事件をきっかけに教師と教師、教師と生徒、教師と保護者の間に生まれる緊張関係を描いた作品です。
校内の窃盗事件の犯人捜しで教師や学校への不信が高まるのは日本でもよくあることです。
学校内の事件では、警察にも相談できず結局うやむやに終わるというのが通常でしょう。
その結果疑われた生徒にはいやな思い出として心の傷だけが残ってしまいます。
この映画には教室、職員室、運動場など学校の中の出来事しかでてきません。
日本と違うドイツの学校の様子がよくわかります。
ドイツには「議論文化」というのがあるようで授業でも生徒が積極的に意見を述べあいます。一方的に先生が教えるというスタイルではありません。
また、ジャーナリズムが大切にされていて、映画でも学校新聞が重要な役割を占めています。
驚いたことに、学校新聞では生徒たちが堂々と教師や学校を批判しています。
それを堂々と公式に学校内で配ります。
事前に学校が内容をチェックすることもなく発行されるのです。
常に学校の許可の必要な日本とは大違いです。
また、生徒の自主性が重んじられているようです。
映画の後半で、暴力事件を起こしたオスカーの処分が話し合われるのですが、その会議に教師だけでなくオスカーのクラスの生徒が加わっていたのにも驚きました。
常に子どもの権利としての意見表明権が保障されているようです。
このように日本より民主主義が大切にされているドイツですが、学校で起こる事件は日本と変わりなく、教師が生徒や保護者の信頼を勝ち取ることの難しさは同じようです。
教師のなり手が少ないのも共通のようで教師という仕事の大変さは洋の東西を問わないということのようです。
参考資料
映画公式パンフレット
執筆者、ゆこりん