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選挙結果振り返り(2024 9.29投票)


 立憲民主党代表選に兵庫県知事の進退、そして自民党代表選と超激動の一週間となった先週。 締めくくりとなった昨日の選挙は、その影響をモロに受けたものも有れば、なんとか凌いだものも有り。 そして意外なトコロで驚きの結果が出ています。
 さぁ、維新は、自民は、そして「オレンジ」はどうなったか。 是非チェックして下さい。




◎宮城県・蔵王町長選挙

 6期目を目指す現職に行政書士の新人が挑む一騎打ちは現職が6選を果たしました。

 現職が自公推薦という組織力を生かしての圧勝です。 新人は「蔵王一新」を掲げ町長の給与削減などを訴えましたが、元官僚の行政書士という肩書きの強みは有れど、組織力の無さと選挙の不慣れさでは現職に歯が立たなかった形です。 ともあれせっかく持った志ですから、町議から始めていただければと希望します。 一歩一歩です。


◎千葉県・富津市長選挙

 3期目を目指す現職に一般社団法人代表の新人が挑む一騎打ちは、現職が3選を果たしました。

 こちらも自公推薦の強力な組織力を持った現職が新人に4倍差をつけての圧勝です。
 まだ54歳、まだまだバリバリ働けるという安心感と辞めない限りいつまでも町長を続けるという恐怖感が混在する恐怖感が混在する複雑な結果。 全ては本人が “引き際” を何処に見定めるかにかかってくるでしょう。


◎和歌山県・みなべ町長選挙

 前職が先月病気で亡くなったコトに伴い行われる選挙で、会社役員の男性と町議を1期務めた男性が一騎打ちは、前町議が初当選を果たしました。

 会社役員の新人は世耕参院議員(元自民)が応援に入ったようですが、元町議は現在32歳で、前職の退任理由が理由だけに若い候補を選ぶ流れは必然だったかと思われます。


◎兵庫県・三田市議会議員選挙(定数22/33人)

 現職16人、元職2人、新人15人が立候補し、党派別では維新が4人、自民・公明・共産が3人ずつ、立憲が2人、参政が1人立てた女性候補5人の選挙は、現職2人、元職1人、新人8人が落選し、女性候補は5人全員当選しました。

 県知事が不信任喰らったアト、辞めるのか議会解散するのかハッキリしないまま選挙戦に突入するという前代未聞の状況下で行われた選挙でしたが、終わってみれば現職が16人中14人当選するという、総合的に見れば比較的固い結果となりました。

 とはいえ維新が4人中2人も落選したというのは衝撃的でありまして、議席増を目指した結果、逆に議席を減らしたのでした。

(統一地方選後の維新近畿ブロック戦績)
(※大阪府を除く)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 当選した(有権者ウケの良い)女性候補2人も順位は10位と18位と高くなく、斎藤知事問題の影響をモロに受けた形でしょう。 伝え聞いた話によると維新候補が市民から斎藤知事批判を受けた量は8月がピークで選挙期間中も先月よりは落ち着いてきたとのコトですが、他に29人も候補が入る中で敢えて維新に票を投じる有権者は少なかったようです。

 一方、維新の凋落により浮かび上がったのが共産で、3候補中2候補が21位&22位というギリギリ当選。 もし斎藤知事問題が無ければ、改選後に1議席だけしか残らなかったかもしれないという結果で、決して手放しで喜べる状況ではありません。

 そして、維新に目が向きがちの中、参政党がコッソリ落選。

(2024年の参政党戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 出馬表明したのが告示2週間前という遅れを最後まで挽回できなかった形で、神谷独裁者代表も「あと10日早く決断できていれば」とSNSで謝罪していました。 独裁者代表がそう言うなら、全部神谷氏の責任でしょう。
 ただ、挽回すべく応援演説に吉川里奈氏を初め、自民党→新党くにもりを経て最近参政党候補になった安藤裕氏に元お笑い芸人の和泉修氏。 そして神谷氏本人も投票日前日というベストなタイミングで入ったにもかかわらず落選したというのは、痛いでしょうね。
 とはいえ全盛時の勢いが有れば、たとえ準備期間が短くても落選人数の多さ(11人)と豪華な応援が有れば当選出来たハズで、三田市レベルの自治体(人口約11万人)に挑むにはちゃんとした準備をしないと、目を引くオレンジカラーだけでは当選出来なくなっているのでしょう。

 それにしても、自民が公認候補全員当選したのは・・・ 知事を担いだ一翼を担っていたからという点に加え、

 三田市職員が市議からパワハラを受けたとする公益通報が有り、市が職員にアンケートを実施した結果、回答者の4割がパワハラを受けたと回答した件で、噂では実名が挙がった「5人」(非公表)の中に自民系議員が含まれるとのウワサが出ていたのに(しれっと)当選しているのは、何か引っ掛かりますね。


◎大阪府・泉南市議会議員選挙(定数15/17人)

 現職11人、新人6人が立候補し、党派別では大阪維新が5人、公明が3人、共産が2人、自民が1人立てた、女性候補4人の選挙は、新人2人が落選。 女性候補は全員当選しました。

 落選した2候補の選挙公報を見れば察しがつく結果で政党候補は全員当選し、大阪維新もココでは改選前から1議席増となりました。 獲得票数は5候補合わせて5,638票で、前回の6,000票から約6%減。 投票率が50.02%→42.85%で減少比率が約15%なので議席と共に票も増やしたのかもしれません。

 なお、N国~維新と渡り歩いてネット右翼系に落ち着いた東京都港区議や選挙ウォッチャー界隈で “残酷パイセン” として知られる福岡県行橋市議とコラボ動画を出している、ネット右翼の皆様の間では有名であろう候補は見事トップ当選。 そして自民候補も2位で、ある意味 “ワンツーフィニッシュ” と言えるのでしょう、ね。 


◎岡山県・高梁市長選挙

 5期目を目指す現職に市議を3期務めた新人が挑む一騎打ちは、新人が現職を破り初当選を果たしました。

 現職は49歳で初当選し今回5期目狙い。 過去の選挙は全て相手が年上で若さをアピールして当選したのでしょうが、時を経て65歳となり新人は58歳。 初めての年下候補を相手にしたところ、多選批判も重なったか倍近い得票差をつけられ落選したのでした。

 加えて元市議の新人は議長経験も務めた実績に加え、加藤勝信衆院議員や石井正弘参院議員から為書きを贈られており、一定の組織力を持っていたものだと思われます。


◎岡山県・高梁市議会議員選挙(定数16/18人)

 現職10人、新人8人が立候補し、党派別では公明と共産が1人ずつ立てている、女性候補1人の選挙は現職と新人1人ずつ落選。 女性候補は当選しました。

 男性ばかりの議会のようで改選前も女性議員は1人。 その方が出馬せず別の新人が1人立候補しています。
 共産が前回2人当選に対して1人となっていますが、会期中に1人が亡くなられてもう1人は出馬せず、新人1人のみの出馬で、2人立てたら “共倒れ” の危険が有るだろうと見ていましたが、結果公認候補は15位のブービー当選で、候補数を絞った選択は正しかったようです。 悲しい現実ですが。


◎岡山県・吉備中央町長選挙

 4期目を目指す現職に音楽事務所経営の新人が挑む12年ぶりの選挙は現職が4選を果たしました。

 町をPRするために作った動画の方向性が尖りすぎて賛否の声が出るなど、なかなか個性的な現職ですが、現在問題になっているPFAS汚染の対応で、

(初動の遅れが有ったとはいえ)全国で初めて住民の血中濃度調査を公費で実施(今回と5年後の2回)を決めるなどの実行力が評価されたものと思われます。

 4選となり多選のフェーズに入り、多選がキライな私は本来ならば「如何なものか」と思うところですが、この問題が一定の解決を見るまでは辞められないでしょう。 この4年間で解決に向けて頑張っていただきたいものです。


◎高知県・黒潮町長選挙

 1期務めた現職が出馬せず、3期10年務めた元職と警視庁警察官の新人が一騎打ちで次の座を争った選挙は、元職が大差で新人を破り町長に返り咲き、通算4選を果たしました。

2020年に以前から好意を抱いていた女性と、飲酒後に車内で性加害をしたコトが明らかになり辞職していて、そこから時を経て異例の再出馬をした現職。
 そんな人なら返り咲くワケない、ように見えるかもしれませんが、黒潮町は南海トラフ地震が発生した際の津波の高さが「最大34m」と全国イチ高い想定がされている地域で、元職は避難道路などの災害発生時におけるインフラの課題を洗い出して整備計画を立てたり、世帯別で避難行動の計画を書き出す「避難カルテ」を作成していたり、避難タワーを複数建てたりと見に見える対応を取った実績があり、町民はそれを評価したものと思われます。
 性加害に対する評価を今回町民が判断したのですから、それについて私がどーこー言うものではないでしょうが、辞職したアトに町長になった現職が1期限りで退任したコトに “少々引っ掛かる” のは私だけでしょうか・・・    

 ちなみに新人は「映画館つきの大型商業施設誘致」という現実味の薄い公約を出しているので、組織力以前の問題で相手にならなかったのでしょう。


◎福岡県・大川市長選挙

 3期目を目指す現職に家具企画販売会社役員の新人が挑む一騎打ちは、新人が抜け出し初当選を果たしました。

 現職47歳に対し新人77歳。 年の差30歳対決で年上の新人が勝つという異例の結果になったのは、保守分裂選挙になった点も有りますが、

筑後川河口の三角州に建設予定の「道の駅」をめぐり市民の強い反発があり、新人は「建設反対」のほぼワンイシューで戦ったコトが奏功したようです。

 一方、現職には鳩山二郎参院議員(前大川市長)が応援の挨拶に来て、その他国会議員からの為書きも、

・石破茂 ・森山裕 ・和田政宗
・三原じゅん子 ・進藤金日子
・宮崎雅夫 ・藤木眞也 ・古賀之士
・野田国義 ・山下雄平 ・吉田宣弘
・山本剛正 ・和田義明 ・宮内秀樹
・自見英子 ・林幹雄 ・武田良太
・藤丸敏 ・松山政司 ・秋野公造

(敬称略)

という自公立維の国会議員から贈られており、それをこれみよがしにアピールしていたにもかかわらず、落選です。 コレは恥ずかしい・・・
 100億近い建築費がかかり、三角州に作るという点も高潮等の懸念が有るという道の駅。 建設反対を訴える署名を受け入れないという塩対応が批判され、票を失ったのでしょう。

 そして、反対署名を集めた市民団体の代表が、今回当選した新人。 早速、道の駅計画を「いったん白紙」にすると表明しましたが、ワンイシューで当選したが故に、それ以外の政策が見えないという声も有り、都市博を中止したアト何も出来なかった青島幸男元都知事みたいにならなければイイのですが・・・



以上です
当選された候補者の皆様の御活躍をお祈り申し上げます


「選挙結果振り返り」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど


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