【#109】長野県・松本市議会議員選挙レポート(2023 4.23)
本来はもっと早く書くべきだった松本市議選レポート。 9名もの候補を取材できて、それを記事化するコトへのプレッシャーと面倒さにキモチが向かわぬまま選挙から半年以上過ぎ、ようやく記事としてまとめるコトが出来ました。
バリバリの国政野党系候補から若手の国政与党系候補、新規政党候補に、元相撲取りから元アイドルまで、多様すぎる候補を味わえるレポートとなっていますので是非お手に取っていただきたく存じます。
そして、トップ当選した新人候補を取材し、その候補をどこよりも深く考察。 遅くなりましたが、長野県第2の街の市議選で何が起きていたのかを、私独自の目線でレポートします。
◆松本(まつもと)市・概要
面積:978.47㎢(長野県 第1位/77市町村)
人口:235,664人(第2位)※2023年10月1日現在
人口密度:240.84人/㎢(第19位)※2023年10月1日現在
平均年齢:47.40歳(若い順 第3位)※2019年10月1日現在
市長:臥雲義尚(がうん よしなお 1期)
元NHK解説委員 2016年に市長選に出馬し敗れるも、現職の引退に伴う2020年の選挙で初当選
衆議院は長野2区に属し、
◆立候補者(定数31/39名)
現職23名、新人16名が立候補し、政党別では公明と共産が各4名、立憲と維新、参政が各1名立てており、女性候補は過去最多の16名となっています。
年代別に見ると、70代が6名、60代が14名、50代が8名、40代が5名、30代と20代が各3名です。
◆前回(2019年)の選挙結果(定数31/42名)
前回は現職23名、元職2名、新人17名が立候補し、現職22名新人9名が当選。 政党候補は公明、立憲、共産候補が全員当選。 女性候補は12名中11名が当選。 当選議員の平均年齢は57.80歳でした。 さて、今回はどうなるでしょうか。(「※」が付いている方は後に県議へ転身しました)
◆POINT
①消えゆく「象徴」と渋滞する「名物」
今年2月、県内に衝撃が走りました。 市内中心部に建つ松本パルコが2025年2月を以て閉店すると発表されたのです。
都会の方が聞いたら呆れるかもしれませんが、オシャレでスタイリッシュで、イオンモールなんかでは味わえない「文化」を感じられるパルコが有るというのは松本市民の誇りであり、“犬猿の仲” とされる長野市民との抗争で松本市民が切り札にしていたのが、
という言葉。 そんなパルコが再来年、松本から消えるのです。
ネット販売の台頭による購買行動の変化やコロナ禍の売り上げ減少、建物の老朽化などが原因とされていますが、最大の要因と見られるのが他店舗との競合激化。 その相手が、
奇しくも、2017年に松本パルコから徒歩10分の場所にOPENしたイオンモール松本。 県下最大規模のイオンモールに松本PARCOは客を奪われていったのです。
既にパルコ内の店舗がイオンモールに移転し始めているようですが、では今後、イオンモール松本が新しい「名物」になれるかというと、そもそも店のコンセプトが違うからそれは期待できず、ならば “家族みんなで一日楽しめる” アミューズメント要素を加えたイオンモール本来の魅力で松本をけん引できればイイのですが、この店舗はOPEN当初から致命的な “欠点” を抱え未だにそれを解消できないままでいます。 それが、
渋滞。 画像で周辺道路が真っ赤になっているように慢性的な渋滞が起きています。 しかもそれは開店以前からで、イオンモールが出来ると聞いた時に多くの県民がそれを心配していましたが案の定、渋滞は悪化。 店舗へ出入りできる道路は細い片道一車線の市道なのだから「そらそうよ」って話で。
市は対策を取ってきたもののそれは「パークアンドライド」とかいった利用手段の変更を促すもので根本的な解決になっておらず、そもそも家族全員ミニバンで乗りつけて愉しむのが醍醐味のイオンモール(←かなり偏見混ざってますが…)の趣旨に反しています。 そうやって手を焼いているうちに、
2025年秋には長野市の隣、須坂市のIC近くに新しく、且つ明らかに利便性が良さそうなイオンモールがOPENするので、客足に少なからぬ影響が出るものと考えられます。
文化的な「象徴」を失い、新たな「名物」も色褪せそうな気配漂う。 かつてサッカーJ1まで昇格した松本山雅も現在はAC長野パルセイロ同様J3所属・・・ それが松本市の、現状です。
では次はこの選挙の構図について書いてみます。 “市長派” と見られる方が新人で立候補していますが、ちょっとデリケートな話になるかもなので、それについては有料部分で・・・
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