選挙結果振り返り(2024 12.22投票)
・・・なんだかムカついています。
「反社会的カルト集団」の「尊師」がこの期に及んで捕まらないコトもそうですし、「選挙出まくりマン」が未だに得票率10%を超えるのもそう。
でもまぁ、これも現実として受け止めて前に進むしかないですよね。
話を本題に戻して今回の選挙。 結構 “濃い” 選挙が並んで味わい深いモノとなっていました。 今年最後の選挙、一緒に振り返っていきましょう。
▼今週の彦治
◎長崎県・雲仙市長選挙
4期目を目指す現職、これまで全て無投票当選という経歴から「選挙出まくりマン」こと小西彦治氏(首長選20戦目)に狙われてしまった選挙は、当然ながら現職が4選。 一方で彦治氏は得票率16.64%で供託金返還&選挙運動の公費負担が発生してしまいました。
投票率が37.08%と4割を切る大幅減(前回の選挙となる19年前からマイナス47.48ポイント!)となったため彦治氏には厳しいかと思ったのですが、多選となる現職及び19年に渡って市長選をやらなかった市政への批判票は根強く、彦治氏に票が流れました。 彦治氏に市の税金が流れるのはムカつきますが、この状況で現職に9割超の票が集まる方が不自然なので然るべき結果だと言えるでしょう。
詳しくはコチラ⇧にまとめていますので、ご覧ください。
では次に、取材した選挙の結果を。
◆【取材済】長野県・小布施町長選挙
一期務めた現職が退任を表明。 新町長をめぐり元市議と元町職員が一騎打ちで争った選挙は元町職員が初当選を果たしました。
栗菓子や北斎館で有名な観光地として知られている小布施町ですが、行政は結構停滞しており町長選が行われるのは実に20年ぶりでしたが、県外出身の36歳が町長に就任するコトで閉鎖的な町政を一新できるのか。 若い首長にかかる期待と責務は、果てしなく大きいです。
ちなみに元市職員へは高島崚輔芦屋市長から応援メッセージが寄せられており、今後は彼も “あの一派”(=若手首長のネットワーク)に加わるものと思われます。
コチラの選挙は後日レポートで出すのでそちらを参照ください。
では、残りの選挙を振り返りましょう。
◎山形県・寒河江市長選挙
4期務めた現職が出馬せず、新市長の座を元農林水産省職員、元副市長、元市議会議長で争った選挙は、元副市長が初当選を果たしました。
こちらも市長選が16年ぶり。 現職初当選時以来の選挙となります。 停滞した行政を一新させるべく行われる選挙に、元官僚、元副市長、元市議という遜色ない肩書きを持つ3候補が出てきましたが、元副市長が元市議を振り切っての勝利です。
50代後半の「元副市長」は当然、現職から後継指名された候補で市政の継続を訴え、現職とガッチリ握手している画像をSNSやYouTubeで使いまくり、現職の悲願であった「新病院の早期実現」を訴えて初当選。 後継候補が勝つという、結果だけを見れば順当なものとなりましたが、自民党系は元市議を応援していたので不利な部分もあり、それが接戦という票差に表れたと思われます。
敗れた40代の元市議は新病院が出来ても医者の数が減るとして、公民館単位による「オンライン診療」の実現を訴え、現職やその後継(この選挙では元副市長)が使いがちな「国や県とのパイプ」というワードを多用し、かつて自民党国会議員の秘書をやっていた繋がりを後ろ盾に選挙運動を展開していましたが、過去の振舞いを批判する投稿が拡散され、それの影響が出た可能性は否定できません。
事実かどうかは分かりませんし拡散元の人が強烈な「Qアノン」だったので放っておいても良かったのかもしれませんが、元市議は否定に躍起になって「法的措置」なんて言葉で反応していました。 強く否定するべきか放置しとくのか、難しい判断ですよね・・・
◎愛知県議会議員補欠選挙 知立市選挙区(定数1/2人)
知立市長選に出馬するために辞職(→落選)して空いた議席を埋める選挙で、辞職した当の元県議と元市議が争い、元県議が当選し議席を取り戻しました。
元県議が出馬した知立市長選というのは、
元県議を河村たかし氏が自身を応援していたコトに危機を感じた政党側(及び大村知事)が、与野党4党に連合とトヨタ労組まで支援するという役満級の支援を得た元市議が元県議との接戦を制して当選したのですが、元市議側は市長選出馬を表明していた別の元市議に出馬をとりやめてもらって候補を一本化したコトが与野党相乗り候補の当選に繋がったようで、そして今回の県議補選で元県議の相手となったのが、市長選出馬を取りやめた「元市議」という闇深さ・・・
元市議には先月当選した知立新市長が応援しており、先月の市長選で新市長選を応援した役満級の組織が元市議を支援しており大接戦となった結果、僅か459票差で元県議が議席を取り戻したのでした。
それにしても、元職が自身の議席を「補選で」取り戻しに来た時は強い、という定説が有り、それはこのような不利な状況でも揺るがなかったというのが明らかになった選挙となりました。
◎大阪府・四條畷市長選挙
2期務めた現職、未だ36歳という若さですが任期いっぱいでの退任を表明。 実質的な後継候補を、
人材サービス会社の求人サイトで全国から募集するという、驚くべき手法をとり、途中で候補者の変更とか有りながらも、審査の結果「第3位」だった元市職員に決定し、元市議との一騎打ちとなった選挙は、元市職員が初当選しました。
現職の後継となる元市職員の下には、現職との繋がりが有る他自治体の若手首長が多数応援に駆けつけていました。
という、若手が選挙に出た際に集まる “イツメン” 大集合だったのに対し、元市議は市議5期の実績が有りますが維新系でもなければ他党の応援もない、完全無所属で選挙運動しているようで元市職員との “差” は否めず、差がつくだろうなと思っていたのですが終わってみれば1,098票差と、市議は大健闘といっていいでしょう。 昨年の市議選で2位当選した人気と実績は伊達ではありませんでした。
ちなみに誤解なきように書き加えておきますが、私は現四條畷市長などの若手首長に否定的なワケでは有りません。 若い方々にはドンドン頑張ってもらいたいと思いますし、そういった方々が横に繋がるコトで国政にアクセスするような流れが今後できても構わないと思って、は、いるのですが、その中心人物の多くが先述した「コレ」に入っているというのが、どーにも気になるのですよ・・・
◎大阪府・四條畷市議会議員補欠選挙(定数1/2人)
市長選に出るために辞職した議席を埋める選挙で、大阪維新公認の男性と会社経営の女性が一騎打ちで争い、維新候補が大接戦の末、初当選を果たしました。
大阪維新にとって四條畷市は “鬼門” と言える場所で、2017年に維新所属の現職が当時28歳の新人に敗れ、4年後の市長選には前職の息子を維新公認で立てるも返り討ちに遭うという悲惨な因縁が残る地です。
今回サスガに市長選は諦め、市議の1人増に狙いを定め、40歳男性という “如何にも維新” な候補を立てたのですが、相手候補が観賞魚関係の会社を経営する30歳女性が大東市長の逢坂伸子氏から応援されている点を強くアピールし、選挙公報もしっかり仕上げ、コチラも票を獲りそうな候補が出てきたのでさぁ大変。 同日投票の市長選では現職とその後継候補が30代なので、市議補選でも若い方に票が集まる流れが出来ている中で維新は組織力で対抗。 結果、僅か35票差で維新候補が競り勝った形です。
維新は吉村府知事が代表に就任してから初の選挙で、なんとか初陣を飾ったのですが、すんなり行くかどうかは不透明な部分も有ります。 それは、
タブレット端末を用いた電子投票が導入されています。 過去に他地域で何度か実施されている方式ですが危機トラブル等により使われなくなり、今回8年ぶりの実施となるようです。 この選挙では今のところトラブルなしとなっていますが、この先なにが起きるかは、分かりません。
ちなみにこの電子投票で、票が一瞬で数えられて直ぐに結果が出るのかと思ったら、
各端末に接続した記憶媒体を開票所に集め、それを開票所で読み取るというものでした。 過去の電子投票ではネット回線に接続したことによるトラブルが発生したためこのような形になったようです。
費用や投票所職員の増加は慣れてくれば減らせるでしょうし、投票の簡素化(イチイチ候補の名前を手書きする必要は有るのか?)は必要だと私は思っていますが・・・ コレって、デジタルなん???
◎広島県・広島市議会議員補欠選挙 安芸区選挙区(定数1/5人)
2019年参院選時に起きた河井克行氏による大規模買収事件で最高裁まで争っていた市議の有罪が確定し失職したコトに伴い行われる選挙で、元職1人、新人4人が立候補し、党派別では共産から1人出ている、女性候補2人の選挙は、無所属新人の女性候補が初当選を果たしました。
当選した50代の女性候補は元大学准教授で、他の市議からの応援を受け市民派として選挙運動を展開し当選。 地道な運動が評価されたものと思われます。
広島市長が70代の社会福祉法人理事長を応援している状況からして、党派色の強い組織はそちらについたようですが、いくら後ろ盾が強かろうが70代候補が簡単に勝てるほど甘いモンじゃないですわな。
ちなみにこの地区、過去7年間に今回を含め3度の市議補選が行われており、その全てが「政治とカネ」絡み。 なので組織色が強い候補が勝てなければ、かつて「政務活動費を騙し取った」として辞職(本人は否定するも、市政の混乱を避けるための辞職、らしい)した人も当選するワケもないのですが、「金権政治の一掃」を強く訴えていた共産候補が活動が全く見えなかった無所属男性候補より票が獲れず最下位に沈むというのは、いくら党公認候補には不利に働く補選とはいえ、党の現状が必要以上に表れた厳しい結果といえるでしょう。
そして最も注目だった投票率は「20.25%」。 とんでもなく低く見えるでしょうが、
広島県は先の衆院選で全国最低の投票率でしたし、2018年の補選は投票率が「17.04%」だったので、思ったより高かったなぁというのが私の感想です。 まぁ、選挙見過ぎた私の感覚がイカれているのでしょうが・・・
◎大分県・臼杵市長選挙
4期務めた現職が出馬せず、次の市長をめぐって元厚労省職員と元市職員の一騎打ちで争い、元厚労省職員が初当選を果たしました。
50代前半の元厚労省職員は愛媛県四国中央市出身。 一方、60代後半の元市職員は地元出身と、「若いけどよその人」vs「年寄りだけど地元の人」という選挙でしたが、若い方を選んだという結果となりました。 とはいえ敗れた元市職員も44%の得票を獲っているため票が割れており、市政運営のバランスが求められそうです。
臼杵市の人口は約3万。 市としては小さいですが、町や村よりは大きい。 このような自治体の運営が実は最も難しいような気がします。 町村なら「郡」という単位で連携も出来ますが「市」は逆に近隣の町村を牽引する役割を求められる。 それでいて自身の運営もままならない。 そんな自治体の長に就くのは大変だと思いますが、頑張っていただきたいと願います。
以上です
当選された皆様の御活躍をお祈り申し上げます
「今週の選挙」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど