【#120】長野県・宮田村議会議員選挙(2024 3.24)
富士山って、静岡県と山梨県の両県にまたがっているため、両県民は「富士山は私たちのモノ」と思っている、なんて話をよく聞くじゃないですか。 富士山に限らず、象徴的なモノが複数の県や自治体にまたがっている場合、その両方がそれを活かした観光等の開発をした結果、似たような施設が両方に出来て魅力が半減するなんてコトは、ちょいちょい聞いたりするものです。
・・・って、なんか明後日の話をしているように思われるかもしれませんが、今回取材した宮田村もそんな事情を抱えている自治体なのでした。 それは象徴的な「山」だったり、過去の「因縁」だったりで。
と、いうワケで、新人が多数出馬し、かつてないほどの大混戦となった議員選挙を、レポートします。
◆宮田村(みやだむら)・概要
面積:54.50㎢(長野県 第65位 / 77市町村)
人口:8,764人(第39位)※2024年3月1日現在
人口密度:160.80人/㎢(第28位)※2024年3月1日現在
平均年齢:48.08歳(若い順 第8位)※2020年10月現在
村長:小田切康彦(3期)
電子部品メーカー取締役などを経て2012年に副村長に選出。 翌13年の村長選に出馬して新人同士の争いを制し初当選。 以降、2選3選は無投票当選
衆議院は長野5区に属し、宮下一郎(自民 6期)氏を選出
◆立候補者(定数12/17名)
現職10名、新人7名が立候補し、政党別では公明と共産が1名ずつ立てた、女性候補が2名出ている選挙です。 5名が落選する大激戦の選挙となっています、が・・・
◆前回(2020年)の選挙
前回は無投票で前々回(2016年)は “定数プラス1” の落選が1人だけの選挙。 その前の2回も無投票と定数プラス1でした。 前述の通り村長選も2期連続無投票と、選挙の盛り上がりに欠ける自治体だったハズが、何故突然新人が7名も立候補し落選が5名も出るという構図になったのか。 それが知れればと思い取材に入りました。
それでは、お会いできた候補者を中心に選挙を御紹介。
無料部分では “若手の大物” について触れます。
◆“次のステップ” に向けて最後の足場固め?
天野 早人(あまの はやと)候補は宮田村出身。 日本福祉大学卒、愛知淑徳大学大学院と明治大学大学院を修了し、2008年に29歳の若さで村議初当選。 以降4期務め、2019年には40歳にして議長に就任します。 今回「明日の宮田をつくる みなさまと共に歩む」と掲げ5期目を目指します。
天野候補の事務所は商店街に並ぶ、御家族が経営している衣料&雑貨販売店を使っていました。
今回は金曜日に取材に入ったのですが、小さな自治体の選挙の場合、平日は街中に人が少ないので街頭演説をするコトは稀。 日中選挙カーで村内を走り回り週末に街頭演説をしたりしなかったりというケースが殆どでありまして、例に漏れず宮田村もそれに当てはまり、そうなると候補者と直接会えるチャンスは昼食で事務所に戻って来るお昼時しかない。 選挙カーに揺らされ声を枯らしながらマイクで支持を訴えてまわった午前中が終わり、貴重な休憩時間を過ごしている時に伺うのは恐縮なのですが、取材のためには致し方なし。 昼食中だった天野候補へ取材に行ったのでした。
45歳で5期目を目指すという “若手の大物”。 ここで当選すれば「次」のステップが見えてきそうですが、本人は「今できることをやるだけ」と至って謙虚。
では質問を変えて、議長まで務めて村のコトなら何でも知っているであろう天野候補に聞いたのは、
北に伊那市、南に駒ヶ根市という二つの市に挟まれながら合併せず独立独歩の姿勢を取り続ける、宮田村の「強さ」を伺ったトコロ、宮田村は戦後「宮田町」となった後、駒ヶ根市に含まれる形で合併したものの、合併時に決めた約束と違う状態になったコトに激怒し、激しい住民運動の末に再独立したという歴史が有って「独立心」が強い地域であるという点。 そして地図の通り面積の大部分が山林で、逆に居住地が小さな区域にギュッと集まり「伊那谷」と呼ばれるほどに坂が多い地域にしては比較的平坦であるという点が評価されているのであろう、と答えていただきました。 そのおかげか、
「田舎暮らしの本 住みたい田舎ベストランキング2024」(宝島社)の「子育て部門」で第1位を獲得したそうです。
・・・とはいえ、このテのランキングってナンボでも有るのでね。 参考程度に。
選挙公報はコチラ。 今回も安定の4位当選で5期目に突入となります。 現村長は3期目で78歳。 年齢的に今期を以て勇退となる可能性は充分に有り、そうなると来年、動くかもしれませんね。
では、残りの候補については有料部分で。
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