【ポリタスTV】総裁選で高市候補を推した「ネット世論」の内実は?
ジャーナリストの津田大介氏のYouTube配信「ポリタスTV」に文筆家の古谷経衝氏がゲスト出演した回です(10/4の19時までは無料で観られます)。 自民党総裁選前にニュースで高市早苗氏が1回目の投票で2位に躍進すると言われ実際、議員票で2位になったものの党員票では2位に差をつけられた3位に甘んじ結果も3位に終わった原因について分析しています。
この記事に書かれている内容と同じコトを話しているのですが、高市氏の掲げる政策に歓喜したネトウヨの皆様が一斉に称賛し、同時に河野太郎氏を「反日」だと虚実入り混じったネタでバッシングし、そのあまりの過熱っぷりに党員が “ドン引き” したのが原因だ、とのコトです。
私は3位になった原因がそれだけだとは思わないし(投票前のニュースの「2位に躍進する」という見立てが間違いだったと思う)、そもそも高市氏は2位になるコトにこだわっていなかったように見えますが、このような古谷氏が見立てたストーリーは、この総裁選が初めてではありません。
2018年の沖縄知事選でも在沖縄のネット右翼活動家達が佐喜真候補を応援し、それに感化されたSNSのネトウヨ様が『中国による沖縄侵略が!!』などというデマに飛びついて狂喜乱舞した様子が逆に佐喜真候補のマイナスイメージに繋がったのではないか? という見立てです。 今回の総裁選も沖縄知事選と同じ現象が起きたのでは? と。
現実として高市氏の党員票はご覧の様に伸びませんでした。 安倍ちゃんのお膝元である山口県でも党員票1位が取れなかったのです。 これは古谷氏の見立てに加えて、市民に対する安倍氏の影響力や支持が落ちてきているのではないか? と私は思っています。
こちらの記事に載っているアンケートによると、安倍氏→菅氏と続いたいわゆる「安倍路線」を継承すべきだという声が自民支持層で44%、無党派層で19%なのに対し、継承すべきでないという声が自民支持層で43%、無党派層で64%となっています。 調査元が朝日新聞社なので一定のバイアスは考慮すべきだとしても自民支持層で拮抗、無党派層では圧倒的に否定派が多いという結果が出ているのです。 自民党はこの声を考慮せずに総選挙に突入するつもりなのでしょうか・・・?
2012年の総裁選で党員票が多かった石破氏ではなく議員票で勝った安倍氏を選んだコトが長期政権となった第二次安倍政権の始まりだったように、必ずしも市民の声が全てではないとは思いますが、岸田氏に安倍氏のような “カリスマ性” が全く無い中では2012年の再現とはならないでしょう。 ならば市民の声を少しは聞き入れるべきではないでしょうか。 中選挙区時代の自民党には多様なキャラクターな総裁を代わる代わる提示するコトで一党長期政権を維持してきましたが、小泉政権と第二次安倍政権の成功体験から抜け出せないままでいるせいで考えが固着してしまっているように私には見えます。 果たしてそれで良いのでしょうか。
まぁ、今の自民は結構な痛い目に遭わないと分からんと思うので、私は別にイイけどね。
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