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今週の選挙(2024 12.22投票)


 さぁ、今年最後の選挙です。「選挙」という点だけでもイロイロ有りすぎた2024年ですが、過ぎてしまえばあっという間ですね。

 投票日の22日は「反社会的カルト政党」の「尊師」が任意の事情聴取を受けるそうで、帰って来れるか(行きっぱなしになるか)がその日最大の注目点ですが、この日おこなわれる選挙も、なかなか “濃い” ものが揃っていますよ。 今年一年を想いながら見ていただけると。

 そして、あの「選挙出まくりマン」も一年の締めくくりとして出馬してきやがりました。 まずはそこから見ていきましょうか。




▼今週の彦治

◎長崎県・雲仙市長選挙

 4期目を目指す現職、これまで全て無投票当選という経歴から「選挙出まくりマン」こと小西彦治氏(首長選20戦目)に狙われてしまいました。 この選挙については、

コチラの記事にまとめていますので是非読んで下さい。


◆【取材済】長野県・小布施町長選挙

 一期務めた現職が退任を表明。 新町長をめぐり元市議と元市職員が一騎打ちで争います。

 栗菓子や北斎館で有名な観光地として知られている小布施町ですが、行政は結構停滞しており町長選が行われるのは実に20年ぶりとなります。 閉鎖的で閉塞感漂う町の行政を一新できるかの重要な選挙。 告示日に取材したので後日レポートを出す予定です。

 では、残りの選挙を御紹介します。


◎山形県・寒河江市長選挙

 4期務めた現職が出馬せず、新市長の座を元農林水産省職員、元副市長、元市議会議長で争う選挙です。

 こちらも市長選が16年ぶり。 現職初当選時以来の選挙となります。 停滞した行政を一新させるべく行われる選挙に、元官僚、元副市長、元市議という遜色ない肩書きを持つ3候補が出てきました。

 50代後半の「元副市長」は当然、現職から後継指名された候補で市政の継続を訴え、現職とガッチリ握手している画像をSNSやYouTubeで使いまくり、現職の悲願であった「新病院の早期実現」を訴えています。

 対して40代の元市議は新病院が出来ても医者の数が減るとして、公民館単位による「オンライン診療」の実現を訴えますが、現職やその後継(この選挙では元副市長)が使いがちな「国や県とのパイプ」というワードをこの候補が多用しているのが面白いところで、元自民党参院議員の秘書をやっていたという流れからのものだと思われます。
 そんな元市議ですが、過去の振舞いを批判する投稿が拡散されており本人は否定に躍起になっています。 もしそれが本当なら市長候補云々の前に人としてダメなのですが、投稿元を見ると「Qアノン」っぽい人のようなので信憑性を疑わざるを得ず、この記事で内容を紹介するコトは避けておきます。

 そして60代の元官僚。 現状では他2候補に後れをとっているように見えますが、市の№2と市議という行政のド真ん中にいた2候補に比べて現市政との繋がりが薄いため、より市を刷新したいと望む人の票をどれだけ集められるかがカギになろうかと。 さぁ、市民は誰を次のトップに選ぶのでしょうか。



◎愛知県議会議員補欠選挙 知立市選挙区(定数1/2人)

 この選挙は、闇深いです。

 先月、知立市で市長選が行われました。

 与野党4党に連合とトヨタ労組まで支援するという役満級の支援を得た元市議が元県議との競り合いを制したのですが、元県議によると河村たかし氏が自身を応援していたコトに危機を感じた政党側が、市長選出馬を表明していた別の元市議に出馬をとりやめてもらって候補を一本化したコトが与野党相乗り候補の当選に繋がったとのコト。
 そして今回の県議補選、市長選に出るために辞職し落選した元県議が自身の議席を取り返すために出馬しましたが、一騎打ちの相手が、市長選出馬を取りやめた「元市議」という・・・

 市長選出馬を取りやめて県議補選に出る、というのは、元県議の主張を読むまでもなく、どー考えても「バーター」ですよね。
 元市議には先月当選した知立新市長が応援しており、というコトは先月の市長選で新市長選を応援した役満級の組織が元市議を支援しているというコト・・・

 元職が自身の議席を「補選で」取り戻しに来た時は強い、という定説が有りますが、それがこの選挙でも発揮されるかは難しい状況といえます。 果たしてどうなるのか、注目の選挙です。


◎大阪府・四條畷市長選挙

 この選挙は告示前からイロイロと話題だった選挙です。 ことの発端は、

 2期務めた現職、未だ36歳という若さですが任期いっぱいでの退任を表明。 実質的な後継候補を、

人材サービス会社の求人サイトで全国から募集するという、驚くべき手法をとったコトでした。 それにより候補予定者が決まったのですが、

その人に心臓疾患が見つかり辞退となってしまい現職は大慌て。 他に見つからない場合は自身が退任を取りやめ出馬する可能性もあったようですが、

新たに公募の中から四條畷市職員を選出し、選挙戦が始まりました。

 現職の後継となる元市職員の下には、現職との繋がりが有る他自治体の若手首長が多数応援に駆けつけています。

・五十嵐立靖 茨城県つくば市長
・桑原悠 新潟県津南町長
・毛塚幹人 前つくば市副市長(宇都宮市長選で落選)
・高島崚輔 兵庫県芦屋市長
・藤代健吾 千葉県印西市長
・山添藤真 京都府与謝野町長
・森田浩司 奈良県三宅町長

 という、若手が選挙に出た際に集まる “イツメン” 大集合といった感じです。 なお、この界隈の中心人物であるハズの岐阜県美濃加茂市長は特に支持を表明していませんが、恐らく当落判明後になんらかのコメントをSNSに書くと思われます(大阪府泉佐野市長選で「龍馬プロジェクト」から繋がりのある現職が当選した際もそうでした)。

 対する元市議は市議5期の実績が有りますが維新系でもなければ他党の応援もない、完全無所属で選挙運動しているようで元市職員との “差” は否めません。 残念ですが大勢は決まっている気がします。

 ちなみに誤解なきように書き加えておきますが、私は現四條畷市長などの若手首長に否定的なワケでは有りません。 若い方々にはドンドン頑張ってもらいたいと思いますし、そういった方々が横に繋がるコトで国政にアクセスするような流れが今後できても構わないと思って、は、いるのですが、その中心人物の多くが先述した「コレ」に入っているというのが、どーにも気になるのですよ・・・


◎大阪府・四條畷市議会議員補欠選挙(定数1/2人)

 市長選に出るために辞職した議席を埋める選挙で、大阪維新公認の男性と会社経営の女性が一騎打ちで争います。

 大阪維新にとって四條畷市は “鬼門” と言える場所で、2017年に維新所属の現職が当時28歳の新人に敗れ、4年後の市長選には前職の息子を維新公認で立てるも返り討ちに遭うという悲惨な因縁が残る地です。 今回サスガに市長選は諦め、市議の1人増を狙ってきました。
 40歳男性という、如何にも維新な候補を立てたのですが、相手候補が観賞魚関係の会社を経営する30歳女性で、今回もまた簡単には行かなそうです。

 女性候補は大東市長の逢坂伸子氏から応援されている点を強くアピールし、選挙公報もしっかり作られているので強い志で立候補しているコトが分かります。 同日投票の市長選では現職とその後継候補が30代なので、若い方に票が集まる流れが出来ているのならば、当選しても何ら不思議でもありません。

 とはいえ、そういう無所属候補に天下の「維新」の看板を背負った候補が敗れるなんてコトが有れば、結構な「一大事」ですよ、コレは・・・

 ところで、この市長選と市議補選ですが、

 タブレット端末を用いた電子投票が導入されています。 過去に他地域で何度か実施されている方式ですが危機トラブル等により使われなくなり、今回8年ぶりの実施となるようです。
 もしこれが上手く行ったら、全ての選挙が “ゼロ打ち” で決まるようになるのでしょうか。 その点を含め、この選挙の結果には注目しています。


◎広島県・広島市議会議員補欠選挙 安芸区選挙区(定数1/5人)

 2019年参院選時に起きた河井克行氏による大規模買収事件で最高裁まで争っていた市議の有罪が確定し失職したコトに伴い行われる選挙で、元職1人、新人4人が立候補し、党派別では共産から1人出ている、女性候補2人の選挙です。

 広島市長は70代の社会福祉法人理事長を応援しているようなのでコチラが有利に見えますが、組織を持っている候補が強いとは限らず、投票率は低いのに荒れるのが広島の地方選。 何が起こるかは分かりません。

 対抗馬となるであろう50代女性候補は他の市議からの応援を受け、市民派として選挙運動を展開。 地道な運動が評価されれば当選も充分可能だと見えます。

 ちなみにこの地区、過去7年間に3度の市議補選が行われており、その全てが「政治とカネ」絡み。 共産候補は当然ながら「金権政治の一掃」を強く訴えているのですが、過去3度のうちのひとつが2018年に「政務活動費を騙し取った」として辞職(本人は否定するも、市政の混乱を避けるため、らしい)し、今回6年ぶりの市議復帰を目指す元職です。
 辞職後に行われた補選には結婚相手が立候補し執念を見せますが共産候補に敗れ、今回本人が久しぶりに立候補したものの、議員時代に側近として仕えた現市長からは支持が得られなかった模様。 仕方がないけど、お気の毒です。

 

◎大分県・臼杵市長選挙

 4期務めた現職が出馬せず、次の市長をめぐって元厚労省職員と元市職員の一騎打ちで争います。

 50代前半の元厚労省職員は入省後、理事や福祉事務所長として臼杵市に関わり、以降は社会保障関係や子ども家庭庁の参事を歴任した人。
 一方、60代後半の元市職員は総務部長やふるさと建設部長を務め定年退職し、以降も臼杵市に関わる活動をしている人です。

 経歴や活動に両者の差はないように見えるので「若いけどよその人(愛媛県出身)」か「年寄りだけど地元の人」という選択になりそうに見えますが、気になるのは元官僚の候補が「自動運転の導入」、元市職員の候補が「ライドシェア」を主張しているようでして。
 どちらも一長一短ありますが、自動運転の導入はシステムの抜本的な変更が必要なハズで市長選の公約としては壮大すぎるように感じますし、ライドシェアはタクシー業の圧迫などが発生する恐れが有ります。
 個人的に、現実的なのはライドシェアのような気もしますが、まずはそれを導入しなければならないほど市内の交通インフラが厳しいのか、市営の循環バスや乗り合いタクシーなど、より現実的な手を検討するのが先ではないかと思います。 どうか国の思惑に翻弄される自治体とならないように気を付けていただきたいものです。



以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます


「今週の選挙」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど


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金城ガンヂ
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