【レポート #20】長野県・飯田市議会議員選挙レポート(2021 4.25)
私が初めて選挙ウォッチをしたのが、昨年10月の飯田市長選でした。 あれから半年、キャリアを重ねて凱旋したつもりでしたが何とも掴みどころのない取材になってしまったと悔いていたのですが、なんと市議選の情報を提供していただける方が現れてくれて、その方におんぶにだっこの内容となりました。 己の未熟さを痛感すると同時に協力者が現れたというのはこれまでの活動の結果の表れだと嬉しくも思っています。
今回のレポートは市議選の話は勿論ですが、そこから論点が広がりに広がった結果、選挙規模に比べてボリューム満点の内容と自負しております。 選挙結果自体に興味の無い方も是非目次を見ていただいて御購読を検討いただきたく存じます。 力作です。
◆概要
(飯田駅)
・面積:658.66㎢(長野県 第4位)県内の市で最も南に有り、 下伊那郡松川町、高森町、阿智村、下條村、泰阜村、天龍村、喬木村、豊丘村、大鹿村、木曽郡南木曽町、大桑村、上伊那郡飯島町、静岡県静岡市、浜松市、榛原郡川根本町、と数多くの市町村と接する
・人口:98,917人(長野県 第4位)※2021年3月末現在
※その他の情報については飯田市長選レポートの「飯田市の現状」をご覧ください。
◆立候補者(定数23/26名)
◆POINT① 佐藤市政後、初の市議選
昨年10月の市長選で4期16年務めた牧野市長が敗れ、佐藤新市長が誕生してから初めて行われる市議選です。 特に佐藤市長が市議選に介入して候補者を送り込んだような様子は無いため大きな影響はないものと思われますが、長野県で唯一のリニア新幹線駅が出来るコトになっている飯田市において佐藤市長は前市長に比べて積極的ではなく、市西側のトンネル工事も進まず新駅予定地も全く土地整備が進んでいません。
(昨年10月に撮った新駅予定地、今現在もこのままです)
住宅地の買収は少しずつ進んでいて前市長時代に「説明不足」と批判された説明会も佐藤市長は顔を出しているようですが、それでも市全体としてリニア誘致で盛り上がっている様子はなく、何ならリニアで飯田が活気づくとイメージしている市民も少なそうなので、その結果今回の選挙でも各候補者は「リニア」の文字をポスターや広報に入れてはいるものの(「リニア予算を新型コロナに組み替えを」と訴える共産党候補を除いて)大きな争点とはなっていません。
◆POINT② 圧倒的に少ない女性議員
飯田市議会は23名のうち女性議員が僅か2名しかおらず、しかも今回その2名が引退するコトとなりました。 とりあえず後継指名を受けた女性新人候補2名が出馬したため0になるコトは無さそうですが他自治体に比べても男性優位が際立つ議会のようで、これも前市長が16年も務めて市政が硬直化した弊害とも考えられます。 今回前述の2名を含めて11名の新人が立候補しているため彼らが硬直化した議会の空気を変えてくれるかという期待がかかっています。
今回取材出来た候補は3人でした(門前払いしやがった候補も1人いましたがムカつくのでそいつは除きます)が、注目候補だと目をつけていた候補者にお会いできたので、ご紹介いたします。
◆「新型コロナの専門家」が立候補するも落選
野崎 直仁(のざき なおひと)候補は岐阜県出身のバイオ系研究者です。 名古屋大学大学院を出て博士として三菱化成生命科学研究所や神奈川歯科大助手、東京工業大学准教授を経てバイオベンチャー株式会社「モノクローナル抗体研究所」を立ち上げ代表取締役に就任。 2017年に飯田市に会社ごと移住し研究を進めるとともに耕作放棄地の解消と里山の再生にチカラを入れています。
「モノクローナル抗体」というのは調べてみますと、
と、ワクチンと同様の効果が期待でき、身体的状況からワクチンを接種できない患者にも投与できる可能性があるとして注目されているようです。そういったものを研究・開発している「新型コロナの専門家」がもし市議会に入れば飯田市独自の新型コロナ対策が進んでいたかもしれません。 そういった点で野崎氏の落選は残念に映るかと思われます。
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