【選挙出まくり男】小西彦治とは何者か?(3)【公費負担編】
1月21日投開票の長野県・須坂市長選挙。
6期目を目指す現職と新人の一騎打ちなのですが、その「新人候補」というのが、小西彦治氏。 「元兵庫県議」という肩書きで須坂市とはこれといった縁が有りませんが、首長選はいわゆる「居住要件」がいらないため、こういった方が突然立候補するコトも可能なのです。
昨年夏から全国各地の首長選に出まくっている小西氏。 彼をよく知らない須坂市民に向けて “昨年から小西氏を監視し続けてきた” 私が解説させていただくシリーズの三本目。
今回は小西氏が首長選に出まくる理由だと疑われている「選挙運動の公費負担」について検証していきます。
※ただし小西氏自身は、この疑惑に対し、
「そういう “誹謗中傷” を言われるのは議員活動をしていくうえで仕方が無い」とコメントしている点を御理解の上、下記の内容を「可能性が有る」と捉えていただきたく存じます。
◆「選挙運動の公費負担」とは
「選挙公営制度」と呼ばれ、「お金のかからない選挙のため、また、候補者間の選挙運動の機会均等を図るため」(総務省HPより引用)に設けられています。
小西が出馬を繰り返している市町長選(赤枠)では「△」の項目(青枠)が公費負担の対象となります。 そのうち「ポスター掲示場の設置」と「選挙公報の発行」は各自治体が公営で実施しているため、候補者選挙運動で支出が出るのは、
の3つになります。 それを考慮して小西氏の選挙運動を見ると、
というのが毎回のスタイルなため、得票率が10%を超えた際、確実に費用を請求できるものは「③ポスターの作成 」にかかったものだと思われます。
なお、ビラについては、1/18㈭に現地メディアの方に電話取材したところ「市内にビラが配られた様子は無い」とのコトでした。
◆小西氏が過去の選挙で請求した(かもしれない)ポスター代金
ポスター代金の上限額は各自治体によって異なりますが、計算式はほぼ全て同じで、
このような形で計算され、上限額が設定されます。 では、小西氏が須坂市長選を含む、これまでの首長選で最大いくらのポスター代を請求できたのか、見ていきます。
①三重県・松阪市長選(2023 9.3)
松阪市の条例(PDF)に当てはめると、
となります。 掲示場の数が多いため、上限も最高額になっています。
②岡山県・総社市長選(2023 10.1)
総社市の条例に当てはめると、
となります。 ご覧のように「追加額」は各自治体によって結構な差が有るのです。
③京都府・精華町長選(2023 10.15)
精華町の条例に当てはめると、
となります。 掲示場の数は、やはり自治体の規模によって差が有ります。
④長崎県・時津町長選(2023 10.29)
「とぎつ議会だより161号(4ページ目)※PDF」によると、
となります。 ポスター単価が高いのは「追加額」の分を単価に加えたからだと思われます。 また、この選挙は得票率4.29%のため、支払われていません。
⑤福島県・大熊町長選(2023 11.12)
大熊町の条例によると、
となります。 掲示場が少ないのは大熊町が原発事故の影響で帰宅困難区域が有り、町民が県内外に避難されているためです。 選管によると町民へは公報を郵送するコトで選挙を知らせている、とのコトでした。
⑥三重県・いなべ市長選(2023 11.26)
いなべ市の条例(PDF)によると、
となります。 コチラも得票率10%を超えています。
⑦福島県・矢吹町長選(2023 12.24)
矢吹町の選挙管理委員会に問い合わせたところ、
となります。 コチラはポスター掲示数を多めに設定する形を取っているようです。
⑧長野県・須坂市長選(2024 1.21)
須坂市の条例によると、
となります。 供託金100万円の市長選ですが、そこまで上限は高くないようです。
以上となり、得票率が10%を下回った④時津町長選を除く7件の額を足すと、
が小西氏に入った可能性が有る、というコトになるのです。 首長選に出始めた昨年9月からの5か月で割ると、1か月あたり、435,429.6円。 もし出馬の目的がコレだとするならば、ボロ儲けと言って良いでしょう。
◆「印刷責任者」との関係
選挙ポスターには必ず「印刷責任者」の名前(会社名)と住所を記載するコトになっています。 小西氏のポスター(次回に掲載します)を見ると小西氏自身が印刷責任者ではない。 つまり小西氏自らポスターを作っているワケではなく外部に依頼しているので、それならば小西氏がトクをするコトは無いだろう。 というロジックが普通なのですが、ココにもひとつの疑惑が有りまして、、、
精華町長選を取材した別の選挙ウォッチャー様の取材で、小西氏のポスターの「掲示責任者」として記されている会社の住所へ実際に行ったトコロ、そこには印刷会社もデザイン会社も無く、接骨院が有るダケだったとのコト(詳しくは上記リンクからレポートをご覧ください)。 その会社は小西氏が伊丹市議時代の政務活動費報告書にも登場しており、「ホームページ作成」「市政報告の原稿作成、印刷、ポスティング」「ビラの作成、デザイン」を依頼していたようでして、
この件も小西氏に質問したところ「整骨院経営兼デザイナーで市議時代から広報関係を依頼している、信頼をおく方だ」と答えてくれましたが、その “デザイナー” とされる「H氏」は、過去に「みんなの党」公認で尼崎市議選に、「N国」公認で兵庫県議選「伊丹市選挙区」などに出た経験が有る人と同姓同名同漢字です。 これは偶然でしょうか。
きっとたまたま同じなんだろうと思いますが、「N国」といえば党公認候補者のポスター作成を全て「ひとつの会社」に依頼していて、今回の件と同様の疑いがあるコトで知られています。 きっとこれも、偶然なんですよね。
ね?
と、今回の内容は以上、のつもりだったのですが、ある地方誌から驚きの情報が出て来たので、そちらも合わせてお届けします。
◆「月刊 政経東北」が調べた大熊町長選の請求額
福島県に本社が有る㈱東方出版が作成・販売している「月刊 政経東北」最新号の宣伝に「今度は矢吹町長選に立候補した小西彦治氏」という見出しが有ったので慌てて取り寄せ記事を確認したトコロ、驚きの内容が書かれていました。 それは、同じ福島県の大熊町長選で、
なんと、ポスターやビラ(多分配っていない)の他に、選挙カーの費用も請求していたコトが分かったのです。
先述の通り、大熊町は帰宅困難区域の影響で町民が県内外に避難し、役場機能を持つ連絡所が会津若松市といわき市と郡山市に置かれています。 コレは私の推測ですが、ここまで選挙カー費用を膨らませたが膨らんだのは、その辺りまで選挙カーを走らせた体にしたものだと考えられます。
この例は特殊かもしれませんが、もしかしたら小西氏は、請求できるものは請求しまくって、あとは選挙管理委員会の判断に委ねるというスタイルを取っているのかもしれません。 そうだとすると選管の判断ひとつでポスター代以上の公費負担を受け取っている可能性が有ります。
実際、電話取材した現地メディアによると「小西氏は火曜日まで滞在していたようだが、告示日の日曜と火曜日でクルマが違っていた(日曜日は「上越」ナンバー、火曜日は「和泉」ナンバー)」という話を聞いていますので、そのどちらか(もしくは両方)が「選挙カーです!」と主張したとしたら・・・
また、ビラについても告示日の会見で「作ってきた」と語っており、それも(配ってないにもかかわらず)請求してくる可能性が有ります。 今回の「公費負担」の件について私が提起しようとしたのは当初、ポスター代金についてのみ書く予定でしたが、新たな情報を得て、背筋が寒くなる思いです。 コレは昨年夏から小西氏を監視し続けてきた私にも想像できないコトが起きているのかもしれません・・・
次回は最終回。 ポスターのデザインに隠された秘密と、公報に書かれている内容を見極め、最後に私の想いを描く予定です。 是非明日の記事もご覧いただきたく存じます。
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