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【#73】新潟県・妙高市長選挙レポート(2022 10.30)
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長野県から新潟に抜けるルートは主に3つあって、西の小谷村から糸魚川市に出るルートと、東の栄村から津南町に出るルート。 そして、真ん中の信濃町から妙高市に出るルートです。 なので長野県民は上越市の海に行く時などには必ず通るのですが、妙高市自体に用があるというコトは、あまりない。 私も(道の駅を除いて)市内にクルマを停めて歩くのは初めてでした。
とはいえ目的は観光ではなく、取材。 お隣りさんだとはいえ県境を跨げば政治模様は一変するもので。 そりゃまぁキナ臭い話が出てくる出てくる・・・
「新図書館建設」が争点になった選挙戦を、レポートします。
みなさまは、“中心市街地活性化” に必要なものは何だと思いますか?
◆概要
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2005年に新井市が妙高村、妙高高原町を編入し誕生
面積:445.63㎢(新潟県 第12/30位)
人口:30,333人(新潟県 第18位)※2022年10月31日現在
人口密度:68.0人/㎢(新潟県 第21位)※2022年10月31日現在
平均年齢:50.9歳(新潟県で20番目に若い自治体)※2018年9月1日現在
衆議院は新潟6区に属し、
◆立候補者
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◆前回(2018年)の選挙結果
[当]入村 明 (71) 無所属 現 9,451票
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[落]渡辺 道宏 (53) 無所属 新 7,814票
前回は現職の入村市長が新人を破り5選を果たしました。 落選した渡辺氏は翌年の市議選に立候補し当選。 会派「妙高はね馬クラブ」を当時市議だった宮沢候補と結成。 そして今回の市長選は、現職が引退するところから話が始まります。
◆POINT
①初代市長が、遂に引退
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たいへん個性的なマスク着用方法を披露しているこの方こそ、2005年の妙高市誕生以来市長を務めてきた、入村明氏です。 2002年に合併前の新井市長選で初当選し、一期目途中の2005年に二村を編入して誕生した妙高市の初代市長にそのまま就任し、以降当選を重ね5期20年市長で居続けました。
合併実現のほか、財政健全化や妙高戸隠連山国立公園を誕生させるなどを成し遂げ、まさに妙高市の “顔” だった入村市長が遂に引退するとあって今回の選挙は注目度が高く、そして誰よりも気合いが入っていたのは他ならぬ入村市長だったようで、後継候補となった城戸候補の名刺(観光商工課長名義のもの)を市職員に配り投票依頼をし、当然ながらその行為は市選管に注意され、元県議からは告発され、晩節を思いっきり汚して引退しました。
と、いうワケで、両者新人ながら構図は前回の選挙とほぼ同じだと言えます。 ただ違うのがひとつ。 この選挙は市の施設建設を巡る対立が大きな争点となっていました。
②新図書館建設の是非を問う
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こちらは市で計画が進む新図書館建設予定図です。 斜め向かい(画像右下、赤丸部)に市役所がある行政の中心部に、駐車場と潰れたパチンコ屋が残っている場所があり、そこに新図書館を建設しようというものです。
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地図画像の青三角(画像右上)の場所に立って市役所(赤丸)方面を見た現在の建設予定地。 奥に見える赤い三角屋根(公衆トイレ)の更に奥に見えるのが、潰れたパチンコ屋さん。
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この場所に図書館を建てる計画のようです。 現在の図書館が1983年開館の古い施設な上に手狭になっているので新図書館を建設するという計画は、それだけ聞くと「結構なコトだ」と思うのですが、市が発表した図書館新設の目的が、何だかおかしくて、
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図書館にカフェや子供のプレイルーム、多目的ルームなどを設置するコトで、このイメージ図のように「中心市街地の活力向上に寄与する」と市は基本設計説明書(PDF)に書いていますが、、、
一見もっともらしく見えてツッコミどころ満載で、そもそもからして「中心市街地の活力向上」と「図書館」のミスマッチングっぷりがおかしいワケで、大体、上のイメージ図のように賑わっちゃったら落ち着いて読書も出来ないと思うのですよ。
その違和感を抱きながら、新図書館建設にあたってもうひとつの候補地であった、現図書館が建つエリアに行ってみたのです。
現図書館の景色を見ていただければ、上記の場所に新図書館を作るというコトが如何に無理筋だと御理解いただけるかと思います。 城戸候補の街宣で繰り広げられた「パイプアピール」全開っぷりと、宮沢候補について、たったひとつだけ気になったコトを見ていただきたく存じます。
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