中小企業の特許戦略 ~新規事業の強力なミカタ!~
新規事業で、色々なアイデアを検討する中で、
これって、もしかして特許になる??
と思うことがある
ただ、思っているだけでは、特許にならない
特許の形にして、ビジネス活用するまでの、戦略的プロセスが必要です
中小企業が特許出願するって、簡単ではないですが、不可能でもない
今日は、そんな特許戦略について、少し考えてみます
こう見えて(どう見えてるんだ??)、
私、知財部門に5年間いたことがあるので、
ちょっと語っちゃいますよ~ ^^)
特許の目的 (活用シーン)
そもそも、特許って、何のためにあるんでしょうか?
カッコいいから、というのも出願理由だったりしますが、
ビジネス面での活用シーンを考えておくことが大切です
私が、よくお伝えする活用シーンはこんな感じ(実際は、もっとあります)
他社の模倣、パクり防止(競争優位性の持続的確保)
交渉材料(大手と対等に契約交渉できる、ライセンス、M&Aなどの価値向上)
ブランディング、イメージ作戦(凄いと思わせる!)
このうち、どこが一番重要かは、各社の状況によって様々
何のためにやるのか?
自社の特許戦略を考えるのが、スタートポイントです
特許になるもの、ならないもの
特許にはルールがあり、国ごとに法律などで規定されています
日本では、特許庁の解説ページが、よくまとまっている
文章量多めですが、これでも、以前と比べたら
ずいぶん、わかりやすくなってますw
このくらい見ておけば、バッチリですw
ザっと眺めるくらいで、いいですよ
その上で、経営者や新商品・新サービスの担当者として、
考えるべきポイントは、以下の2つ
他社にパクられたら絶対イヤなところ
色々考えたアイデアの中で、
ここは絶対パクられたくない!
というポイントを明確にします
他社が競合製品・サービスを出してくるとしたら、
ここをマネしてくるかな? という感じで、考えてみましょう
パクられるのは、特長的な部分で、価値が高い、ということ
せっかく、自分で考えたアイデアですから、
タダでパクられたくないですよね
ふつうは、そこまで考えない!? こだわりポイント
従来の商品・サービスでは、何かが足りない、
だから、新商品・新サービスを開発するわけです
で、あれば、
ここは、頑張ったなぁ、 こだわったなぁ
ふつうは、こんなところまで考えないよなぁ
という、こだわりポイントを明確にする
もちろん、自己満足だけではダメで、
そのこだわりによって、従来出来なかったことが出来る、という
ベネフィットを論理的に説明する(へりくつでもOKなのが、特許の特長w)
専門的には、産業上の利用可能性(利用価値)と言ったりします
弁理士に相談する前に
特許出願するときは、手続き自体は自力でも出来ますが(かなり面倒)
多くの場合、拒絶理由通知書というレターが特許庁から届きます
要するに、「あなたの出願は特許になりません」というお手紙
でも、これは儀式なので、ちゃんと反論すればOK
この特許庁とのやりとり、反論文書の作成が難しいので、
通常は弁理士さんにお願い(相談)することになります
弁理士さんは特許など知財関連の専門家で、
弁護士と同様、国家資格保有者です
公知例調査(ザックリ)
自分のアイデアを整理した上で、弁理士さんに説明するわけですが、
これが、なかなか、難しい
使う言葉も違うので、話が通じない…
そこで、オススメなのは、既存の類似特許を下調べしておくこと
公知例調査と言ったりします
出願した特許の内容は、出願日から1.5年経つと、全て公開されます
過去、何万件もの他社特許の内容をタダで見れるわけです
特許庁の検索システム(J-PlatPat)
特許公報を検索してみましょう(特許庁の解説)
検索システムも、検索方法の解説も、全部無料です!
最初はキーワード検索
次に、競合他社の社名で検索
そもそも、何件くらい該当特許があるのか、ないのか
出てきた広報の中から、新たなキーワードを見つけたりします
なんとなく、Web検索と同じ要領です
傾向分析(どんなキーワードで何件くらいあるか?)
競合他社調査(競合は出願しているのか?)
権利化ポイントの候補をリストアップする(自社の権利化したい範囲を絞り込む)
実際の他社が出願している特許公報を見て、雰囲気を掴む
最終的な資料のイメージを持つことが重要ですね
(アイデアが明確であれば、形にするのは弁理士さんがやってくれます)
このくらい下準備をしておけば、
弁理士さんとの会話もスムーズに進むと思います
もしかして、特許になる? という視点
新商品・新サービスを市場投入する前に、
もしかして、特許になるかも?
と思ったら、ちょっと手を動かしてみるのがいいですね
そのうち、AIくんが手伝ってくれるかもしれませんが、
まだ、そういう無料のサービスはないみたい
実は、特許とAIはかなり相性がいいので
いずれ、サポートツールが出てきます
そうすると、競争が激化するので、特許戦略も激変しちゃいます!
従来型の特許戦略が通用するのは、
あと何年くらいかなぁ
と思ったりします
新規事業と併せて、
特許戦略もサポートしてます~!
この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
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