35年前、当時高校生だった自分は母子家庭の長女で、2歳下の弟と11歳下の妹との4人暮らし。
貧乏ながらも楽しく暮らしていました。

しかしある日突然、母の再婚話…


相手の方は母と再婚するにあたり、自分と弟は籍に入れないと言ってるとの事でした。
その発言に、当時の自分はかなりショックで泣いた記憶があります。
自分達家族が引き裂かれてしまうような気がしたのでしょうね。

5年後、自分は父の籍に入る事なく結婚。
その翌年、母達は再婚しました。


その後、弟と妹は父の養子とせず"連れ子"として藉に入り、弟のみ相続権を放棄する法的手続きを取りました。


"血"はとても重要なのです。
大丈夫、理解してます。

いいのですよ。
母を嫁に出したのですから。

幼い妹の居場所を作ってくれて嬉しかったです。

あれから35年。
家族として楽しく過ごさせていただきました。
お父さんありがとう。


最近、父が癌であることが発覚しました。
母と父方の実子で話し合い、緩和ケアを選択したそうです。

そして『相続』という作業が必然的に発生。
今日、その話し合いに参加するも自分と弟には関係のない話…

いいのですよ。
母を嫁に出したのですから。

父は経済的にドン底だった母子に"普通の生活"をプレゼントしてくれました。
今は認知症が進んで、ただの可愛いおじいちゃんです。

だから…いいのです。
色々事情があるのは当たり前ですから。
母が幸せに暮らしてる。
それだけで充分なのです。

高校生の時から分かっちゃいるのです。
でも今、実際の相続書類に自分と弟の名前が無いのを確認した時は…正直ちょっとキツかったです…


相続したかった、お金が欲しかったという意味ではありません。
35年間本当の親子のように接してくれた父なので、この現実に少しだけ寂しさを感じてしまった…ただそれだけです。



お母さん、幸せで良かったね。
お父さん、1日でも長生きしてね。


でもなんとなくね、高校生だった自分と今日の自分を重ねてしまう…そんな夜です。







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