妄想彼女:「ジュン」というバイク乗りの理想の彼女
【はじめに】
ジュン(仮名)は俺の理想の彼女の一人だ。
忘れていた何かを思い出させてくれた大切な彼女だ。
現実に理想を盛り込んでここ記します。
・・・
【その名は「ジュン」】
俺は入社10年目。気付けば中堅社員としてグループリーダーを任されるまでになっていた。
今年の新入社員も研修が終わり、配属の時期である。
自分が新人だったころを思い出す。
「あーあー。バイクに乗りたーい。」
また口に出してしまった。これで5年目かな?
全然ツーリングに行ってないな~。エンジンかけるだけじゃな~。
同期のバイク仲間は結婚して流行りのSUVでキャンプ三昧だ。
これでは相手にしてもらえない。
入社した頃は毎週ツーリングに行っていたのにな。。。
そして新人社員配属の日を迎えた。
「〇〇ジュンです。よろしくお願いします。」
これが始まりとは。。。まだ何も気付けぬ俺であった。。。
・・・
【バイク女子なのか?】
ジュンはリケジョである。配属先は俺の隣の設計チームだ。
俺の設計チームが忙しくなり、上司に応援を依頼したところジュンが指名された。
隣のチームからすれば、いい実践教育である。
ジュンは作業が正確でしかも覚えるのもの早い。
このままメンバーとして受け入れたくなる人材だ。
休憩時間にジュンが話しかけてきた。
「◇◇リーダーは休みの日は何をしていますか?」
「あー。最近は買い物とか多いかな?」
「最近は乗っていないようですね?SRに。」
「そうなのだよー。ぶっ!?どうして俺のSRのことを?」
「□□リーダーに聞きましたよ!」
「あいつめ。。。あー。同期でよく遊んだ仲で。。。」
「あいつとはよくツーリングに行ってたよ。と伺いました。」
「まあ、そうだね。。。○○さんもバイクに乗るのかな?」
「乗るには乗りますけどねー。」
・・・
【タンデム女子?】
俺のバイクはSR(08年式)だ。
サンバースト塗装がメチャクチャ気に入っている。
なんでも、ジュンはバイクの免許は持っていないらしい。
ジュンはSRにタンデムして買い物に行きたいと言い出してきた。
タンデム女子ということか?。ドキドキするな~。
どうして「お出かけ」になったのか?話の流れなので知る由もない。。。
・・・
【バイクのいいところを思いだした】
ちょっと試運転をするかな。
キャリ キャリ ギャシャ! ズボーン ドドォッ ドドォッ
そーだよ。この疾風感と緊張感。
しばらく忘れていた感覚に浸る。
これなら来週はジュンと買い物に行けそうだな。
確かにバイクなら駐車場が満車とかを考えなくていいよなー。
そして当日。
タンデムって不自然なアクセル操作になっちゃうだろうな。。。
それと女子をタンデムなんて。。。
ちょっと違うこと考えちゃうな~。ないないないー。
「おはようございますー。SRちゃんいいですね~。」
「バイクジャケットが似合いますね~。本当に乗ってないの?」
「無免許で捕まっちゃいますよー。じゃ乗りまーす。」
「あーっと。グラブバー(つかまり部)がありますよ。」
「これでいいですよ!」
「ああー。はい。。。」
・・・
【惚れてまうー!】
ジュンは体を俺の背中に密着させて腕を腰に巻いてきた。
プロテクターがあっても何か感じるぞっ!ヤバイ!
何者なんだ?ジュンて。。。
確信犯だよ。これ。(それに。。。見た目以上に大きいのでは?)
「では、海沿いを走ってあの最近できたショッピングモールまでお願いします!」
「じゃ。じゃあ行きますね。」
ドッドッ ドリューン、ドリューン
このキャプトンマフラーはいい音するな~。
「シングルはいいですね!。バイクって感じで好きです。」
「〇〇さんはバイクが好きですね。」
「はい。SRは初めてです。いいですよね~。」
あ~また。。。絶対にわざとだよな~。俺、やられちゃうよ~。
・・・
【そういうところ】
「買い物ができてよかったね。」
「お陰様で目当ての物を手に入れることができました!」
「それにしても混んでいるなー。」
「まだ、オープンセール中ですからね。車じゃいつ駐車場に入れるかわかりませんね。」
「バイクなら楽々だよ。晴れていればだけどね。」
「そうーですねー。バイクは乗るだけでも手間がかかる分、いい思いができますよね。」
「へー。いい事言いますね~。俺は今でもそこが好きですよ。」
「私も好きです。。。そういうところ。。。」
「じゃ。そろそろ帰りましょうか。」
「はい!」
なんだか。。。
帰り道の方が強烈に密着感があるような?
・・・
【ジュンへの気持ち】
ジュンは俺の同期の配属先リーダーにバイクとバイク好きな人がいないか話をしていたようだ。
当然、同期の奴は目の前にいる俺のこともジュンに聞かせるわけだ。
ジュンとは近場だがタンデムツーリングに行く機会が多くなってきた。
俺もSRに乗る理由ができたことと、バイクの良さを理解してくれるジュンと一緒に居てとても楽しい。
ジュンは手間がかかるのにあえてバイクに乗る人が好きだと言っていた。
今まで好きになった人は結果的にバイクを手放してしまい、付き合いが続かなかったそうだ。
俺はどうかな?あのSRを手放す気はない。
ずっと乗り続ける自身はある。
ジュンと一緒に居られるのもバイクのお陰だ。
こんなに充実した気持ちは今までになかったなー。
今後もないかもなー。
きっと。
・・・
【その後・・・】
俺はジュンに付き合ってほしいと素直に伝えた。
ジュンもバイクに乗り続けてほしいと一言添えて受け入れてくれた。
同じ職場で後輩とういうのは少々恥ずかしが、理想の彼女ができてうれしい。
同期のリーダーの配慮により、職場公認となったのでまずは良しとしよう。
今思えば、あの密着度は作戦だよな~。きっと。
男としては理想すぎる。。。
これかもジュンとバイクを大事にしていくぞー!
おわり