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a(誘拐)

【18禁】【暴力行為あり】

趣味の妄想を小説にしたものです。

不快と思われる方は読まれないようお願いいたします。

また、このコンテンツは、犯罪行為を助長・推奨するものではありません。



職場を出ると、大通りにも関わらず車はほとんど通っておらず、東京都は思えない静けさだった。
時刻はすでに2時。

夕方から深夜1時までの勤務のはずだが、なんやかんやこのくらいの時間になってしまう。


一人暮らしをしている自宅までは徒歩で10分ほど。
仕事で熱った体をひんやりした空気が冷ましてくれるのが気持ちよかった。


大通りを抜け、自宅に続く脇道に入る。
人通りは変わらずないが、さらに該当も少なくなり、なんとなく心細くなる。

帰ったら早くお風呂に入って寝よう。
明日は友人の結婚祝いの品を探しに出かける予定がある。

何にしようかと考えを巡らせていると、前から車が走ってくるのが見えた。

畑に挟まれた狭い道。
十分な間隔を空けるために端による。

向こうもこちらに気づいたのだろう。
安全にすれ違うために速度を落とす。

そんなにゆっくりにしなくてもぶつからないよ、と思いながら運転席を通り過ぎる。

通り過ぎると、ドアが開いた。

え?
と思わず振り返ると、男が立っていた。
それを認識したと同時に首を掴まれ車体に押し付けられる。

グッとくぐもった音が出るだけで声は出なかった。

首を絞められているのだ、と理解した。
直感的に首に伸びている男の腕を掴むが、その手が離れる様子はなかった。

音がこもり、視界が狭まってくる。
手に力が入らなくなってくると、男は手を離し、私は膝から地面に倒れ込んだ。

逃げなくては。

ぼんやりした頭でそう思う。
そう思っても体が思うように動かない。
自宅の方向へ手を伸ばすのが精一杯だった。

そんな私を男が抱え上げる。
半分引きづられながら車の後ろに回る。

トランクが開かれる。

そこに入れられたら。
私は本当に終わりだ。
少しクリアになった脳は、警告音でいっぱいになった。

トランクに押し込まれそうになるのを、角に手をかけ必死で抵抗する。
足をばたつかせ、おそらく、何回かは男に当たったと思うが、男はなにも感じていないようだった。

「いやっ、だれか助け…」

声をあげる。
が、すぐに大きな手で口を塞がれる。
その手を払い除けようとすると腹を殴られた。

「いっ…」

痛い。痛くて声も出ない。
反射的にお腹を抱えて丸まる。

そのタイミングで足もトランクに押し込まれる。

「やだ、たすけ…」

逃げなくては。
その思いだけで足を伸ばすと、今度は太ももを殴られる。

咄嗟に手で庇うと、今度は腕を。
また足を。
次は腹を…

どこが痛いのかもうわからなかった。
ただそれをやめてほしい。
それだけだった。

「う…ごめんなさい…もう殴らないで…」
抵抗をやめると男も殴るのを止める。
私にできるのはできるだけ身を小さく固めることだけだった。


「抵抗するからいけないんでしょ」

初めて男が口を開く。
無機質な冷たい声だった。


「ほら、口開けて」
どこから取り出したのか男が布を手にしている。

抵抗する気力はすでに残っていなかった。
言われた通りに口を開く。

男はあごを掴み、無理やり布を押し込んでくる。
乾燥した布を詰め込まれると、その上からガムテープを貼られる。
口からは完全に息ができず、その圧迫感で息苦しさを感じた。

「次、後ろ向いて、手、後ろに回して」

男が淡々とした様子で指示してくる。
狭いトランクの中で男に背を向けるが、手を差し出すことに抵抗を覚えた。

これで拘束されたら、いよいよ自分はどうなってしまうのかー。

そう考えた瞬間、上腕に強い衝撃がくる。

「んんーっ」

指先まで響く痛み。
口を塞がれているせいで、悲鳴はただのくぐもった音でしかなかった。

「早くして。また殴られたいの」

涙を拭こうとして、自分が泣いていることに気がつく。
首をふり、手を後ろに回すが、殴られた方の腕を動かすと鈍い痛みで、動きがぎこちない。

そんなことは気にも止めず、男は両手を拘束する。

チチチチっと音がして細い何かで締め上げられる。
手首に食い込み、動かさなくても痛みを感じた。

「はい、次は足ね」

トランクに横になるように促され、両足をそろえて差し出すと、男は太もも・膝・足首をそれぞれ結束バンドで拘束した。

手も、足も、もう自由ではなかった。
蠢く程度にしか動かせない。

すぐそこにいつも歩いている道があるのに、あと数10mで自宅なのにー。

「じゃあ、最後これね。到着まで1時間くらいかなぁ。まぁゆっくりしててね」

そういって黒い布で目隠しをされる。
わずかに光が入ってくるだけで景色は何も見えなくなった。

トランクの奥に押し込まれると、バタンっとドアが閉められる。
わずかだった光が、ほとんどなくなった。

車が揺れ、男が運転席に戻った気配がした後車は走り出し、自宅から遠ざかっていくのを感じた。

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