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Temtemはポケモンの何なんだ



はじめに

こんにちは。もうし(@mousi_poke)です。

私はポケモンが大好きで、ゲーム、カード両面で人生における可処分時間の大半を費やしてきました。
ゲームについてはオフ大会、カードではCLなどの大型大会に参加するなど、ガチ勢とは言い切れないながらも対戦志向でプレーしてきた自負があります。

しかし今回はタイトルにある通り、Temtemというゲームについて記事を書かせていただきます。
ある程度ポケモンに時間を費やしてきた人の視点でTemtemについて語りたいと考えています。

Temtemの正式リリースは9/6、私は9/9から始めて、10/14日現在約380時間プレイしています。
ほぼ1日10時間ペースでプレイしており、非常にヤバいです(主に私生活)。なお、厳選などに時間がかかるということではなく、レート対戦に延々潜っています。

私がTemtemを知ることになったきっかけである、Shibamata氏のインタビュー記事を最初に掲載させていただきます。内容が被っている部分もあると思いますが、ご了承ください。


Temtemって何なんだ?

Temtemはスペインのゲーム会社Cremaがリリースした、いわゆるインディーゲーです。

プレイするためにはオンライン接続が求められます。いわゆるMMORPGとして紹介されることが多いですが、見た目以外の課金要素やガチャ要素はありません。また、Pay-To-Winの要素も排除されています。

クリアに何百時間とかかるエンドコンテンツもなく、いわゆる普通のゲームとそこまで変わったところはありません。

オンラインゲームらしく、Steam、PS5、Xbox、Nintendo Switchでの完全なクロスプレイに対応しています。また、他人とリアルタイムで協力プレイを行うこともでき、クリアに詰まったから助けてもらう、というようなことも可能です。

他人と同じワールドを冒険するため、育て屋で他者の預けたテムが見えたり、レベル上げに適した草むらにプレイヤーが群がっていたりします。

育て屋を闊歩する他人のテムたち
大人気のレベル上げスポット


ゲームシステムはポケモンにかなり似ていますが、独自のタイプ相性表が存在します。
最初に貰えるテムも、ポケモンとは違い「クリスタル」「近接」「メンタル」の三すくみタイプが用意されています。

Temtem独自のタイプ相性表。
https://www.temtem-france.com/guide/page/1-la-table-des-types


バトルはすべてダブルバトルで進行します。イメージとしては、ゲームキューブでかつて発売されていたポケモンコロシアムです。

野生テムとの戦闘もダブルバトル

難易度も非常に高く、レベルを上げてゴリ押すということができません。
イメージとしては、常にバトルタワーレベルの戦術が要求されるという感じです。
終盤は敵チームもレベル上限である100LVのテムを頻繁に繰り出してくるため、常に緊張感を持って楽しむことができます。

超・対戦志向

Temtemは運営側が非常に競技志向で調整を行っており、ランクマッチが一大コンテンツとなっています。

現在存在するテムの最終進化系すべてが対戦を意識して調整されており、一部進化前テムもガチ環境に食い込んでいます。

大枠はポケモンのダブルバトルと考えてもらえればOKですが、いくつか異なる要素があるので紹介します。

徹底した運要素の排除

テムテムにおいて、対戦に運要素はほぼ存在しません。ダメージに乱数は絡まず、急所にあたることはなく、技の追加効果は100%発動します。
努力値に相当するTvの調整が非常にシビアで、面白い点でもあります。

ピック&バン

テムテムの対戦用パーティは8体のメンバーで構成されます。ポケモンで言う「見せ合い」は存在せず、お互い交互に選出を行います。選出の途中、相手のテムを選出禁止にする「バン」を行うため、選出段階での戦略性が高いです。
パーティ8体のうち5体選出で対戦に移ります。

お互いのパーティを見ながら、決められた順番でピック&バンを行う。
https://temtem.wiki.gg/wiki/Ranked_Matchmaking


ホールド技

テムの技には、場に出て一定ターン数が経過しないと撃つことのできない技が存在します。これをホールドと言います。

ホールドのターン経過は「そのターンの終了時」にカウントされるため、受け出しを行ったテムにも加算されます。逆に、そのターンに引っ込んだテムには加算されません。

ホールドのカウントは技を撃つとリセットされますが、交代によってはリセットされません。序盤の交代戦でホールドを稼ぎ、終盤に使うというようなプレイも可能です。

技の一部。枠の左端に着色されているラインの数がホールド数。


スタミナシステム

テムそれぞれにステータスとしてスタミナが設定されており、技それぞれに設定された値を消費していきます。努力値に相当するTVはスタミナにも割り振ることができます。
スタミナは毎ターン少しずつ回復します。

主観ですが、だいたい3回技を撃つとスタミナ切れを起こすため、1体で全抜きや、ずっと場に居座って技を撃ち続けるというようなことはできません。

ポケモンで言う「わるあがき」はなく、何もしないがスタミナが多く回復する「やすむ」コマンドが存在します。

なお、テムの残存スタミナを上回るスタミナ消費の技を撃つこともできますが、差分でHPにダメージを受けるほか、次のターンに技を撃てないデメリットが発生します。

テムのステータス画面。個体値に相当するSV、努力値に相当するTVは常に確認できる。


プライオリティ

ポケモンの技にはプライオリティ(優先度)が設定され、すばやさのステータスに関わらず先制攻撃を行うことができます。

テムテムでは技それぞれに優先度が存在しており、素早さのステータスに補正がかかります。

基本のプライオリティは2で、プライオリティ1の技は素早さの0.5倍、プライオリティ3は1.5倍、4は1.75倍、5は相手の交代前に割り込んで技を撃つことができます。

個人的に面白いと思うのは、プライオリティ5の技「鳥かご」です。相手の交代前に発動でき、交代を無効化できる「くろいまなざし」といったところでしょうか。1ターンの攻撃権と引き換えに対面を固定することができます。

技の詳細。それぞれ小ネタも書かれている。


シナジー

技の発動者の隣のテムが特定タイプであった場合に効果が強くなる「シナジー」が存在します。ポケモンで言う「誓い」「クロスサンダー/フレイム」に近いイメージです。
現在、テムテムには場に作用する「天候」のような大技が少ないため、多くのコンボはシナジーによってもたらされます。

また、攻撃技でないシナジーも多く、パーティコンセプトになりうるシナジーだけでなく、小技的なシナジーも存在します。

シナジーが存在する技。隣に中立タイプがいると、技が全体化するようだ。


積み技の永続

テムテムにおいて、ステータスの変化は交代によって消失しません。なので、積み技やデバフ技が非常に重要になってきます。
しかし、上記のスタミナ、ホールドなどのバランス調整により、攻撃技主体で戦うパーティも普通に強いです。

積み技が永続でもスタミナシステムによって行動回数が制限されるため、どのテムにバフをかけていくのかきちんと計画的に動く必要があります。

防御系のステータスアップを積んで相手を詰ませる戦術も存在します。このゲームにおいて急所の概念は存在しないので、耐久力アップの積み技は相対的に価値が高いと言えます。

対戦システム概観

前項ではテムテムに特有な要素を紹介しましたが、今項では対戦全体を説明します。260戦ほど行ったうえでの主観なので、参考程度に読んでいただけるとありがたいです。

まず、ダイマックスやZ技など、ゲームの根幹を変えるシステムが存在しません。いわゆるバトレボ時代のようなダメージレースが主体です。

また、まもる、見切り、身代わりに相当する技は一部のテムしか持っておらず、基本的には数値で受けてダメージを与えあうゲームになっています。

ダメージの感覚としてはポケモンよりも高耐久寄りで、等倍で押していく場合、1回の攻撃で相手の体力の25%程度のダメージが入ります。集中攻撃を2ターン続けて行って1体落とせる程度のスピード感です。

前述のとおり全体に作用する大技が無いので、細かい交代やホールド稼ぎが必要で、一気に押し切る爽快さがない分パーティ単位での有利不利が付きにくいです。ピック&バンのシステムも相まって、パーティ構築の戦略よりもゲーム中の現場判断が相対的に重要です。

しかし、コンセプトパーティもいくつか存在し、ユニークなギミックを持つパーティも考案され続けています。


Temtemはポケモンの何なんだ

ここからは私の主観でTemtemとは何か、どういうゲームなのかを語らせていただきたいと思います。

私がTemtemをプレイしていて感じたのは、スペインに本社を構える製作陣はポケモン、ひいては日本が大好きなんだなということです。

ゲーム中でポケモンに対するネガティブなオマージュが登場することはありませんし、ゲーム中には日本を舞台にした街(というか大陸まるまる一つ)が登場します。

中でも私が驚いたのは、日本に対する解像度の高さです。日本を舞台にした島「シパンク」は稲作が盛んで、桜が咲き、神社があり、温泉があり、デジタルタイプを持つテムテムを研究する最先端の地として描かれています。むしろ日本を美化しすぎなんじゃないかとも思いますが、日本人の思い描く所謂「海外から見た日本」像とはかけ離れていると思います。

シパンクの水田地帯。水場なのにデジタルタイプのテムテムがたくさん出現する。

巷ではTemtemはポケモンのパクリだという風説も流れていますし、この記事を読んでいただいている方の中にも、そういった疑いを持っている方も少なからずいるのではないかと思います。

突然ですが、皆さんは「ローグライク」というゲームジャンルをご存じでしょうか。日本では、「トルネコの大冒険」「風来のシレン」「ポケモン不思議のダンジョン」等が有名です。

これはゲームの一大ジャンルでありながら、「Rogue」という一本のゲームが始まりとされています。私はRogueをプレイしたことはありませんが、きっとRogueが面白く、素晴らしいシステムを持っていたからこそ後追いとなるゲームが作られ、尊敬を込めて「ローグライク」というジャンル名を冠するに至ったのだと思います。(違ったらごめんなさい…)

ポケモン、Temtemも同じような関係だと考えています。ポケモンは対戦RPGとして非常に優れたシステムを持っています。だからこそ、「ポケモンライク」な後追いゲームが出てきたとしても、それはパクリであると断ずることはあってはならないと思います。

少なくとも、私がプレイしたうえで、「ポケモンに取って代わってやろう」「我々はポケモンより優れたゲームを生み出せる」といったことを運営側が思っているとは感じませんでした。むしろ、ポケモンのシステムと対戦ゲームとしての側面をよく理解し、リスペクトを込めて製作されたゲームなのではないかと思います。

さいごに

ここまで記事を読んでいただいて、ありがとうございます。

Temtemは今後のアップデートで、ランクマッチに参加するためのパーティを作成しなくてもよくなるShowdown機能や、さらなるランクマッチシステムの強化が予定されています。

何よりリリースされてから日が浅いので、アーリーアダプターになって名を残したいハングリーなプレイヤーには最適なゲームだと思います。

現在、ゲームは完全に日本語でプレイできるものの、wiki等の情報源は海外のサイトに依存しています。

つまり、「当時は日本語の情報も少なくてェ…海外のwikiで情報漁ってたりしましたね(ニチャア」みたいな先駆者イキりもできる!!いずれ!!

おすすめです。皆さんプレイしましょう!!!

それでは。


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書いた人

もうし(@okzk_poke)(@Mousi_tem)

ポケモン大好き。最新作もDL版を買い、0:00ちょうどからスタートする。



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