まりさん

読み書き接客が仕事の9割。

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母の料理を思い出す、午後5時のスーパー

「あっ、ブリが安い」  スーパーで値段を見て、つい口に出してしまった。ハッとして、口元に手をあてる。ああ恥ずかしい。母にそっくりな言い方。母のことはきらいじゃないのに、どうしてか似てきた部分を恥じてしまう。理由は、たぶんない。  母はスーパーで献立のメインになる食材を見つけると、決まって「あっ」と立ち止まった。そして、それが特別安くなくても「安い」と言ってカゴに入れた。お決まりの動作。  私がいまスーパーで見つけたブリは、本当にいつもより安かった。分厚い切り身が3つで19

    • 11月14日(土):不意にしたんじゃない。延期にしたんだ。

      2020年11月14日(土)の、過去の日記です。 ーーー きのう、「明日はホットドックを食べて、猫を触って、気が済んだら寝よう」と心に決めて、ツイートまでした。ツイートをみた友人から連絡が来ていて、猫を触れる場所が彼女の家の近いらしく、時間が合えば会おうよ、みたいなやりとりをして寝た。 起きたら、きのう「起きよう」と思っていた時間から1時間も過ぎていた。ま、いいや。ぜんぜん予想していた。休みだし、これくらいの時間に起きるよね。陽の光が、めいっぱいに部屋に差し込んでいて気

      • エンドロールで流れないから

        例えば、と考える。 例えばあの夜、急に君の小指に触れられていたら、暗いワンルームに朝日がさしたりしただろうか。退廃的ドラマチックに、わたしと君は、ベランダでカップスープを飲んだだろうか。君の髪が光に透ける様に、たまらなくなって掻き抱いても、笑って許して、優しくしあえただろうか。 スクリーンの中で、彼女は「Maybe(あるいは、)」と口元に人差し指を寄せる。圧倒的な美しさ。挑発的な可憐さ。ブロンドの髪が、夜の闇を瞬くように光って揺れる。 ふと、キャミソールの袖からむき出し

        • 週末に本を手放せないひと

            自分から、本を読むということを取ってしまったら、この経験のない私は、泣きべそを書くだろう。それほど私は、本に書かれていることに頼っている。1つの本を読んでは、パッとその本に夢中になり、信頼し、同化し、共鳴し、それに生活をくっつけてみるのだ。 ー太宰治 『女学生』より 全然起きあがれなかった。目を覚まして、顔の横に置いてあるスマートフォンを見て、自己嫌悪に陥る。17時を過ぎていた。冗談みたいだ。布団がぬくい。指先と鼻先が冷たい。 ああ、なんでいつもこうなんだろう。毎

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        母の料理を思い出す、午後5時のスーパー

          11月7日(土):余韻と眠って、余韻と起きた。

          きのう、興味があって一度行ったがよく覚えていないことを再体験した。ストリップ鑑賞だ。友人に誘われて行ったとき、ただの知的好奇心だけで劇場におもむき、なんだか、夢見心地で出てきた記憶しか残らなかった。中で何が起こっていたのか、わたしはほとんど覚えていないんだった。 きのうは、前々から友だちと誘い合って劇場に。その前に明るい洋食屋で健全にハヤシライスを食べ、明るい時間に劇場に入った。背徳感があるな、と思ったのは、この時まで、ストリップについて、薄暗いステージで艶かしく女性が脱ぎ

          11月7日(土):余韻と眠って、余韻と起きた。

          10月31日(土):ビャンが書けない。

          ハロウィンだ!という実感もないままに、渋谷ロフト1階の特設エリアがクリスマス使用になり、地下1階にはポチ袋のスペースが出来上がっていた。ハロウィンは消えてなくなったのかもしれない。(渋谷では、大勢がただいつも通り行きかう様子を警察が高いところからいかにも物々しく見守っていたが) 本来土曜日はお休みなのだけど、ピンチヒッターで夜4時間だけ出勤だった。その前に、西武渋谷にて、偏愛食堂で、ビャンビャン麺を食べる。2週間ごとに料理が入れ替わるスタイルの期間限定店こと偏愛食堂。ビャン

          10月31日(土):ビャンが書けない。

          10月24日(土):数年後には文庫になるよ

          お酒を飲む量を意識的に減らそう、と先週の飲み会を経て思い立った。記憶がない部分があるのが怖すぎる。無くしたくない。あと単純に、いい歳だし。いい歳だし、と最近すごく思う。しっかりしなね、ほんとにね。 1日通して休み。 誰にも会う予定を入れてない。自由。タイムスケジュールを組んでいない。自由。今月の唯一のそういう休み。 晴れだったので、とりあえず部屋中をクリックルワイパー、掃除機、クイックルワイパーで綺麗にしまくる。洗濯機にも働いてもらって、ここまでやってもまだ午前中だった。

          10月24日(土):数年後には文庫になるよ

          10月17日(土):いつ眠ってもいいな。

          お昼前に起きて身支度をし、家を出た。きのうの夜から何も食べてないことに気がついたけど、いったん、まあいいやとなる空腹ぐあいだったので、そのまま電車に乗った。 8月末から、漢方薬局に通っていて、漢方薬を取りにいく日なのだ。保険適応外なので安くはないのだけど、飲み始めてから体の調子がいいので続いてる。薬局でいつも通り問診をして、「ようやく胃が調子よくなってきたね」と言われた。それまで胃の調子がよくなかったことにも驚きを隠せないが、お腹がすかなかったり、胃もたれを頻繁に起こしたり

          10月17日(土):いつ眠ってもいいな。

          10月10日(土):脳内で猫と犬を飼っている

          珍しく、土曜日出勤。 台風に伴う雨で、気圧もだだ下がりのため、天気痛がひどい。朝起きられず、ベッドで撃沈していた。それでもノロノロ這うように起き上がり、溜まった洗濯物を片付け、お弁当用にオムライスを作った。えらい。えらすぎたので出勤途中にコンビニで肉まんを買った。あったかい肉まんをポケットに突っ込んだらカイロみたいにポカポカして、駅まで幸せに過ごし、ホームでパクついた。1食め。 職場に着いたものの、人の代わりに出勤したみたいなところがあり、結局手が空いてしまう。アルバイトさ

          10月10日(土):脳内で猫と犬を飼っている

          10月3日(土):駄弁る幸福を噛みしめる

          珍しく休みの日なのに、朝に目が覚めて「朝だ!!」と思った。いつも起き上がるのがだいたい昼過ぎなので、喜びながらシーツを洗った。ら、空に雲が満ち満ちてきて、乾くか不安になる。そのままベランダの物干し竿へ。空気が乾燥してるし、まあいけるでしょうと、朝に目が覚めたこともあって随分強気だった。 適当に掃除機をかけて、朝飯を食べ、ぼんやり床に寝転がっていたら、いつの間にか寝ていた。これが二度寝か。起きたら昼の時間をすぎていて、スーパーへ。最近、ハナビラタケという白いびらびらしたきのこ

          10月3日(土):駄弁る幸福を噛みしめる

          君とは月を、見上げない

          ムー、ヴーいいながら、スマホが頭に落ちてきた。 腕で体を支えながら起きがり、いつのまにか引き寄せたブランケットを足で器用にさばきながら、明るく発光する白い壁に目がくらむ。いま何時。スマホの画面には、時間でなく、デカデカ名前が映し出されている。知りたいのは、きみの名前じゃないんだけど、と思いながら画面の上で指を滑らせ、スピーカーボタンをタップすると、「なん?寝とん?」と聞き慣れた、それでも懐かしい声がした。 否定も肯定もせずに、そのまま適当に近況を聞き、同窓会にくるのかこな

          君とは月を、見上げない

          9月26日(土):シェフよ・・・!

          本屋で一緒に働いていた女の子と、会う約束をしていたので、朝からおめかし。服を自分でちゃんと買って、選べるようになってから、おめかしが楽しい。どうせぐしゃぐしゃになるのに、ヘアオイルで髪を整えたりして。つまり浮かれていた。完全に、ワクワクさんだった。 霧雨の中で、傘をさすか迷っていたら、家を出てすぐに、大きな傘を壊した。ひらこうとしたら、壊れた。びっくりした。折り畳み傘をもって出た。 彼女より先にお店についたら結構並んでいて、どうやら待つのに発券番号が必要らしくて、必要な手

          9月26日(土):シェフよ・・・!

          9月18日(金):しっかりしなね。

          朝から病院にいった。社会人になって、健康診断以外で病院にいくことがなかったので、まず行くときの作法、みたいなものを全く知らないことに、起き抜けすぐに動揺した。子供の頃、熱を出した時も仮病の時も、家の近くのクリニックに行く前に、母が予約の電話をしていたことを思い出して、一番近い病院へ電話をした。「保険証とお財布があれば大丈夫ですよ」と言われたので、その言葉のまま、小さなバックにお財布とスマホと鍵を入れて病院に行き、ついたものの、まずなにをすべきかわからず、受付の前でオロオロして

          9月18日(金):しっかりしなね。

          5月25日(月)

          4月から出ていた非常事態宣言が解除されるらしい、とテレビが言うのをキッチンで聞いていた。14時からWEB会議があったので、それまでに昼食をすませておかないと。焦っていた。在宅ワークに切り替わってから、お昼ご飯の時間がだいたい14時前後に雪崩れているから。画面上で食べながら、会議に参加するというのは、いささかちょっと、見てくれが悪い気がする。“ランチミーティング”という字面はおしゃれなのに、WEBだとただの自宅飯じゃんね。冷やし中華の麺をざっと茹でて、きゅうりを山のように盛り、

          5月25日(月)

          どうせ10分で完食する朝食の手引き

          朝起きて、職場に行こうと思わなくなってから1ヶ月たった。正確には、いかなくてよくなったのだけど。新型ウィルスというやつの、感染予防対策という名目で、職場が休業し在宅勤務に切り替わったから。たぶん、多くの人とおんなじに。当初の休業予定期間から、さらに1ヶ月延長が決まったのが、先週。だから、今朝もわたしは職場に行こうと思わず、ベッドをすり抜けてキッチンに向かう。 「朝ごはんちゃんと食べる派?食べない派?」 「え?」 「おれ、食べない派なんだよね。コーヒーだけ飲むけど」 外出自

          どうせ10分で完食する朝食の手引き

          4月22日(水)

          1周間ぶりにnoteに日記をつらつらつらら。 在宅で仕事をし始めてから、買い物が増えた。給付金が10万円分でる、というのが現実的になり、ニュースで受け取り方が取り上げられていた。早くいただきたい。使いたいお店がたくさんある。適切な寄付もしたい。正直、もう個人の資産で応援するにも限界があるなと思っていたので、はよくれ、と言いたい。口が悪い。 朝から、チューリップの鉢植えが届いた。4つのポットに3つの球根。クラウドファウンディングのリターン。準備をなにもしていなかったので、不

          4月22日(水)