24/25 第20節 v Aston Villa (A) 分析記事
仕事の関係や引っ越し、家族や自分の体調不良などいろいろなことがあり更新が止まっていましたが、徐々に分析記事の要約を再開していきたいと思います。まずは最新の試合を優先で取り上げ、時間があるときに1つずつ試合を遡っていければと考えています。今後また更新が止まることもあるかもしれませんが、自分なりのペースで続けていきたいと思いますので、お付き合いいただけると幸いです。
5連敗と結果は出ていないものの、特にゴール期待値が示すようにチームとして改善も確かに見られている。サポーターの意見は分かれるが、怪我の状況も考えれば監督はよく闘えているとも言える。あとは補強含め右サイドの選手起用について問題が解決できるかが重要で、フロントのバックアップが強く求められるところ。
以下、下記分析記事の日本語での要約。
珍しい失策はあったがCooperとの比較においてvan Nistelrooyの優位は示されている
この負けで降格したシーズン初め以来の長い連敗となった。Cooperの下では3連敗以上はなく12試合で10点を稼いだため、7試合で4ポイントのvan Nistelrooyに疑問が投げかけられることは避けられない。勝ち点の稼ぎ方は遅いが、このオランダ人はより持続的な結果を求めて基礎を築いているところだと言う。負けてはいるがここ最近はこれまで平均13本だった自陣エリア内からの被シュートがかなり減っており、監督の主張を裏付けている。Baileyの決勝点はエリア内からの4本目のシュートであり、その後Leicesterが追いつこうと前掛かりになるまでスタッツがVilla有利となることはなかった。
また、ここ4試合で2得点と10失点をしているが、ゴール期待値ではそれぞれ3.2と5.7だった。van Nistelrooyの7試合のうちゴール期待値が相手より良いか悪くても0.5差以内だったのは4試合で結果が出たのは2試合。Cooper下では12試合のうちそのような試合は5試合だが結果が出たのは6試合あった。van Nistelrooyの構造的なアプローチよりもCooperのより無秩序なやり方のほうが勝ち点は稼いでいたが、それが持続的だとは思えない。負け試合が多いため最終的に良くなるという信頼が必要だが、選手と一定数のファンはそれを持っているように感じられる。しかし時間は待ってくれない。基礎だけでは十分ではなくその上に急いで家を建てる必要がある。シーズンがだいぶ進んだ中で基礎ですらまだ満足できるものではないのだから。
Justinだけが悪いわけではないが変化は必要
試合を決定づける失点に絡みJustinはまたしても槍玉に上がったが、監督は選手個人の名前を口にすることはなかった。彼は問題がどこにあったかは明白だと言うまでに留めている。Justinに非がないわけでは当然なく、CoadyやSoumareにパスを出せたのに自陣深くに向かってドリブルをした。しかし最終的なパスが悪かったこともなく、単純にAyewよりMaatsenのほうが反応が鋭かっただけだ。むしろその後無理にチャレンジをしてMaatsenにスペースを与えたことのほうが大きなミスと言える。
van Nistelrooyはこの件について「どのようにチームとして状況に対処し危機を脱するかが重要だ」と語った。ファンの多くはJustinはボールを蹴り出すべきだったと考えるだろうが、今のチームのやり方ではSBはプレッシャーの下でもWGにパスを出そうとする。リスクはあるが守備から攻撃に転じるには良い方法だ。自分で自分を窮地に追い込んだもののJustinは相手のプレッシャーを抜け出して顔を上げられていたし、必ずしも蹴り出さなければならない状況ではなかった。
しかしJustinが不調であるという事実は変わらず、他の誰よりも250分多くプレーしているのだから休息は必要だ。彼は自分自身でトンネルを抜けだすことを求められているが上手くは行っていない。Ricardoの怪我により選択肢は限られるため、選手を補強するかあるいはChoudhuryをFA杯で試しリーグでも右SBができるかを見極める必要がある。
高くついたvan Nistelrooyの珍しい失策
キックオフから75分プレーしているAyewに対し数秒前に入ったMaatsenがボールを奪ったため、フレッシュな選手がいればこの失点はどうにかできたかもしれない。Vestergaardの怪我を除きvan Nistelrooyが82分までベンチに向かわなかったのは驚きだった。彼が就任からの5試合で使わなかった交代枠は25のうちの1つだけで、15の交代は65分より前に行われた。Man City戦での交代は70分と85分だったが、この試合ではボールを保持してプレーができていた。Villa戦では保持率が40%だったにも拘らず、疲れた選手を使い続けた。Mavididiの同点弾以降チームは後ろに引きがちで、これに対処しないのは監督にとって珍しい失策だった。
Ayewは大きなチャンスをもたらすがチームはやはり苦しむ
アウェー2試合続けてのAyewの先発には疑問符が付いたが、彼はAnfieldで得点しこの試合では素晴らしいインターセプトと持ち運び、そしてクロスで同点弾を演出した。相手の決勝点に絡んだこと以外はAyewのプレーは良く、前半には2度似たようなクロスからチャンスをもたらした。それでも彼の起用には疑問があり、Man City戦ではBuonanotteがチームのプレーをスムーズにしEl Khannoussも活かしたが、Ayewがプレーすると多少ぎこちなさがある。彼の経験とリーダシップを監督は買っているが、攻撃への影響を上回るほどだろうか。Mavididiの同点弾のあとチームは1本もシュートを打っていない。
一方、Buonanotte自身もベンチからインパクトを残すことはできていない。これに対しAyewは投入されると経験を活かし違いを生み出してきた。van NistelrooyはBuonanotteをチームに欠かせない選手と語るが、これからのホーム3連戦でそれを選手選考で示す必要がある。
直近の結果がvan Nistelrooyが後押しを必要としていることを示す
van NistelrooyとCooperを比較する上でこれまで語られていない部分がある。まず、van Nistelrooy就任後の7試合のうち5試合が現在のトップハーフ相手だ。そしてスタメンに値するHermansen、Ricardo、Ndidi、Fatawuを怪我で欠いている。にも拘らず、チームが良くなってきていると言える根拠はある。今必要なのは上層部からの後押しだ。クラブが早期に監督交代を決断したことで移籍市場でスカッドを形作ることができる。2, 3人の補強があれば監督はより速く基礎を築けるはずだ。