24/25 第22節 v Fulham (H) 分析記事
いよいよ監督に向けられる疑問や批判が増してきた中で、本人はベストプレイヤーの交代について口を鎖すという悪手を取った。チームを取り巻く雰囲気は彼らの言う通り最悪で、ゴールを決める運も失点を防ぐ集中力も欠き続けた状態。補強の動きも鈍い中あるデータサイトでは残留の確率が9%などという話も出ており、負のスパイラルからは抜けられないのか…。
以下、下記分析記事の日本語での要約。
Leicesterは移籍を急がねばならず、van Nistelrooyは失策を悪化させた
監督の言う通りすべての決定について説明する義務はないが、El Khannoussを下げたことについて明確な説明をしなかったのは浅はかだった。試合の分かれ目とまでは言わないがこの決断によって試合は7連敗目へ向け加速し、監督・選手・フロントに対するファンの反応は毒々しいものとなった。ビハインドにも拘らずEl Khannoussが下がったあとの25分でシュートは1本だけしか打てず、追いつくことは想像もできなかった。考えられる理由は2つで、1つはベストでないにしてもEl Khannoussに匹敵するプレーメーカーは他におらず、攻撃の中心選手を失ったことだ。しかしより大きな理由はファンがこの決定にブーイングやチャントを浴びせ一切の期待感がスタジアムから消え去ったことだろう。
交代について曖昧な返答をした後、ことEl Khannoussの交代については「公に知らせることはない」とvan Nistelrooyは語った。これでは状況の解決のためにもそして本人のためにもならない。水曜にBuonanotteと交代した選手が惜しいチャンスを作ったときのようにファンの予想が外れることもあるが、今回El Khannoussに関してはファンの不安は的中した。そして結果がどうであれファンへの説明は重要である。スタジアムの後押しが数%でも残留の確率を上げるのなら、その価値はvan Nistelrooyもわかっているはずだ。ファンの信頼を急速に失っている彼にとって、El Khannoussを下げた理由を説明すること(理由があればだが)はファンとの関係を保つために必要なことだった。監督の考えを理解する人や、理解はしなくても正直に話したことを評価する人はいるはずなのだから。
基礎づくりが結実しない中ファンは監督を標的に
この日初めてファンが監督に明確に批判の目を向けた。これまでの標的は監督より上の方だったが、過去最悪の連敗数に並ぼうとしている今批判は熱を増している。Cooperのときより主に2つのボックスの間でパフォーマンスは向上しているというのが大方の見方だったが、いつまでも勝ち点に繋がらなければそれも続かない。van Nistelrooyの7連敗に対しCooperは12試合で6敗しかしていないが、前監督のもとではパフォーマンスが基準以下でもカオスから結果を掴んできた。しかしCooperはHermansenや判定の恩恵も受けていたことも忘れてはならない。
van Nistelrooyがこれまで将来的に結果を継続して得るために基礎づくりに重きを置いてきたことは理解できるが、勝ち点の必要性はさらに増してきている。そしてFulham戦では及第点だった前半の出来から再び後半はひどいものになった。監督は自身のキャリアで最も絶望的な試合と語ったが、少なくともNewcastle戦はもっと悪い出来だった。チームが勝点を得られずそれに値するプレーも見せられないなら、van Nistelrooyが残留争いに適した監督かという疑念は広がる。4試合の暫定指揮の期間に上げた3勝のうち2勝が自分たちが十分でないと判断した監督(= Cooper)に対するものだった場合、その監督を招聘することは正しかったのだろうか。van Nistelrooyはチームの出来を誤魔化すことはしておらず、勝ち点にならない良いプレーより勝ち点になる悪いプレーを選ぶはずだ。彼自身のためにも、ポイントが必要な所まで来てしまった。
42年来の記録に並んだチームには幸運の揺り戻しが必要だ
チームを苦しめる要素は色々あるが、第一に負傷者が挙げられる。もしもHermansen、Ricardo、Ndidi、そしてFatawuが出場できていれば、少なくともこの期間に1, 2ポイントは取れていただろう。ゴールの欠乏もそうだ。ホームで4試合連続無得点は1983年以来のことだ。この4試合でシュートは49本打ちゴール期待値は4.3ほどあったが、ボールがネットに入らない。得点に波はつきもので、チャンスを作り続ければ近いうちに運は向いてくるだろう。もしもAyewの開始早々のシュートやKristiansenの独走からのフィニッシュがゴールになっていればこの試合は全く別物になったはずだ。揺り戻しは必ずやってくる。
Hermansenや拙いフィニッシュは集中力の欠如を隠してはくれない
逆のエンドではLeicesterは未だ集中を欠き失点している。最初の失点ではWinksは審判に抗議をしていてボールに寄せられず、2失点目ではJustinはクロスをブロックせず足をブラブラさせるだけだった。どちらの失点もKristiansenがスペースを空けすぎたように見えたが、彼はCBがマークしていない分をカバーしようと中に入っていた。1失点目ではVestergaardもFaesも相手に前に入られ、2つ目はMavididiがカバーを怠った。こういった問題が続いているためビッグチャンスを献上し続けるのは不思議ではないが、その理由を明確に指摘するのは難しい。
もしかしたらこれは習慣かもしれない。昨季、彼らは集中を切らしても相手の拙いフィニッシュにより失点を免れたし、今季序盤はHermansenが素晴らしいセービングでミスをカバーしていた。彼らはもはや最後まで集中を保つ方法がわからなくなってしまったのだろうか。それを見つけない限り、同じことが起こり続ける。
士気を上げるためCannonの移籍は急がなければならない
今季最低のムードをTottenham戦までに良くするには、1, 2人の大型補強が役立つかもしれない。多くのファンはCannonの売却を望まないだろうが、彼が生む移籍金がスタメンの補強につながるならやる価値はある。ファンの士気を上げるため、あるいはスタッフや選手の士気を上げるため、クラブが移籍市場で野心を見せる必要がある。7連敗しても残留圏はまだ目の前にある。これから2週間のクラブの動きが、5月にそこに到達できるかを決める重要なものとなる。