プレミアでもLeicesterの偽SBが見たい

たまには分析記事以外の話題も。Leicestershire Liveの読者が選んだ今のところのベストイレブンが出たのでその感想です。一言で表せば「もう偽SBで良くない?」でした。

選出メンバー

フォーメーション図はリンクから見られます。
GK: Hermansen
DF: Ricardo, Okoli, Vestergaard, Justin
MF: El Khannous, Winks, Buonanotte
FW: Mavididi, Vardy, Fatawu
DFはちょっと意外な気もしますが、あとは大体そうかなという感じでしょうか。

やはり、皆MavididiとFatawuが一緒に出るのを見たいし、Ricardoも使うべきだと思っている。それなら偽SBで行くのがしっくり来るのではないでしょうか。

偽SBが見たい

偽SBのメリットはやはりピッチを縦に5分割したレーンを全て攻められること、さらにそれを両WGが張った状態でできることだと思います。この攻撃を守備時4-4-2のブロックを担保してできるのが大きい。Cooperのやり方だと大外の一方はSBが埋めないといけないし、この役割をこなすには走力が選手選考の第一条件です。そうなるとどうしても攻撃に物足りなさを感じてしまいます。

そして偽SB使用の大きな条件はこの変形に対応できるSBがいること。PepがBayernでやり出したときもRobbenとRiberyの両翼を活かすために、Lahm, Alabaという多才なSBコンビが大活躍しました。この時はXabi Alonsoが下りる形だったのでMarescaやMan CityでのPepとの違いはありますが。

今のLeicesterで考えれば、MavididiとFatawuの同時起用はもちろん見たい。そして何より一番難しい条件であるSBの人材はRicardoがいる。やらない手はないのでは、と思うのです。

メリット

まず、上述の通りMavididiとFatawuが両方ともサイドから攻撃に行けるのが強い。Mavididiが起用されないのは、Cooperが片方のWGにシャドーのようにプレーさせるせいというのが大方の見かたです。さらに、上のベストイレブンに立ち返るとEl KhannousとBuonanotteの同時起用も叶います。昨季課題だった中盤右側により攻撃的な選手を入れられれば、攻撃の手詰まり感も解消されそうです。守備強度に不安があれば片方Skippでもいいかもしれませんし、もちろんNdidiもいます。ちょうど、この代表ウィークで日本代表が3バックで2列目に三笘、南野、久保、堂安/伊東を同時起用して大暴れしたのと似ているでしょうか。

そしてRicardoも戻ってきます。Winksとのコンビはプレミアでも十分ボールをキープできるでしょう。また怪我がちだったRicardoが昨季にその前の3シーズン合計より長い時間プレーできたのも、激しいアップダウンが必要なくなったおかげと言われています。従来SBに求められたのはスタミナ・走力とロングボール(クロス)だったので、中盤で求められる相手に囲まれた中での細かいタッチやショートパスの精度を持っている選手は希少です。キャプテンとしても昇格に絶大な貢献をした選手なので、彼の大活躍がまた見たいです。

今のLeicesterの5レーンの埋め方だと、どちらかのサイドはSBが担うことになります。Kristiansenや逆向きでJustinだと突破力やパス精度に不安があるし、Ricardoを上げると怪我が心配。そもそも両サイドに突破力がある選手が揃っているのに片方しか使わないのは勿体ない。ファイナルサードでのプレーが課題になっている今のチームにとって、偽SBは必要なオプションではないでしょうか。

懸念点

昨季との違いとして、3バックの左を担うDoyleはもういません。左利きのCB自体いないので、このポジションを誰にするかは考えないといけません。昨季はJustinがここを埋めましたし、Okoliも3バック左の経験があります。一方Faesはやりたくないみたいな報道が出ました。興味深いのは、この間の試合でこの役割をKristiansenがやったことです。ここがやりたくないから昨季レンタルで出たという話でしたが。EUROにWBとして出るために昨季は嫌だったのか、単に2部に行きたくなかったという可能性もありますね。

Ricardoの控えも必要です。プレミアのレベルでChoudhuryに保持を求めるのはちょっと難しい気が。ちょっとトリッキーですが、Skippという手もあるでしょうか。守備重視ならChoudhury、保持重視ならSkippみたいなこともできるかもしれません。Justinをここに入れてカウンター対処優先とすると、ちょっとWalkerみたいな感じになりますかね。

前線では、MFが上がるタメを作れるトップがほしいところです。VardyやDakaもワンタッチのレイオフなんかはそれなりに上手いですが、プレミアの強いDFたち相手だとやはり不安。キープ重視でAyewあたりを使うと得点力はどうなのか。こうなるとIoannidisが獲れなかったのが残念です。ちなみに、勝ち点剥奪(今は撤回)以外に破談の一因はPanathinaikosがヨーロッパカップ戦への出場を決めて経済的に余裕が出たこととされていますが、この出場を決めるゴールを上げたのはあのTeteだそうです。Leicesterらしいというかなんというか。

「継続路線」というのならやってみても良いのでは

以上のようにFWの人選に不安は残りますが、2列目の攻撃力や中盤の支配力を考えると偽SBやっぱりアリじゃないか、というのが自分の考えです。Cooperはシーズン開始前に前監督が残したものを受け継ぐというような発言をしていますが、今のところ本当に?という感じです。MavididiとRicardoの使い方はかなり議論を呼んでいて、実際Mavididiによって得点が生まれたシーンもありました。チームの陣容を活かすためにも、昨季に選手たちが積み上げたものを信じてみてもいいんじゃないかなと思います。

ということで、最後に自分の思う偽SB版イレブンを載せて終わります。
GK: Hermansen
DF: Ricardo, Faes, Vestergaard, Okoli
MF: El Khannous, Winks, Buonanotte
FW: Mavididi, Vardy, Fatawu

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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