24/25 第5節 v Everton (H) 分析記事

プレミアでの経験を活かすこと、勝つために冷酷さを見せること、Cooperが選手に求めることはどちらも彼自身にも求められることだが、この試合でもそれは見えず。これまでの4試合と違い残留争いのライバルとの直接対決ということで新任監督に与えられる猶予ももうなし。疑問の残る交代策が続きスタメン選びの課題も山積。この厳しい状況に監督は応えられるのかどうか。
以下、下記分析記事の日本語での要約。

Cooperの儚い蜜月と反発を受けた不可解な決断

Cooperの蜜月期間は相応しい天気とともに終わった。キックオフの5分前には晴れていたが、選手がピッチに現れる頃には厚い雲が上空を覆った。ここまでヨーロッパで戦うチームとホームで2試合、中位のクラブとアウェー2試合を戦い、勝利はそれほど期待さたものではない。しかし、現在最下位な上にアウェーで9ヶ月勝っていない残留争いのライバルが相手となれば皆勝利を期待しただろう。チームはそれに応えられなかったどころか十分なパフォーマンスも見せられず、試合終了時にはブーイングが起こった。これは下降線の始まりで、Cooperがファンの支持を取り戻すには驚きを含むポジティブな結果とパフォーマンスが必要だ。

この試合の出来は不十分だったとCooper自身も認めており、Leicesterは常にEvertonに上回られ、これまで散発的に見られていたゲームプランは一端も現れなかった。前半途中からの雷雨はピッチの向こう側が見えないほどで、ひどいパフォーマンスに拍車をかけた。後半には、素晴らしいとは言えないまでも天気とともにパフォーマンスも上向き、創ったビッグチャンスはMavididiのゴールを含む2つ。Leicesterのホームでの後半の成績は現在リーグトップで、これはCooperがチームから引き出したものである。しかし、この巻き返しを必要にしているのはリーグ最悪のホーム前半の成績だ。ホームでの3試合全てで後半開始時は1-0でビハインドだった。まだ3試合で数は少ないが、全部で5試合のうちの3試合であることも忘れてはならない。

予想より短かった蜜月はNottingham Forestからの遺物のせいもあるかもしれない。Cooperはリーグで経験のある選手を求めたが、同じことは本人にも言える。2部や海外から来た監督のような猶予は彼にはない。そしてCooperの就任前からのリーグ成績も見てみると、5試合勝ちなしではなく、18試合での1勝しかしていないのだ。この見方も理解はできるが、ForestとLeicesterは別のクラブだし6ヶ月の休暇でCooperは別の監督となったはずだ。とはいえ思ったよりも早く訪れたブーイングは、Cooperは事態が大きくなる前に急いで信頼を取り戻す必要があることを意味する。試合終了後もしばらく雷雨は不気味に降り続いた。

交代に対する批判とそれに応えられない説明

この試合の最大のブーイングはMavididiがFatawuと替えられたときに起きた。CooperはMavididiが疲れ切っていて、Evertonの裏を突くには左WGをフレッシュにする必要があったと話し、同じ状況があれば同じことをするとも言った。額面通りに受け取ればそれは正しい。分析官はリアルタイムで選手の状態を把握しており、目で見るよりも確かな情報を持っている。しかしそれで全ては語れない。Mavididiは確かに疲れていたかもしれないが、対峙するGarnerは病み上がりで同様に疲れていただろうし、実際に交代する直前まで彼を突破できていた。フレッシュなFatawuはサイドを切り裂くことができたかもしれないが、左は彼のベストポジションではないし、トリックよりもスピードで抜くタイプの彼が走り込むスペースをEvertonは消していた。

Ayewを90分プレーさせたこともCooperの説明と矛盾する。彼は右でボールキープに貢献したが、1時間ほどすると彼の影響力は深刻なほど低下した。対峙した39歳のYoungにとって、これほど簡単な試合はもうないだろう。Ayewはゴールに背を向けてプレーし、Justinの走りは見られていなかったため、相手を追いかける必要はなかった。Cooperは選手に冷酷になることを求めたが、再び彼自身はそれを見せられなかった。本当に勝ちを求めるのなら、Ayewに代えてFatawuを、それも後半半ばで投入するべきだった。同様にVardyも足首のアクシデント以降試合に入れず、Edouardはもっと多くの時間を与えられても良かっただろう。Buonanotteの投入は素早かったものの、その次は遅すぎたし、Mavididiを替える必要もなかった。

El KhannoussについてのヒントとCooperに残されたバランスの課題

Cooperは「彼は我々の選手だ」とBuonanotteではなくEl Khannoussを選んだことについて示唆を与えた。BrightonはBuonanotteを来季戻すつもりでローンに出した一方、El KhannoussはLeicesterが移籍金をかけた選手だ。El Khannoussの選出は待ち望んだ攻撃的な動きで確かに彼は前線にパスを出せる目を持っているが、結果としては周りと噛み合わず期待したようには行かなかった。これらのトライは止めるべきではないが、パスをいつ・どこに出すかの判断は改善する必要がある。Cooperにはこれからチームの質を損なわずEl Khannoussに馴染む時間を与えるタスクが課せられるが、ローン選手であるBuonanotteの出来が良いためにさらに複雑なものとなるだろう。

SkippとNdidiの間の難しい決断とWinksの指示

El KhannoussのためにSkippを外しNdidiをWinksの隣に下げたのはもう一つの難しい決断だった。Skippもフィジカルがないわけではないが、Ndidiは長い脚でボールを奪い、Mavididiの同点弾のときにはセットプレーで大きな役割を果たした。Ndidiはこの日後半にボールをよく運んだが、ボックス周りでは何もできず先週からの継続性は見られていない。SkippはNdidiほどリスクは取らないが、パスミスが少なく攻撃を壊してしまうことは減るだろう。さらに、前半にはWinksの落ち着けという指示をチームの誰も聞いていなかったようだが、Skippにはそれが必要ないはずだ。しかしCooperはそれよりもカオスを求めていたようで、残念ながらその中で上手くやったのはEvertonの方だった。

インパクトを残したフィールド外の補強

勝ち点1を除いて一番のポジティブな点は、コーナーからゴールが生まれそれにかけた1週間の準備が見えたことだ。Pickfordが滅多に飛び出して来ないことを踏まえ、6ヤードボックス内にサイズのあるNdidiやOkoliが飛び込みMavididiにボールを落とした。それ以前にも、相手にゴール前を意識させた上でのショートコーナーでMavididiのクロスからOkoliの同点弾以上のチャンスを創っている。コーナーだけに頼ることはできないが、OkoliとFaesを中心に脅威となっていることは良い兆しだ。Norwichからこの夏やってきたAndy Hughesはコーナーを得るといつもテクニカルエリアまで出てきているが、彼の働きとその時間を与えているCooperは称賛に値する。

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