24/25 第23節 v Tottenham (A) 分析記事

この試合での連敗ストップは、期待のStolarczykやゾーンに入ったSoumare、そしてファンから先発を支持されていなかったDe Cordova-Reidのハイパフォーマンスがもたらした。チームを信じてファンからの批判に立ち向かい、降格圏脱出という結果を残した監督も称賛されるべきだろう。これに経営陣が報いてクラブの雰囲気を良くするには残り数日となった移籍市場での補強が必須。
以下、下記分析記事の日本語での要約。

van Nistelrooyはどのように長く残る汚点を避け経営陣に貸しを作ったか

van Nistelrooyが試合終了までテクニカルエリアを歩き回りホイッスルの後にはEl KhannoussとVardyを強く抱き締めた様に、連敗を止めた安堵が表れているかのように見えた。結果に安心したかという質問に監督は7連敗後で「勝利が必要だった」という意味でイエスと、「自分たちのやり方を信じていたのでチームがやり遂げたことに安堵や驚きはない」という意味でノーと答えた。

チームの危機だという声に溢れた1週間を乗り越え、監督が安堵感に支配されたとしてもおかしくはなかっただろう。ホームで無得点での2連敗を喫しファンの怒りの矛先は初めてフロントから監督へ向いた上、選手との衝突が報じられ補強の動きも少なかった。そしてもしこの試合で負けていたら、就任から10試合でクラブの連敗記録に並ぶ8連敗というそう簡単には拭えない汚点となっていただろう。監督は、古典的なやり方でもあるがチームを食事に連れ出し一体感を生もうとした。しかしその一方で試合前の会見で彼は疲弊しているようだった。

ところがついに結果を得た。この7連敗の間チームは破滅的というわけではなく、いくつかの勝ち点には値する闘いをしていた。監督がチームの能力をわかっていたから安堵感はないと言ったのも嘘ではないだろう。彼らに必要なのは少しのツキだった。実際にこの試合はホームでのMan City戦やPalace戦よりパフォーマンスが特別良かったというわけではない。第一に彼らは数週間の拙いフィニッシュの後やっとチャンスをものにした。後半の入りも良くなったが、ハーフタイムで特別なメッセージがあったわけではなく、おそらくFulham戦の後の厳しい言葉が選手の耳にまだ響いていたのだろう。またStolarczykはプレミアでのベストパフォーマンスを見せたし、何よりラスト35分の守備が大きな違いを生んだ。

5分ほど3点目を狙った後、Leicesterは神経質になったのかボールをキープするよりも深く守るようになった。しかしSpursは十分なポゼッションと時間をチャンスに繋げられていない。Match of the Day 2では、60分頃のPedro PorroのフリーキックとアディショナルタイムのMikey Mooreのオフサイドだったシュート以外にハイライトはなかった。守備陣とStolarczykはボックスを圧倒的に支配した。チームは惨憺たる期間を抜け降格圏を脱したことで肩の荷が下りたことだろう。これによりチームの危機を案じる声はある程度は弱まり(クラブのそれは別の話かもしれないが)、Everton戦へのプレッシャーは和らいだだろう。今季の最悪な期間はこれで終わったと願うばかりだ。

StolarczykがHermansenより優れているかもしれない点

VardyとEl Khannoussがハグを受けただけでなく、Stolarczykも監督から背中をバシバシと叩かれた。彼は自身のプレミアでの初勝利において大きな役割を果たしている。いくつかのファインセーブを見せ、中でもSonのシュートは完全に入ったと思ったし、Kulusevskiとの一対一でも素早く飛び出しコースを消した。Hermansenが今夏多くの注目を集めることが予想される中(特にChelseaでSanchezがミスをするたびに)、Stolarczykは彼と並べられプレミアのレベルかどうかを査定されている。まだそのジャッジは早計だが、シュートストップと足元の技術はHermansenに及ばないものの、Stolarczykには彼より優れているかもしれない面がある。

Stolarczykはクロスをパンチでクリアすることに自信を持っているように見える。Hermansenはライン上に留まりシュートに対する反応に頼ろうとするが、Stolarczykは6ヤードボックスを飛び出しエリア内へのボールへアタックする。そのタイミングも良く、ボールの軌道を見誤ることもなかった。毎回十分な力でボールにコンタクトするのでチームは守備を整えることができ、リードを守るときにはこの能力は重要なものとなる。

大論争となりかねない起用に対しvan Nistelrooyの正しさが証明された

Fulham戦ではファンから「何をやっているのかわかっていない」と揶揄されたが、van Nistelrooyはこの試合でMavididiとBuonanotteではなくDe Cordova-ReidとAyewを先発させ再度同じ批判を浴びる可能性を自ら作った。Spursの悪名高いハイラインに対し年齢合計が102歳という高齢な3トップを先発させたが、これはSpursの3トップより19歳も上だ。しかし試合終了時にこれは正当化された。De Cordova-Reidは2アシストを記録し、特に1点目は完璧なクロスをDFとGKの間に通した。Mavididiもやらないわけではないが、自分でカットインする確率のほうが高い。20歳のEl Khannoussもその貪欲さで前半にいくつかチャンスを潰した後素晴らしい決勝点を上げたが、逆に年齢を重ねた選手はより利他的に動けるのだろう。

De Cordova-Reidのパフォーマンスはここ最近可もなく不可もないMavididiに刺激を与えるはずだ。右SBではCoulibalyの獲得以降Justinのパフォーマンスは改善してきている。Mavididiは自分のポジションを取り返さなくてはならない。Everton戦でDe Cordova-Reidが先発してももはや論争にはならないだろう。

ゾーンに入った「並外れた」Soumare

SoumareはLeicesterでの最多タイとなる7戦連続の先発となり、彼のパフォーマンスの上がり方はよく知られたものとなった。彼はゾーンに入るとベストを発揮する。確かに彼は時折素晴らしい推進力を見せるが、その直後には集中力を失い相手を素通りさせてしまうことが多い。Soumareはプレーし続けることで90分間鋭さを保つようになるが、以前はそのタイミングで怪我やW杯による中断に遭った。しかし今回はvan Nistelrooyに時間を与えられそれに応えた。タックルとインターセプト、ボール回収の合計回数は今季ベストに並び、決勝点につながるボール奪取もあった。この試合がSoumareのベストかという問いに対し、監督は「いや、他の週のパフォーマンスもこれに並ぶと思う。彼は一緒に働き始めたその時から並外れている。以前のパフォーマンスも同じように際立っていた。」と答え彼への評価の高さを伺わせた。

経営陣はvan Nistelrooyに報いなければならない

7連敗中の監督にとってオーナーとダイレクターがスタンドにいることは不吉だが、van Nistelrooyは試合後Topのサムズアップを受けた。監督は勝利によって上層部への批判をいくらか和らげた。今SNSは次のホームゲームでの抗議活動についての話題で溢れてはいない。今度は経営陣が監督を助ける番だろう。残り1週間の移籍市場でいくらか選手を加えることは、監督の助けだけでなくクラブがプレミアに残るためにやれるだけのことはやるという姿勢を示すことにもつながる。

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