24/25 第21節 v Crystal Palace (H) 分析記事
Jon Rudkinへのチャントが大きくなった理由と注目の的となったLeicesterの履歴書
ここ最近パフォーマンスの改善が見られたのは勝利は期待できないような相手に対してだったが、Palaceとのホーム戦は勝ち点3が必須でありvan Nistelrooyもそうわかっていた。監督は失望を隠すことができず6連敗目を「最低」と表現している。連敗数は降格したシーズンに並び彼の下で得られた勝ち点は24のうち4という悲惨な状態だが、監督に対してまだ批判の目は向いていないようだ。
広く見れば今回の試合も一定の出来で、プレミアでシュート数21-9もの差を記録したのは73試合ぶりだった。これだけ結果が出ていないにも拘らず、2つのボックス間での優れたプレーが監督の評価を保つことにつながっている。今回フィニッシュの精度を欠いたが、チャンスを作りさえすればいずれ立ち直るだろう。監督にとっての問題は与えるチャンス自体は減っているものの毎試合ビッグチャンスをいくつか与えていることだ。このリーグに残るために相手のフィニッシュの拙さに頼ることは出来ず、相手は良いチャンスを必ずものにするというつもりで守る必要がある。これが改善できないときvan Nistelrooyの評価は落ち始めるだろう。
プレーの改善や本人の監督経験の浅さからvan Nistelrooyに批判がむけられることはまだないが、上層部特にダイレクターのJon Rudkinに対する怒りは増すばかりだ。この日Rudkinの退任を求めるチャントはこれまで以上に大きくなった。監督がプレーを改善しているのに結果が出ないのであれば問題はスカッドの質にあり、その責任は究極的にRudkinにある。バック4は全員降格したシーズンのメンバーで、2000万ポンドのSkippはスタメンに入れず1500万ポンドのOkoliはベンチにすら入っていない。Edouardの加入は無駄どころかレンタル枠を1つ潰している。PSRの罰則は避けたかもしれないが、1月の補強が現在300万ポンドだけということに影響は見て取れる。たとえ良い監督を招聘してもその監督が勝点を得るためのチームを与えられなければ意味がなく、チームのパフォーマンスが良くなっても勝ち点がついてこないことはチームを作った者に跳ね返ってくる。ファンもそれがわからないはずはない。
再びの2失点で注目の的となった守備の履歴書
今季21試合中2失点以上したのが16となりバックラインが再び注目の的となった。これまでの批判は個人やユニットのパフォーマンスに向けられており、今回もVestergaardは決して俊敏とはいえないMatetaに簡単に剥がされ失点を招いた。彼の先発したプレミアの試合ではここ18試合で1勝しかしていない。しかし今回の本当の争点は前述もしたがなぜ降格したシーズンと同じバックラインを敷いているのかだ。Coulibalyは右SBの「カバー」と監督は言っておりすぐにバックラインを入れ替える補強ではないようである。
経歴に降格を持つ選手が自動的に悪いDFだというわけではなく、RobertsonはHullとともに降格した後プレミアとCLをLiverpoolで勝ち取った。Justinは2季連続5位フィニッシュしたときのメンバーだし、Kristiansenは昨季CL出場権を得ている。VestergaardとFaesはそれぞれ大きな大会で国の代表を務めているし前者はベスト4まで進んだ。いずれにせよ、彼らは証明すべき力を持っているはずであり、降格という経歴は1つのイレギュラーであると示したがっているに違いない。しかし外から見れば一度失敗したバックラインを信じ続けるのは難しく、違いを生むCBの補強がその評価を変える可能性はあるがクラブにそれほどの余裕はないかもしれない。
自信に溢れた若き才能たちが学ぶべきこと
21本のシュートは今季最多ではあるが、学ぶべきこともある。時にはシュートしないほうがいいこともあるのだ。Vardyの後ろの3人は前半良いプレーをしたが彼らの選択は時々良くなかった。Mavididiは序盤利己的だったがすぐに改善したものの、El KhannoussとBuonanotteは忍耐が必要なところで遠くから自分の運を試した。自身を持ったアタッカーにはありがちな問題で、彼らは自分の能力を信じるべきだし並外れた才能を持つ選手だが、それが30ヤードの距離からゴールを決められるということにはならない。彼らは相手を崩しより良いチャンスを作る力がある。次の機会には別の判断ができるよう彼らにそのことを思い起こさせなければならない。
Vardyのミスは問題ではない
Vardyは18本のシュートで6ゴールという素晴らしいスタートを切ったが、その後の18本で一度も点を取っていない。一部のサポーターは彼をスタメンから外すべきかと考え始めている。しかしそれは的外れかもしれない。Vardyのフィニッシュ能力に疑いの余地はなくすぐに感覚を取り戻すだろう。問題になるのはVardyがそのポジションにたどり着けない場合だが、今は全くそうではない。最初の18本のシュートは14試合でのものだが、後の18本は5試合での数だ。Palace戦でのシュート6本はプレミアでは2022年5月以来の数字だ。この日は基準以下の出来だったが今はVardyは問題ではない。彼にチャンスを届け続ければゴールはまた来始めるだろう。
順位表の良い報せ
良い報せがあるとすれば、WolvesとEvertonがまだ1勝で追いつける位置にいることだ。Palace戦の敗北は重く降格の確率が高まったと考えるのは簡単だが、順位表を見ればまだ闘う余地は十分にある。van Nistelrooyが自身とチームを「最低」なムードから引き上げたいのなら、表をちらっと見てみることだ。