すずめの戸締りの感想 -あるいは、胸によぎる村上春樹
はじめに私は映画館で公開直後、いわゆるネタバレ厳禁の雰囲気が流れている頃に該当の映画を見に行ったことが実はなかった。「龍とそばかすの姫」も公開されてからしばらく経ってから見たし、「大怪獣の後始末」に至っては、ネババレ厳禁の雰囲気など一切ない状態だった。そういった私が話題の映画を早期(早期という定義は公開から1週目だと短すぎるし、3週目では長すぎる。ちょうどスパゲッティのアルデンテのように)に見に行ったことはまさに蒼天の霹靂である。
人間には大きく分けて二つに分けることができ