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感想をぼちぼち書いてます。その他雑記はこちら→ https://sizu.me/metayuki

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最近の記事

『海の沈黙』 合わなくても、好きなのかも。

巨匠・倉本聰が長い歳月をかけ構想した物語が映画に。錚々たるキャストを揃え、令和の世にあっては異彩を放つ作品に仕上がった『海の沈黙』は、観る者にとっての「美」とはなにかを問いかけてくる。結論を先に言えば、僕には合わなかった。その理由はいろいろあって、批判も容易、なのだけれど、ちょっと視点を変えれば、なるほどこれが「美」の在り方かと思わせられもする。 映画『海の沈黙』は2024年11月22日(金)から全国公開です。 『海の沈黙』あらすじ 日本を代表する画家の田村修三(石坂浩

    • 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』 見たふりばかりの私たちへ。 

      世界公開に遅れること半年。ようやく、『シビル・ウォー』が日本でも公開されます。試写拝見しましたが、どう考えても、率直な意見は「観るのおすすめしません」というもので、だって怖いもの。良い作品というのは、それを観る前と後とで世界の見え方が変わってくるもの、と認識していますが、『シビル・ウォー』は間違いなく世界の見え方を変えてきます。SNS時代に生きる我々の正義を破壊してくれます。ジェシー・プレモンスの佇まいが悪魔です。 映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は2024年10月

      • 『ナミビアの砂漠』 無軌道も無理な世界で

        カンヌ国際映画祭への出品でも話題を呼んだ『ナミビアの砂漠』。山中瑶子監督、河合優実主演。それだけで「観なくては」と思う人も多いはず。はたしてその実態は、物語を求めると弾かれる、共感を探すと唾を吐かれる、容赦なく「いま」を突きつけられる怪力作。すべての大人たちが本作を観て大いに戸惑ってしまえばいい。そしてこの作品が「いま」である今に観られる幸せと冷たさを憶えておくがいい。 映画『ナミビアの砂漠』は2024年9月6日(金)から公開です。 『ナミビアの砂漠』に関する前情報 映

        • 映画『箱男』 箱男やってみたくなる怪作

          安部公房生誕100年という節目に、石井岳龍監督が執念で仕上げた映画『箱男』が公開される。97年に制作中止の報を知って落胆した僕みたいな人間にも、安部公房を最近知ったという世代にも、なんなら安部公房も『箱男』もぜんぜん知らないという人にこそ観てもらいたい。箱をかぶった人間同士が、箱をかぶってるくせに欲望とかいろいろ剥き出しの攻防戦をくりひろげる、他に類を見ない作品です。 映画『箱男』は2024年8月23日(金)から公開です。 『箱男』あらすじ 縦・横1m、高さ1.5mの段

          映画『違国日記』 夜の向こうの美しいなにか

          なにが嫌いかよりも、なにが好きかでその人となりは見えてくると常々思っているのだけれど、映画『違国日記』は僕にとってはたくさんのいろんな「好き」が並んだビュッフェみたいな作品で、ここも好き、そこも好き、これも好きじゃーん! というテンションを誘発される作品でした。レビュー本文では触れてないけど、バンド演奏シーンも最高です。 大島依提亜さんと中山隼人さんデザインのパンフレットもすばらしく、これはぜひ実物をご覧になっていただきたいところ。 十代の忙しさ 原作が槙生なら、映画は朝

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          『自転車泥棒』呉明益を読んで

           呉明益さんの長編『自転車泥棒』をもう一度読みたくなって、買い足した。単行本は持っているし、何度か読み直しもしたのだけれど、単行本を持ち歩くのはちょっと骨なので、文庫本を買い足した次第です。  訳者の天野健太郎さんが既にこの世を去ってしまっていることをあらためて思い、哀しみとともに、この作品を訳してもらえたことを嬉しくも思う。 『自転車泥棒』は単行本が出たころに書評を書いたので、そちらにちょっとだけ手を加えてここに紹介する。 長い歴史を自転車に乗って 2015年に白水社

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          映画『メイ・ディセンバー ゆれる真実』 物語を拒む者と望む我ら

          トッド・ヘインズ監督による、ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアの共演作。映画好きならそれだけで大合格に違いない作品『メイ・ディセンバー』を試写で鑑賞した。率直な感想は「思ってたんと違う!」と「だがそれがいい!」のぶつかりあいで、つまり、おもしろい。邦題には「ゆれる真実」という言葉が添えられているけれど、実際には「揺さぶられる」のほうが合っている。 映画『メイ・ディセンバー ゆれる真実』は2024年7月12日(金)から公開です。(トップ画像は試写会でいただいたチラシから

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